20140414やる気

 

 

 やる気にさせる必要はない!(第⑧話)

 

 

“こどものこころアドバイザー(心理セラピスト)”の
前中 光曉(まえなか こうぎょう)です。

 

 

和尚は、娘さんのために、意を決したお母さんに向かって言い放った。

 

 

「今日ここへ来るのにお母さんの方が緊張して眠れなかったんじゃないですか、何時に寝られましたか、今朝は何時に起きられましたか、娘さんのために朝食はなにをつくられたのですか、パンですか、ご飯ですか、

 

お母さんはとても活発な方ですよね、中学高校時代はなにかスポーツされていたんですか、運動系ですか、お母さんがそのころ持っていた夢とかありましたか、将来なにをしたいと思っていましたか、スチュワーデス(現CA)とか、看護婦(現看護師)とかですか、

 

お母さんは学校を卒業されてから働かれていたのですか、どんなお仕事をされていたのですか、今も働いていらっしゃるんですか、日頃お母さんはなにか趣味がおありですか、あればどんなことですか」と、

 

和尚は間髪入れずにお母さんに質問をし、さらに続けた。

 

 

「お母さん今私が聞いた質問の答えを教えてもらっていいですか、はい、どうぞ、どれから答えましょうか、はい、どうぞ、どうぞ、って言われたら、今どんな気分ですか」

 

 

質問攻めに気圧されたお母さん向けて、
今度はゆっくりとした口調で、和尚は話しかけた。

 

 

 

「お母さん、もし、娘さんが、今のお母さんと、
  同じ気持ちだったらどう思われますか。

 

 

  お母さん、私に、一方的に話をされて、
  しんどくなかったですか。つらくなかったですか。

 

 

  何度も答えようと思われましたよね。
  でも、次から次へと私からの質問があって…」

 

 

母親は、半ば放心状態気味になりながら、娘の方を見つめると、
視線を感じた娘さんは、すぐさま下を向いたのだった。

 

 

お母さんは、なにか思うところがあったのか、娘さんに話しかけた。

 

 

あんた、しんどかったんか。ずっとがまんしてたんか。
 ずっと、ずっと、気づかんかったわ、お母さん…」

 

 

あれだけよく話をするお母さんだったが、次の言葉を失ったかのように、
俯いている娘をじっと見つめたままだった。

 

 

「コントロールが子供を小さくさせるお話(最終話)」に つづく。

 

 

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

 

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