20140414やる気

 

就職しないできない若者の『未就職予備軍のレジリエンス(回復力)をどう引き出すか?』、キャリアカウンセラー・心理セラピストの観点から、子供や若者よりも、私たち大人に焦点を当てたお話です。

 

 

『Ⅸ.就職しないできない若者』
第37話:子供・若者は心の時代を生き出している」

 

 

【親が自己肯定感を高めた心の習慣を創ること。

 

それが子供の豊かな発想力や前向きな考える力、
主体性を育む最大の教育になり、子育ての早道。

 

つまるところ、『感謝を笑顔でする心』である。】

 

 

前回は、『若者6割「現代の生活に満足」先行き不安も社会貢献意欲は旺盛』という平成25年版の厚生労働白書のデータのお話をしました。

 

 

さらに、それは若者だけではなく、実は私たち大人もそのように思って生活していて、「食べるために働く」よりも「楽しむために働いている」価値観を持っているお話をしました。

 

 

今回は、この厚生労働白書の中で、このことを裏付けるような、若者の働く目的に関する長期的な調査結果が、非常に興味深い内容となっているお話をしたいと思います。

 

 

平成25年版厚生労働白書の概要の「第4節 仕事に関する意識」のところで、次のような表があります。

 

 

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若者の意識は社会の変化を敏感に反映すると言われていますが、この厚生労働白書を見ると、若者の仕事に関する意識は2000年を境に大きく変化したことがわかると思います。

 

 

この表では、新入社員に対して働く目的を尋ねたところ、2000年までは一貫して5%程度しかなかった「社会のために役に立ちたい」という項目が、2000年を境に急増しています。

 

 

そして、2012年には15%まで上昇し、また「楽しい生活をしたい」という項目も2000年を境に急上昇し40%とトップになっているのです。

 

 

これに対して「経済的に豊かな生活を送りたい」「自分の能力をためす生き方をしたい」という項目は、逆に2000年を境に低下し、現在は20%程度まで落ち込んでいるのです。

 

 

 

2000年を境にこうした意識の変化が急激に進んだという事実は、日本経済がバブル崩壊をきっかけに行き詰り感を持ち、子供・若者の保守的なマインドが醸成されて行ったように思われるかもしれません。

 

 

しかし、もしそうならば、子供・若者のマインドは、もっと社会への失望感や閉塞感を持ってもおかしくなく、「楽しい生活をしたい」「社会のために役に立ちたい」が上向きの数字を示すことは考えにくいと言えます。

 

 

現実は日本経済がバブル崩壊後も、私たちの暮しを取り巻く物質的な豊かさは上昇し続け、衣食住には困らない物質的な豊かさに心が満たされて行った時代でした。

 

 

そんな折、21世紀は心の時代と言われ、急速に世の中は物質的価値観から精神的価値観を求め出し、世間は癒しブームを巻き起こし現在に至っていると言えます。

 

 

この厚生労働白書の長期的な統計から見ると、この2000年というのは、日本社会の本質的転換点と言っても言い過ぎではないような気がしますが、みなさんはどう思われるでしょうか。

 

 

 

私の約15年前の記憶では、学生に企業の経済的利益を追求するためにどう企業に貢献するかを、学生に言っていたように思います。

 

 

しかし今学生と日々関わっていて、経済的利益を追求よりも、「楽しく仕事をすること」「社会のために役に立ちたい」と考える若者が多いように感じます。

 

 

そのことは、心の時代を反映していると言え、また混沌とした社会が移行する世の中の方向性を考えると、益々このトレンド(時代の趨勢)の傾向は高まってくるように思うのです。

 

 

そのような意味でも、私たち大人が持つ過去の価値観に捉われにくい子供・若者の意識は、確実に心の時代を生き出していると言えるのです。

 

 

出所:平成25年版厚生労働省白書「若者の意識を探る」(概要)

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

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