第二の法則 『ほんとうの自分を知る法則』

 「自分らしい生き方 ~その2~」

 

前回のある親の期待に応えられないと悩んでいたある会社の社長の息子さんが、 他人の人生を生きようと苦しんでいた気持ちを自分のためにと発想を変えて、 自分のために自分の人生を生きようと決意した、お話の続きです。

 

彼は、以前に私と個人面談をした女性から「私に相談したら何とかしてくれるよ」と、紹介されて会いに来てくれたそうです。

 

初めて会った彼の印象は、なかなかの好青年でした。

 

しかし、彼の目を見たとき、覇気がなく目が死んでいるような何か抜け殻のような感じがしました。

 

軽く世間話をした後、しばらくして彼が、「自分はこれから、どうしたらいいのかわからないんです」と、ぼそりとつぶやきました。

 

私は、彼の話をじっくり聞いていきました。要約すると次のような話です。

 

 

数年前に社長であるお父さんが、ガンで亡くなりました。お兄さんがいたのですが、地元を離れて自分の選んだ仕事をしていたので、会社を継げなかったそうです。

 

それで、彼に白羽の矢が当たったそうです。しかし、彼の話では継ぎたくないという話でした。

 

彼のお父さんの会社は、祖父が創業し、父が引き継ぎ中企業の規模の会社にしたそうです。 彼は、お母さんや家族、親戚、お父さんの右腕だった今の会社の社長からもずっと言われ続けて、プレッシャーになり苦しくてどうしていいのかわからなくなっていました。

 

彼が一通り話し終えた後、私は次のような話をしました。

 

「多かれ少なかれ、男は必ずといっていいほど親父を越える壁に直面するんです。私自身もそうでした。これは親父がすごい人であろうとなかろうと関係ないんです。結論から言いますと、親父を越えることなど絶対できないんです」と、彼に言いました。

 

すると彼は、うつむき加減の目をぎょろりと上に向け、私に不信のまなざしで睨みつけたのでした。

 

次回につづく。

 

 

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