セラピー物語:「マイナス思考を繰返さないために(前半)」
◇心の底から自分らしく生きるメソッド(序編)◇
『光曉和尚の愛と心のセラピー物語』
~私、もっとストイックになりたいんです~
§ マイナス思考を繰返さないために(前半)
前回、瑞枝は和尚から彼と別れた原因は、ヒステリックは結果であって、その原因は「自分の気持ちを抑えていたこと」にあると言われたのだが、和尚にただそのことに気づくだけでいいと言われ、和尚がこれからその理由を話してくれるところだった。
「瑞枝さん、心の準備はできてますか」
「はい大丈夫です」
「では、お話しましょう。先ほど、『自分の気持ちを抑えすぎていたことに気づくだけでいい』というお話をしました。
それはなぜかといいますと、瑞枝さん、あなたが、『冷静に見ています』といった言葉がすべてなのですが、今感じているあなたの心の状態は、中立になっているということなのです。
つまり、気持ちを抑えて創り出されたネガティブな感情は、もうネガティブな感情ではなくなっているということなのです。だから、『冷静に見ている、客観的に見ている』と、ある意味“素”の状態で思えているわけです。
中立とは、車のギアーのニュートラルと同じで、バランスの取れた中心と思ってもらうとわかりやすいかもしれませんね。私たちの心は、ネガティブな感情であることを気づいたときに客観的になり、それは中立になるのです。
もう少し細かくいいますと、「嫌~な気分(ネガティブな感情)」と思っている状態ではなく、「○○だから嫌な気分なんだ」と、気づく状態なのです。
そこには、本当はポジティブもネガティブもない心の状態なのです!
こんな経験はないですか。 なにかに気づいたとき、『あっそっか~!』と思った状態と、同じ心の状態が起こっているのです!
ここで、ネガティブな思考を繰り返さないためにお話をしたいのですが、ここに思考という観念の罠があるのです。このままこの気づきをそのままにして置くと、しばらくは平穏な感じでいられます。
(※観念の罠について詳しく知りたい方は、このブログの「観念のメカニズム」を参照ください)
でも、日常の生活に戻って、慣れ親しんできたネガティブな思考(観念)の情況に影響されると、いとも簡単にその情況に引き戻され、また同じ状態を創り出してしまうのです。まあまだしばらくは、心が解放されていますから、心に余裕がある分だけ前よりはらくになっていますがね」
「じゃどうすればいいですか」
「それには、ちょっとしたテクニックがいるのですが、もう少し時間が必要となってくるので、今日はその考え方だけお話しますね」
「今日はって、今度いつ教えてくれるんですか。それって、このまま帰ったら、私ヘビの生殺し状態じゃないですか」
「かなり時間が過ぎましたけど、お時間大丈夫ですか。疲れてませんか」
「大丈夫です。それを身に付けるまで今日は帰れない気分です」
和尚は、今日のところは考え方だけで、それを『心の底から自分らしく生きるメッソド』のモニターになることをお願いして、そこでたっぷりしようと思ったのだったが、確かに中途半端でもあったので、続けることにしたのだった。
和尚は、瑞枝の好奇心に満ちた力強い目を見て、この意志があればいいかなと思いながら、彼女がここへ来たときのことを思い出して、ちょっといじわるな質問をしてみた。
「ところで、瑞枝さん、ストイックになりたいことはいいのですか」
「それはもういいです(笑)和尚さんの話を聞いていたら、ストイックにならなくてもいいことがわかりましたし、もっと自分のことが知りたいです!もっと知って、結婚して幸せになりたいんです!」
「なんか来たときとは別人のような、おとなしそうで控えめで気の弱そうなマイナス思考のあの瑞枝さんが懐かしいですね(笑)」
「あれも私ですが、これも私です。和尚さん早く」
「気心が知れてくると、けっこう言うようになりましたね(笑)でもこれが、本来の瑞枝さんらしい自分自身だと思いますよ。わかりました」
和尚は瑞枝と話していて、負けず嫌いで向上心のあるその部分の顔が、ようやく表に出てきたと思った。そんなことを思いながら、和尚は話しはじめたのだった。
明日9月13日(金)「マイナス思考を繰返さないために(後半)」へつづく。
※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。
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