「彼女との出会い」

 

彼女との出会いは、一枚のライブチケットからはじまったのです。

 

 

私は仕事を辞めて、時間に余裕のある時間を過ごしていました。

 

そんなある日、そんな私のことを知ってか知らずか、はたまた神様のいたずらなのか、大学の後輩の女性からメールをもらったのです。

 

「先輩もしよかったら、明日○○のライブ行きません?急に行けなくなった人がいて、私のところに回って来たんですけど。やっぱり急すぎますかね。もちろんただですよ。連絡待ってます。」と。

 

私は、アーティストの名前を聞いても誰なのかわからなかったのですが、『どうせ暇をしてるんだったら…』と、すぐに明日行けると返事したのでした。

 

 

次の日、彼女は昼から半休を取るといっていたので、私は彼女の職場近くに行き、そこでランチを食べながらチケットをもらう手はずになっていました。

 

彼女とランチを食べて、私はてっきり一緒に行けると思っていたら、「これから旦那の晩御飯作りに帰らないと行けないから」と言われ、しかも、「座席は別グループのチケットだからかなり離れている」と言われました。

 

私はまた待ち合わせるのも面倒だったので、一人時間をつぶして会場に行くことにしたのでした。

 

一人で時間をつぶすといっても18時30分開演までかなり時間があり、私は仕方なく17時前には会場に着いたのでした。

 

開場の18時まで1時間もあり、しかもアーティストの予習もせずに名前を見ても誰だかわからない情況で、周りは友達などのグループで盛り上がっている中で、私は一人寂しく立っていました。

 

 

しばらくすると、隣で話しているグループの話が耳に入って来て、そのアーティストの特ダネかなにかで盛り上がっていました。そんな話を聞いても、こっちはなんのことかさっぱりわからず、それよりも女性同士が集まった会話のパワーに一人可笑しくなって聞いていました。

 

すると、偶然私の近くにいたその女性グループの一人と目が合って、その間がなんとも言えない間になって、無視しづらい状況に私から話しかけたのでした。

 

私は正直に、その彼女に誰のライブか知らずに来たことを言うと、今までしゃべっていたその周りにいた女性陣の話が一斉に止み、そのまま全員がこちらを向いて、まるでよそ者か敵が来たような視線を向けられ、私は体中に無数の矢が刺さったかのような痛みを感じたのでした。

 

そんな中で、その彼女は親切にもスマホを見せてくれたりアーティストのヒットしたサビを口ずさんでくれたりといろいろと教えてくれて、いつしか二人は盛り上がった感じになっていました。

 

私は、話が弾んだこともあって『なんかこの子とは波長が合うな~』という感覚になっていたのでした。

 

これが、彼女との出会いでした。

 

次回「彼女への恋心」につづく。

 

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