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◇心の底から自分らしく生きるメソッド◇

『光曉和尚の愛と心のセラピー物語 婚活編』

~私、もっとストイックになりたいんです~

 

§ びびりな私が、変わらなくてもいい?

 

 

前回、瑞枝は和尚から真剣に、「変わらなくてもいい。今のままで十分魅力的なんだから、ストイックになる必要もない!」と言われて、わけがわからなくなっていたのだった。

 

 

瑞枝は、自分では何をどうしたらいいのかわからなくなって、和尚が話し出すのを待った。

「そのままのあなたで十分です!変わらなくてもいい!十分魅力的です!私は今、あなたの価値や魅力を何十人、何百人に伝えることができますよ。そして、その人たちが私に同意してくれる自信もあります」

「変わらなくても、いいんですか…」

和尚は瑞枝の表情を見ていて、彼女の意識がシフトして向上するのを感じていた。

 

「そのままでいい!十分魅力的なんだから」

「そうなんですか…。私このままでも…」

瑞枝は和尚の言葉を聞いて、なにか込み上げてくるものを感じていると、自然と目に涙が溢れてくるのを堪えながら、和尚に言った。

 

「こんな私でもいいんですよね。はじめてこんな自分を認めてもらった気がします。こんな私でもいいんですよね、こんな私でも…」

瑞枝は何度も同じ言葉をつぶやきながら、はじめて自分自身というこの生身の自分の存在に目を向けたような気がした。

 

「ありがとう。和尚さん。上手くいえないんですけど」

「言葉にしなくていいですよ。気持ちは伝わってきますから」

「ほんとうにありがとう、ありがとうしか出てこないです」

和尚は、瑞枝がはじめて今まで嫌っていた自分と向き合って、自分自身を感じているんだな、と思った。

 

和尚は、瑞枝がここに来たときに、彼女が変わりたい気持ちを十分わかっていた。

瑞枝が望むように自分に厳しくストイックな感じになることもできたけれども、ストイックな自分になることが目的・解決策になってしまうと、

今度はしばらくして「ストイックでない自分はダメだ」という観念を創り出す結果になり、それでは何の解決にもならないことを、和尚はわかっていたのだった。

 

なぜなら、瑞枝がここへ来たときの状態と言うのは、『こんな心の弱い私は、ストイックになれば自分が変われる』という、条件付けをしていたからだった。

 

さらに深い意識では、『私をストイックにさせて!ストイックにならせて!』と、『何かを手に入れれば、身に付ければ自分は変わることができる。そうすればもっと幸せを手にすることができる』と、受身的な発想で思っていたのだった。

 

本来は、自分を肯定した状態で、『私は弱い心を持っているから、ストイックになって自分を変える』とは思えていなかったのだった。

 

(A)『こんな心の弱い私は、ストイックになれば自分が変われる』

(B)『私は弱い心を持っているから、ストイックになって自分を変える』

 

和尚は、同じ人がこの(A)(B)のどちらを選ぶかで、人生が全く違ってくるこの言葉の文(あや)をつねづね思っていた。

 

この当たり前のように使っていた(A)の考え方が、実は自分の欲求(快楽・悦楽)をらくで簡単に満たそうとし、ものごとを考えたり想像力を低下させてしまう物質的価値観の発想だということを。

 

(A)のこの考え方は、時代と共に自分の物欲を満たしてくれる、慣れ親しんできたとても魅力的な発想なので、なかなか手放すことは難しい。

けれども、情報過多になっている時代だからこそ、情報に惑わされたり流されないためにも、『自分がこう思うから、こうする』という自分のしっかりした価値観から、これからはものごとを判断する発想を持った生き方をしないといけないと思っていた。

 

なぜなら、これからの時代は『どうやって生きるか』ではなくて、『どう生きるか』が問われ出している時代だからであると。

 

 

和尚は瑞枝に、彼女がそのような心の状態だったことを話して聞かせた。

 

「私、自分のことを本当に見てこなかったんですね。マイナス思考で自分のことが嫌だったし」

「少しは、前よりも自分のことが好きになれたかな」

「そうですね。なにか自分のことがちょっとかわいく思えてきた感じです(笑)」

「ひょっとしたら、後輩の優衣ちゃんは、そう思って生きているのかもね(笑)」

「そうですね!彼女はこんな気持ちで生きてるのか~。だからあんな天真爛漫な発想ができるんですね!なんか彼女の心がわかった気がしました(笑)」

「まあ、人の数だけいろんな人がいるから、あなたはあなたしくで、いいんですよ」

「そうですね、私は私らしくで…、そう思うとまた不安な気持ちになってきました。和尚さんどうしたらいいんですか。この私のマイナス思考は」

瑞枝はそう思うと、今なら本気で自分のこのマイナス思考とおさらばできると、思ったのだった。

 

 

つづく。

次回は、明日9月5日(木)「マイナス思考の私が贈り物?」をお話します。

 

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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