「無力さの中にある才能」
『§幸せにくいのないように生きる』
「無力さの中にある才能」
ある障害者施設のボランティで、心理学を勉強している2年生の女子学生と話をする機会がありました。
熱心に取り組む姿を見ていた私は、彼女に声を掛けました。
「どうしてこのボランティアに参加したの?」と。
すると、「将来なりたいことの経験を積むためです」と答えが返ってきました。
そして、彼女は将来、特別支援学校の先生になりたい思いがあると語ってくれました。
私はなんでそう思ったのだろうかと興味を抱き、彼女に聞きました。
彼女は、それが自分の使命かのように話してくれました。
「私の弟は発達障害なんです。弟に関わる母親や先生など、弟のために一生懸命関わってくれています。
私はそれを見ていて、自分も弟のような障害を持っている人に関わって、何か手助けしたいと思ったんです。
それで高校の先生に相談した時に、特別支援学校の先生という仕事があることを聞き、特別支援学校の教員免許も取れ、心理学にも興味があったので今の大学を受験しました」と。
このようなきっかけで、大学で勉強する学生の話をよく耳にしますが、明るくエネルギッシュに語ったくれた彼女でしたが、私はそこに暗い影のようなものを感じました。
それは、彼女の無力感です。
彼女の前向きな話を聞いている中で、彼女に暗い影のようなものを感じた私は、次のような彼女のストーリーが頭に浮かんできました。
彼女は、弟と一緒に生活をしていると、自分がいかいなに不自由なく生きられているか、その有り難みを感じると同時に、弟に何もしてあげられない無力な自分を感じていたんだろうと思いました。
彼女はその無力さを、自分の人生の目的としての目標を見つけ、2年生からその準備のためにボランティアに参加する姿は、彼女の本気度を感じました。
彼女のように自分の人生の目的を生きる目標を見つけられればいいのですが、なかなかそう簡単に見つけられないことが多くの人の悩みになっているかもしれません。
しかし、多くの人は、多かれ少なかれこの“無力さ”を感じて生きています。
ただ、自分の心の痛みにも通ずるこの“無力さ”を、普通見ることはありません。
時間の経過の中で忘れられていく感情です。
感情は、その感情を引き起こした印象を観念として、私たちの潜在意識に仕舞い込まれていきます。
その感情を肯定して受け入れることができた時、それは体験として人に役に立つ生きたアドバイスに変わるのです。
そして、多くはその潜在意識の中に眠ったままなのです。
彼女の場合、日々弟と生活をしているわけで、その感情を日々突きつけられた状態だったと思います。
そんな彼女は、相当な月日もがき苦しんだことが容易に想像できます。
その証拠に彼女と話をしていたときに、やはり思春期の中学生の頃、やんちゃをしていた話をさらっと言っていましたが、その感情から逃れるために、彼女にとって自分の心のバランスを取るために必要な時間だったことが伺えました。
私たちは、心の中に“無力さ”を持っています。
しかし、日頃そんな自分と向き合うなんてことはしません。
けれども、今その”無力さ“と向き合うことができれば、その無力さをどう改善したらいいかを知ることができれば、自分がやりたい人生を生きる目的につながっていきます。
そのときに気づいた感情は多く、
「人を幸せにしたい」
「人の役に立ちたい」
「人を笑顔にしたい」
「人と喜びを分かちあいたい」
こんな感情がでてくればしめたものです。
学生は就職活動をするとき、自分をPRするために自己分析をします。
自己分析をして行き着くところは、ほぼ上の4つの感情になるのです。
そして、今の学生と関わって思うことは、
約20年前の学生は、まだ大学を卒業して食べるために仕事をするマインドがありましたが、今は食べることに困った経験が少ない学生にとっては、この4つを感じさせてくれる“やりがい”を求めているように感じます。
そして企業も、この若者の時勢にあった意識を持って工夫している会社と、企業に会社の説明をしているような説明を学生にしている会社とでは、学生が興味を引くのは一目瞭然のように感じています。
無力さの中にある才能。
『汝自身について知り、汝自身について考えよ』
古代ギリシアの哲学者・ソクラテスのこの言葉は、
もっともっと自分の内なる中にある才能に気づくことを、暗示しているのかもしれません。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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