20140414やる気

 

 

 

 

 

 

子供がほんとうにほしいもの(物語)②

 

 

親子に近づいたゆかとマサは、声を掛けた。
「どうしたんですか。ひょっとして迷子になったとか」

 

 

マサがそう尋ねると、母親は困惑と迷惑そうな顔をして
目線を逸らせた。すると、小学校2年生位の男の子が、

 

 

「妹の愛がいなくなった」とぼそり言うと、
「余計なことは言わなくていいの!」と、
母親のきつい返事が返ってきた。

 

 

マサは間髪入れずに言った。
「お母さん!妹さんが迷子になったのは事実でしょう!
まず、探すことが大事じゃないですか。お手伝いしますから、
一緒に探しましょう!」と言うと、母親は自分たちで大丈夫
だと言ったが、マサの言葉にしぶしぶうなずいたのだった。

 

 

マサはゆかの方を見ると、
ゆかも同じことを思っていたのか首を縦にうなずいていた。

 

 

「お母さん。まず、迷子センターへ行きましょう。
それから妹さんが行きそうなところを探しましょう。
ところで、妹さんの特徴を教えてください」とマサが
尋ねると、母親は説明し出した。

 

 

妹の名前は“愛”と言い、6歳の幼稚園児で髪型はショート、
ピンクのミニーのTシャツを着て白の半ズボンをはいていると
言っていた。

 

 

ゆかは、愛ちゃんのミニーのTシャツに反応し、
持ち前の直感とも言うべき才能がひらめき出した。

 

 

「マサ、私、愛ちゃんがあっちにいるような気がする。
理由は解らないけど・・・」

 

 

ゆかが示す方角は、二人が向かおうとしていた
絶叫マシンのあるところだった。

 

 

マサはゆかの意志の強い目を見て、
「分かった!じゃゆかはそこを探してみて!
俺はお母さんたちと迷子センターに行って、その後ゆかと合流する!」
と言うと、二人はすぐさま動き始めたのだった。

 

 

「子供がほんとうにほしいもの(物語)③」に つづく。

 

 

いつもお読みいただきありがとうございます。
 

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