「人は愛の伝道師」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第63話:人は愛の伝道師」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回哲也は、おばあちゃんの話を聞いて自分の日頃のおこないを省みて、のけぞるように天井を仰ぎ見た。
そして、ふと少し前におばあちゃんが話した『すべてが愛すべき存在』の言葉を思い浮かべ、それはいったいどんな感覚なのだろうと思った。
「おばあちゃんの話はどれも奥深くて、様々なことを思い巡らして、自分自身を考えさせられます。
さっきおばあちゃんが言った『すべてが愛すべき存在』と言う言葉がとても気になっているんですけど、どんな感覚なのかヒントのようなものを頂けないですか」
「そんなヒントのようなものって、その言葉を説明するのは、そうね、難しいわね。
愛そのものが、目に見える形のないものだからね。
そうね、昔ある外国人の神父様が、愛について話してくれたわね」
「それってどんな話ですか」
「たくさんある言葉を突き詰めていくと、“愛”と“怖れ”に行き着くそうなの。
その“愛”が派生して、様々な言葉が生まれて来るって言うお話なんだけど。私はその話を聞いて、『なるほどね』って強く感心したのを覚えている。
“愛”という言葉から派生した言葉は、感謝、幸せ、豊かさ、喜び、つながり、思いやり、絆、慈しみ、友情などがあるそうでね。
その中でも一番“愛”に近い言葉が、“感謝”の言葉だったかな。
“愛”という形がなく感じるものだけに、人は目で見て理解したいと思うから、それを一番現したのが“感謝”の言葉だったように思う。
そう言われたとき、なにか腑に落ちたようでね。“感謝”の言葉は、本当に人の心を癒し、人の心を幸せにし、そして人の心をもゆるすことにもつながるから、改めてとてもすごい言葉なのだと気づかされた。
そしてこうも思ったんだね。
“愛”が形の見えないもので、それを形ある言葉で表現したのが“感謝”。
そうすると、その“感謝”という形あるものから、すべてのものごとが紐づいて広がっているんだと思うようになって。
そう思うと、幸せを感じたら自然と“ありがとう”と感謝するし、豊かな気持ちになるとやっぱり感謝の言葉が出て来るし。
そう考えると、喜びも、つながり、思いやり、絆、慈しみ、友情でさえ、そこには支えらえたり励まさせたりして、友に感謝の思いがあり、すべてが“感謝”につながっている。
そして、そこにあるすべてに共通するものがあるとすると、“すべてが無条件”でそれらを感じられるってこと。
そこには損得も善悪もなく、なにごとにも価値判断することなく、“ただそこに存在する”って感じでね。
そう思ってそれらのことを、日々の中でたくさん感じて生きていたら、あるときなににそう思ったのかは忘れてしまったけれども、『すべてが愛すべき存在』と気がついたらそう口ずさんでいてね。
今見ているものごとを、超越した意識でものごとを見ている感じで、なんの価値判断もなく、ただすべてが愛おしい感じがして。
それが私にとって感じられる“愛”なのかと、今もそう思って生きているんだけどね。
そうだね、この21世紀は心の時代と言われるけれども、そういった超越した意識で生きることなのかと。
物質的な価値観や価値判断でものごとに対して一喜一憂するのではなくてね。
みんなが“愛”のために生きて、“愛”のためにつながり合おうとする、誰もがそんな愛の伝道師のような生き方をすれば、もっと“愛”という言葉から派生した言葉の中で生きていけるような気がするよね。
ん?ちょっと話が難しかったかな。
もっと簡単に言うと、
『自分の心に正直に生きる』と言うことかな。
そのためには、日々どんな体験からも、気づき学ぶことを忘れないことかな』
哲也はおばあちゃんの話す言葉は理解できたけれども、その話の本質をきっちりと理解できたかは疑問だった。
けれども、自分の心に正直に生きるためには、もっともっと日々の体験から勉強する、気づきと学びを意識して生きようと思ったのだった。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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