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「彼女との再会」

 

関西国際空港での彼女へのサプライズは、自分へのとんだサプライズとなってしまったが、それから数日後、海外から帰って来た彼女と久しぶりの再会を果たすことができた。

スペインからトルコ経由で帰ってきた彼女だったが、空港に着くなりやはりこの日本の蒸し暑さには相当応えているらしい。日差しは暑くても空気がカラッと乾燥していたスペインと比べると、それは私の想像を超える不快のようだった。

 

空港でのすれ違いも含めてお互い積もる話を前に、まずは再会を喜び合った。

そして、私から話を切り出した。

「実は、ゆかに謝らないといけないことがある。」

「えっなになに。」

「ほんとにごめん。」

「えっ、なに、気になる~。なに、早くいって~。」

 

「実は、ゆかを疑ってしまった。」と言って、私は6月25日の『奇跡の婚活物語』に書いた「ひょっとして一人旅ではないのでは…。」、「空港でのサプライズのときにお腹が痛くなったのは、待っているときにどこかでもしそうだったらどうしよう、そんな情況を見たくないという怖れがあったから。」を含めた話をした。

話を聞き終えた彼女は、「ハハハ、なにごとかと思ったわ。いろいろ大変やったね。」と逆に気遣った言葉を掛けてくれると、彼女は一笑して話はそれで終わった。

私も『これぐらいで済んでよかった。』と思いつつ、心の中で黙っておくことが気持ち悪かったので、言えてすっきりした。というより、正直に言ったからこそこれで話が終わったのだ!彼女の心の度量に心から感謝しないといけない。ありがとう!

 

彼女が話を軽く受け流してくれて、空港でのすれ違いの原因究明の話になった。

私が到着口を写していた写メをみながら、二人の話を整合していくと、どうやら彼女は、私の立っていた方の到着口から出てきたようだった。彼女は出てくると、私から向かって両替所のある左側に流れていき、私は、反対側の到着口も視野に入れて正面ではなくやや右側寄りに体を向けていたので、死角というか一瞬の間で視界に入らず、すれ違ったようだった。

私は、彼女にその時の服装を聞いてみたがその服装に記憶がなかった。髪はいつも会っているときは後ろにまとめていたが、その時はおろしていたらしく、しかも帽子を被っていたか手に持っていたかだったらしい。

さらに聞くと、私の左斜め前方にある両替所で両替をしたあと、リムジンバスが来る間しばらくその辺りにいたということだった。なんと私とのその距離は半径にして約10mもない円の中にいたことになるのだが、まるでドラマのワンシーンを見るかのようなすれ違いに、これこそ彼女との巡り合わせの奇跡かもしれないと思った。

 

というのも、二人でこの空港でのすれ違いの話をしていると、なぜかまた二人の心の距離が縮まった気がしたのだ。二人で話をしている間、私も彼女もそのときの空港の到着口の写メを見ながら、気持ちはその到着口のあの場所に戻っていた。そこに本来二人が、出会ったかであろう接点を必死に見つけようとしながら…。

そして、二人の距離が本当に近かったことがわかって、『あそこに俺がいて、あそこに私がいた。』と理解して二人の意識が整合しあうと、実際には二人は出会うことができなかったのに、『あそこに、あの時、あの瞬間、一緒にいた!』という事実が、まるで二人が出会ったかのような不思議な心の絆のような一体感を味あわせてくれたのだ。

 

なんという二人の意識の深層でのつながりなのだろうか!もし、あのときサプライズで彼女に会えていても、ここまでの深いつながりは感じられなかっただろう。あのとき会えなかったからこそ、『あのとき会いたかった。』という二人の想いが重なり合い、ここまで深い意識でのつながりを感じることができたのだ。

すべてが必然ならば、あのとき出会えなかったことに、本当に感謝しなければならない。だって、あとでこんなにも親密を感じられる素晴らし贈り物が待っていたのだから!

 

このあとの彼女の旅行記も、不思議な気持ちが続いた。それは、彼女が話す言葉に自然と引き込まれ、まるで自分も一緒に旅をしているかのように次から次へと頭に映像(自分勝手な映像であるが)が浮かび、何時間でも聞いていられる本当に楽しい充実した気持ちになれたのだ。

あのとき空港で彼女と会えて、車で家まで送って行く途中に同じ話を聞いたとしても、運転中の自分がここまで話に入り込めたかというと、運転に意識がある状態ではそれは不可能だった。

もしあの日サプライズで会えていたら、今日というこの日に、ここまで彼女と話が盛り上がりこの心からの親密感はなかった。

すべてが完璧だった。すべてが必然だった。

この奇跡に感謝し、すべてに心から感謝です!!

 

そして、彼女と店を出て一人帰っていると、彼女からメールがあった。

『久しぶりに会うとホッとしました♡』という言葉があって、それは私にとって何よりも嬉しい贈り物になったのだった。

 

次回は、7月14日(日)「奇跡へのアファメーション」

 

 

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