「幸せを邪魔する誘惑の心(後半)」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第47話:幸せを邪魔する誘惑の心(後半)」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回哲也と優花は公民館で話すおばあちゃんの話に聞き入っていた。
人は何かをやろうとするとき、邪魔をするような心の誘惑に襲われます。
おばあちゃんは、その邪魔緒をする心の誘惑に駆られる核心について話し出した。
「私たちは、なにかをやろうとするとき、よく『面倒くさい』という気持ちになります。
もちろん自分が楽しいことには、そんな気持ちはみじんも湧かないんですけどね。
では、その差はいったいどこから来るのでしょうか。
私も長いこと人生を生きていると、すぐにでもやりたいと思うこともあれば、やりたくないと思うこともあります。
そこで面倒でやりたくないと思うと時というのは、二つあると思うんです。
一つ目は、やはり気分が乗らないときですよね。特に体調が悪いときなどはてき面で、気力も落ちているので、やる気にはなれないものですよね。
体調が悪いときは仕方がないと思うのですが、日常でも気分が乗らないときがあります。
それは悩みや心配事を抱えていたりして、ストレスを感じているときなどは、誰もがやる気になれないですよね。
それでもしないといけかいことが、けっこうありますよね。
食事の用意なんかそうですよね。
日々そんな中で義務感みたいになってしまうと、それこそストレスです。
そうやって人は疲労を蓄積していくのかもしれません。
つまり、やらされている感じや義務感が、日頃の頭の考え方になっていないかと言うことです。
さて、もう一つは、それに関連してくるのですが、そうやって日々をすごしていると、心がそう思い込んで行ってしまうと思うのです。
日々やらされている感じや義務感が多いと感じていると、心の中で面倒くさいと思う心の習慣ができてしまいます。
そう思っている心に、なにかをやろうとするのは、よっぽどその面倒くさい気持ちをも超えるようなわくわくして楽しいことがないと、人は動かないものなのです。
言ってみれば、心の中にシーソーがあると思ってもらえるとわかりやすいかもしれませんが、そのシーソーがいつも面倒くさい方に傾いているのです。
ですから、そのシーソを動かそうと思うと、それ以上の楽しいと思える力が加わらないと、面倒くさいという気持ちは動かないのです。
だから、私たちは、慣れ親しんだ面倒くさいという傾いた気持ちの中で、生きてしまい、時に自分の人生を嘆いてしまうのです。
この面倒くさいという心の習慣は、いったいどうやって生まれてくるのでしょう。
私もいろいろ考えてみました。
そして、こう思ったのです。
『ま、いっか』というあの軽い気持ちです。
そうなんです。今やらなくても・・・というあの気持ちです。
『ま、いっか』と思っても、後でやれば問題はないのでしょうが、こう思ってやらないことが増えてくると、心っていうものは正直で、そう思ってしまう心の癖がついてしまうのです。
癖と習慣と言う言葉出てきましたが、シンプルに考えると『良い癖と悪い癖』というだけなのかもしれません。
それが『習慣』となると、なにか心にずしんと重く感じてしまうのは、なぜでしょう。
今の歳になって考えると、『習慣』というのは勉強にしろ、用事にしろ、仕事にしろ、なにか義務的に時に強制的にやらされている感じがするのかもしれません。
そうして今までの人生を振り返ってこう思うのです。
心があれこれ考えて忙しい時は、できなかったかもしれなかったと。
ですから、今日のお話のまとめとしまして、
ぜひ自分の心が平穏になる時間をつくってください。
犬を飼っていらっしゃる方がいれば、散歩の時間はいい自分の心を平穏にしてくれる時間になると思います。
犬を飼っていらっしゃらない方は、花を育ててみてください。今はホームセンターに行けば春夏秋冬の育てる花の種が、苗が売っています。
それを、毎朝お水をやりながらその花の成長を見るだけでも、自分の心に平穏な時間がつくれると思います。
昔こんな人がいました。子供を幼稚園に送ったあと、帰り道にある喫茶店でモーニングを食べて帰えろうとした人がいました。
しかし、実際にはできなかったんですね。
なぜだかわかりますか。
それは自分だけがこんな贅沢なことをしてはダメだと、罪悪感を覚えたからです。
そこまではと思うのでが、お金が掛らず自分ができることを、ぜひ見つけてほしいと思います。
最後に、心の習慣とは、心の癖とは、歯を磨かないとなにか気持ち悪くなるようなことかもしれません。
歯を磨くような習慣、癖になれば、朝起きて眠くても洗面上に行くわけですから、そうなれば、いい習慣はどんどんいいことを引き寄せてくると思うのです。
昔々、江戸時代よりもっと昔かもしれません。
一人のおばあさんが朝起きて、お天道様を見て、『ありがたや、ありがたや』と、今日自分が生きられていることに感謝した人がいました。
極端化もしれませんが、朝起きて朝日に、今日自分がこうして存在できることに感謝できる気持ちを持てるだけでも、人はいい方向に変わって来るのかもしれません。
どこかの国では、太陽を崇め拝む国もあると聞きますから。
つたない話でしたが、最後までお聴きくださり、ありがとうございます。合掌。」
哲也はおばあちゃんの話を聞き終えると、思わず立ち上がってスタンディングオベーションをしたい気持ちに駆られ、横にいる優花を見て、そうでもなさそうな雰囲気だったので、思い留まった。
あとで哲也はその話を優花に言うと、「私もそう思ったけど恥ずかしかったからやらなかったけど、哲也がしてたら私も立って拍手をしてたのに」と言われ、自分がいいと思ったことは素直にやればよかったと、いつもながら気を遣ってしまう自分に、少し後悔を覚えたのだった。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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