『§まっすぐに生きるのが一番』
「第78話:“感謝の心”が人生の幅を広げる」

 

 

哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。

 

 

前回は、「自分の人生を生きることに必要なこと」があるとすれば、今の自分にできる小さな幸せ。小さな笑顔。小さな優しさ。小さな喜びを一緒に共有しようとする活動的な自分。

 

 

そして、それらを見過ごさないように、いつもその小さなことに“ありがとう”と言える自分でいたいものだ、と言うお話をしました。

 

 

今回は、“感謝”の効果は言うまでもなく、それが日々の私たちの生活の中でどのようにつながりあっているのか、そんなお話です。

 

 

 

「哲也、つくづく思うんだけどさ。人はそこにある幸せな顔や笑顔、優しさといった喜びを一緒に共有したいんだと思うんだよね。

 

 

そこに多くの人たちが関わって、そこでの体験が、人との関わり方や人生を上手く生きる知恵なんかを学べて、それが自信につながって、人は成長していくのだと思うのよ」

 

 

「そうだね。人と関わる体験って大事だよね」

 

 

「そうなのよ。私、悟っちゃったかもしれないんだけど、“体験”することがすべてだと思うのよね」

 

 

「ほう」

 

 

「“体験”ってさ、良いことも嫌なことあるわけじゃない。ときには苦しくて辛いことだってあるわけじゃない。

 

 

でもさ、そこに喜びや嬉しさ、楽しさや幸せなことがあると、人ってなにか“感謝”しない?“感謝”したくならない?

 

 

自分がまっすぐ一生懸命であるほど、そこに“感謝”が湧き立つように思うのよね。

 

 

でさ、思ったわけ。

 

 

日々の中で体験することに“感謝”がある分だけ、人は前向きになれるように思うのよ。

 

 

“おはよう”の挨拶一つとってそうだと思うのよ。あたり前にしていることだけど、挨拶されると嬉しくなるじゃない。

 

 

仕事で社交辞令っぽい挨拶もあるけど、でも気持ちの中では、なにか“どうも”って思う気持ちがあると思うのよね。

 

 

それを人は“感謝”とは捉えてはいないけれども、“どうも”ってお礼を言っていることにならない?お礼って“感謝”だよね。

 

 

すごくない!

 

 

それに哲也もあると思うんだけど、気分が晴れなかったり、落ち込んでることもあったりするじゃん。

 

 

そんなときに、パーッと元気にしてくれる人と会ったりすると、なんか元気もらうじゃん。

 

 

そのとき“ありがたい”気持ちになったりするでしょう。

 

 

 

でさ、ここからが核心なんだけど。

 

 

人は生きている限り、いつもいいことばかりじゃないわけじゃない。

 

 

でもさ、今元気でいられるっていうことは、誰かが関わってくれたり、誰かが助けてくれたから、誰かに助けてもらった思いがあるから、今があると思うのよね。

 

 

それが直接人と関わったことだけじゃないかもしれない。テレビを観ていたときに誰かが言ったことだったり、誰かが書いた本だったり。

 

 

でね、なんでこんな話をしたかと言うと、なにかしら苦労して乗り越えた人って、必ずと言っていいほど“感謝の心”を持っているのよね。

 

 

“誰かのおかげ”って。

 

 

私たちって、さっきも言ったけど、いつもいいことばかりじゃないわけじゃない。

 

 

だけど、一人で頑張ってるつもりでいても、なにかしら誰かのおかげで、生かされて生きているんだよね。

 

 

だから、日々の中で生きていることがすでに“体験”だから、日々に中で“感謝の心”を忘れない生き方をすることが、

 

 

『人生の幅も広げるんだろうね。』

 

 

哲也、それが“人生の徳を積む”ってことかな

 

 

哲也は優花の話を聞きながら、自分がここまでいろんな人に支えられ、生かされて生きてきた感謝の思いにふけっていたのだった。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

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