20140414やる気

 

 

やる気にさせる必要はない!(第⑦話)

 

 

“こどものこころアドバイザー(心理セラピスト)”の
前中 光曉(まえなか こうぎょう)です。

 

 

前回、お母さんに急かされた娘さんは俯いていた顔を上げ、
和尚と目が合うと、一生懸命の作り笑いと不安げな表情をして
和尚を見たのだった。

 

 

和尚は、優しく娘さんの目をみて微笑むと、娘さんも少しばかり
の優しい表情を返して来た。

 

 

そのとき和尚は、娘さんの顔の眉間から鼻筋に掛けて広がる無数の
吹き出物を見て、直感的に彼女の持っている相当我慢をしてきた
ストレスを感じたのだった。

 

 

その間もお母さんは、和尚に向かって娘の状況を話し続け、
娘に話をするように急かしていた。

 

 

和尚は、『お母さん、今娘さんと話をしたいので、少し黙ってて
もらっていいですか』と言おうと思ったが、とっさにその言葉を
呑み込んだ。

 

 

 

和尚は、しばらく娘さんに質問してはお母さんの間髪入れずにして
くる話を聞きながら、お母さんの話す勢いが静まるのを待つことに
した。

 

 

和尚は、話が進展しない様子に、お母さんの気持ちがだんだんと
イライラしてくるのがわかった。

 

 

「和尚さん、この子なんとかなりますか!このままでは将来が心配で、
就職もできるのかと、うちはそんなに裕福でないですから、学校卒業
してからもいつまでも家で面倒見るわけにもいかないですから、ちゃん
と結婚もしてほしいしですし、和尚さんどうしたらいいですか」

 

 

和尚は、お母さんからのこの言葉を待っていた。お母さんが、
子供と寄り添って解決するテーブルに着くのを待っていたのだった。

 

 

 

「お母さん、娘さんをなんとかするためには、お母さんの協力なし
ではできません。お母さんには、ちょっと嫌なことや嫌な思いをさ
せてしまうことがあるかもしれませんが、娘さんのためにと思って、
一緒に協力してもらっていいですか」

 

 

和尚は、お母さんから『はい、もちろんです』と、勢いよく返事が
返ってくると思ったのだが、お母さんは急にかしこまったようになり、
渋々と言った感じで『はあ』とだけ言って返事したのだった。

 

 

「お母さんの娘さんですから、お母さんの協力なしには、この問題は
解決しないかもしれません。まずは私からお母さんに解決策をお伝え
したいのですが、少し荒治療になるかもしれませんが、とても効果が
あります。お母さん、娘さんのためと思って協力してくれますか」

 

 

和尚はそう言うと、お母さんは意を決したのか娘の顔を見て
頷いたのだった。

 

 

その横で、娘さんはこれからなにが起こるのかと不安げな顔をし、
和尚と母親を交互に見ながら、そして、和尚は、お母さんに言い
放ったのだった。

 

 

「コントロールが子供を小さくさせるお話③」に つづく。

 

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
 

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