「私はこういう人間だからと決めつけて」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第90話:私はこういう人間だからと決めつけて」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回哲也は、『幸せは、自分がどう思うか、と言うことなのか』と、気づいた気がした。
『どうやったら幸せになれるだろうか』と問う代わりに、
『どう幸せに生きるか』を自分に問い掛けられるかと、わかった気がした。
そして、“どう幸せに生きるか”と考えた方が、
日々の中で“幸せ”や“感謝”“有り難み”を感じる感性が磨かれ、
今の自分が幸せであることを感じることが増える気がする。
気がつけば、『今の俺は、自分のことがそんなに嫌いじゃない』と、
晴れ晴れしい気持ちになったのだった。
哲也は、優花と二人で買い物に出掛けていた。
「どうしたの、なにかいいことがあったの?」
「え、別になにもないけど」
「なんかにやけた顔しちゃって」
「そう、なんかうれしいのかな」
「私もうれしいけどね」
哲也は、『今の俺は、自分のことがそんなに嫌いじゃない』と思ってから、毎日が、この瞬間瞬間が楽しくて仕方なかった。
一言で言うならば、『人生すべてがOK!』、そんな気分だった。
哲也は優花に、『わたしもうれしいけどね』と言われたとき、優花から以外な言葉を聞いた気がした。
優花は自分と会えたことがうれしいと思って言ってくれたが、哲也は、優花と会えたことが嬉しいと思って、言葉を言ったのではなかったからだ。
でも、優花に『わたしもうれしいけどね』と言われ瞬間、自分ももっと『うれしい』気持ちになっていた。
そして、哲也はこうして優花といつも当たり前のように会って、肩を並べながら歩いているこの瞬間を思いながら、今のこの幸せを感じられる自分に喜びを感じていた。
哲也は、今こうしている自分を、優花と出会う前の自分と比べるように思い出していた。
あの頃は、仕事と家の往復。会うと言えば会社の先輩ぐらい。時になかば強引に先輩と先輩の彼女と一緒に飲みにもつきあったりしていた。
そして、いつものお決まりのセリフ、『早く彼女つくれよ』だった。
自分は、そんなに強く彼女がほしいと思わなかった。会うたびにそんなことを言われると、余計に彼女をつくることが煩わしく思えるほどだった。
今は、自分が自分で在ることがうれしい気持ちのような気持になっているが、あの頃のことを思うと、もっと自分らしく、もっとあるがままに生きたいともがいていた気がする。
そして、気がつけば、『自分らしい檻の中でもがいていたのかもしれない』。
そう、どこかで、『自分はこういう人間だからと決めつけて』
今の自分、あの時の自分。
今思うことがあれば、今の自分は、あの頃と比べて、何十倍、何百倍、いや何千倍も、『幸せ』について考えているし、そのように生きようとしている。
それは、マイナスなことネガティブを考えることが薄れるぐらい、ポジティブでプラスなことが今の自分の思考を満たしている。そんな感じだ。
「哲也、さっきからずーっと空をみてるけど、なにかあるの?」
「えっ、そう?なんか暑いけど、晴れ渡る空を見てると幸せな気がして」
「なんかやば」
「そういうやばい人を好きになっている人もやばいかも」
「そんな人を受入れられる私って、すごいかも(笑)」
哲也は『えっ、そう返してくる』と思いながら、
『畏るべし、おばあちゃんの孫!』と思ったのだった。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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