「相手の価値を見る」

 

この話も昔の話である。

「相手の価値を見る」ことが大切だと言われ、

だんだんと、「こんな感じなんだ」とわかり出してきた頃である。

 

ある日、私は飼っている愛犬に価値を見てみた。

 

愛犬が起きているときに近づくと、

遊んでくれると喜んでじゃれてくるので、

寝ているときを見計らってしてみた。

 

すると、価値を見るというよりも、

愛犬のかわいらしさに意識がいって、 なごむ自分がいた。

 

しばらくして、

「愛犬に価値を見るんだった」と思い出し、 愛犬を見るのだが、

なぜか価値を見ようとしても、 そこに意識がいかない。

 

それよりも、愛犬のかわいらしさが先に立ち、

そして、愛犬にいつも癒されていることを 思い出している自分がいた。

 

愛犬を見ていると、

いつもたくさんなごませてくれて、

癒してくれるそんな思いが心に湧いてきた。

 

そして、この愛犬にどれだけ助けられているのかと、

本当に感謝の気持ちが込み上がってきた。

 

愛犬への感謝、慈しみ、けな気さ、無条件の愛情。

そんな言葉が、フィットしそうな気持ちになった。

 

愛犬への大事にしたい思いは、さらに強まったのだった。

 

 

二階の自分の部屋に戻ると、

ふと、一階にいる母のことを思い出して、

愛犬と同じように思おうとしたのだが、

 

気がつけば腕組みをして、

口を一の字のように口角を広げて、

「うむー」と固まってしまったのだった。

 

でも今思うと面白いことに、

それから、母へ面と向かってはできないけれども、

母に対して日々意識する自分がいて、

 

それは知らずしらずのうちに、

母への受容の気持ちが大きくなり、

すぐにケンカになることも減り、

いつしか母のことを本当に理解する はじまりになっていったのだった。

 

 

明日9月29日(日)は、「メソッドの具体的な流れ」をお話します。

そして、10月1日(火)からは、いよいよ

「メソッド物語:和尚と瑞枝のメソッド物語」へと続きます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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