セラピー物語:「マイナス思考を繰返さないために(後半)」
◇心の底から自分らしく生きるメソッド(序編)◇
『光曉和尚の愛と心のセラピー物語』
~私、もっとストイックになりたいんです~
§ マイナス思考を繰返さないために(後半)
前回、瑞枝はネガティブな思考を繰り返さないために、和尚からちょっとしたテクニックがいると言われ、それを身に付けるまで帰れない気分でいた。そして、もっと自分のことを知って、本気で結婚して幸せになりたいと思ったのだった。
「瑞枝さん、自分が自分の気持ちを抑えすぎていることに気づくと、また同じ状況に影響されないために選択するという方法があるのですが、これは私たちの多くがしている方法です。
今気づいたことを、また同じ状況になったときに気づいて、そうならないために、よりよい方を選択するということです。
今のこの『自分の気持ちを抑える』で例えるなら、そういう状況になったときに、『もっと素直に自分の気持ちを表現すること』を、選択するわけです。
ただ、これには二つの落とし穴があるのです。
一つ目は、気づいたことが、自分の体験として強く心に残ったものは、比較的同じ状況になったときに思い出して、もう二度と同じ状況にならないように選択しやすくなるのですが、そうでもないものは、なかなか思い出しにくくて気づかずに、また同じことを繰り返しやすいんです。
「また同じことをやっちゃった」っていうやつです。
もう一つは、気づいても、また臆病な自分が出てきて言うことに勇気が必要だったり、相手に言うと嫌な思いをさせてしまうと思いながら、実は心では自分が言ったあとに嫌な気分になるのが嫌だったり、言うとなにかと目立って議論に巻き込まれたり、出る杭は打たれるような怖さがあったりして、心に溜め込んでしまうということです」
「わかります!そうなんです。私なんか、大人しそうに思われているから、あまりそういったことを言わないから、いうときつくなってしまうから、黙っておこうと思うんです。
それでですかね、いろんな気持ちを抑えていると、いざ違うことでいうと言葉に剣があるような言い方になって、それで相手が気を悪くしたりするんですよね」
「そのとおり!すごいですね、頭がいい!」
「私はぜんぜん頭よくないですよ(笑)」
「いやいや、そういうことが本当の頭の良さなんですよ」
「いえ本当にぜんぜんですから」
「本当にそういうことに気づけるってことが、すごいことなんです。ほんとすばらしい」
「本当に本当に、ぜんぜんですから」
「そうですか…、そうですね」
「えっ」
「ハハハ、言葉遊びですよ。本当に瑞枝さんは頭がいいです」
瑞枝は、和尚の言葉に一瞬意表を突かれたが、和尚の幾度となく上げて下げてのジョークに、瑞枝は笑いながら睨み返したのだった。
「話を戻すと、そこで有効的になってくるのが、ちょっとしたテクニックがいるということなんですが、それをする前に、まずはその考え方をお話しますね。
まず、『自分の気持ちを抑えすぎない』ために『自分の気持ちを素直に表現する』ということなのですが、そのことは今まで頭ではわかっていたと思います。
けれども、いざそう思ってもいろいろな思いや考えが湧いてきて、『自分の気持ちを素直に表現する』よりも『自分の気持ちを抑える』ことの方が、気持ちが強くなってしまっていたわけです。
そこで、『自分の気持ちを抑える』ことよりも、もっと心強く『自分の気持ちを素直に表現する』方が勝るようにするわけです。
『自分の気持ちを素直に表現してもいいんだ』と、自分の体の一部になるぐらいまで心に落とし込むのです。
これは、中立的なネガティブでもないただ『自分の気持ちを抑えすぎる』状態があるところに、『自分の気持ちを素直に表現していいんだ』と心に落とし込むことによって、その状態にドカンとポジティブな言葉(信念)の旗を、立てるようなイメージです。
すると『自分の気持ちを素直に表現する』というポジティブな言葉の旗がなびいていますから、そういう意識になっていますから、心はポジティブな状態になっているわけです。
そうなると、『自分の気持ちを抑えすぎる』状態になったときに、『自分の気持ちを素直に表現していいんだ』というポジティブな言葉の気持ちの方が強くなっているので、自然と気持ちがそちらを選ぶようになり、素直にコミュニケーションを取ることができるようになるのです。
そして、自分にとって大切な考え価値観を意識して、心に落とし込むようになれば、もっともっと自由に表現できるようになって、らくな自分、自分らしい生き生きとした自分でいられるようになるのです。
よく『ポジティブ思考になった方がいい』と聞いたことがあると思いますが、ポジティブな言葉の旗が増えれば増えるほどポジティブな気持ちが強くなって、ネガティブなことに影響されにくく、客観的にものごとが見えるので、そう言われる理由もここにあるのです」
「本当にそんなふうになれるんですか。私もそうなりたいです。どうすれば、そうなれるんですか」
「また使いましたね、“~すれば、~になれる”と(笑)」
「あっ!無意識です。無意識に使っていました」
「この言葉の使い方は、私も含め多くの人が体に浸み込んでいますからね。この言葉の使い方の習慣を変えないと、ものごとを心に条件づけをして受身的に捉えてしまい、本当に自分らしく生きることを窮屈にしてしまいます。このことは、またあとで話しましょう。
その前に、『自分の気持ちを素直に表現してもいい』と思えても、自分に都合のいい損得からくる我がままと、きっちと分別できる自分を持っておくことが大切なんです。
『自分の気持ちを素直に表現する』といって、なんでもかんでも思ったことを口に出せばいいというわけではなくて、相手の気持ちを考え、互いによりよくなるためにコミュニケーションを取ることが大事になってくるのです。
そのために重要となってくるのが、『自分を律することのできる価値観』、簡単にいうと『自分の真心からの言葉や行動ができる考え方』を、意識してその考えを心に落とし込むことなのです。
ここで言うと、『自分の気持ちを素直に表現する』ということを、自分の損得からくる我がままな発想にならないために、もっとより自分らしく生きることのできる影響力の強い、『自分を律することのできる価値観』からの言葉が、心の核に必要となってくるのです。
『原因と結果』という考え方を聞いたことがあるかもしれませんが、『自分の気持ちを素直に表現する』という心の動機(原因)が、『自分を律することのできる価値観』からくるのと、自分に都合のいい損得からくる我がままな欲求からくるのとでは、
その結果は、本当に人の気持ちを考えた素直な表現と、自分に都合のいい損得からくるわがままな表現の違いになって、人間関係にも大きな影響を及ぼすのです。
つまり、自分の都合のいい損得からくる我がままで、ものごとを考えるようになってしまうと、相手に嫌な思いをさせたり、自分が思うことをわかってもらえないと、そのことで不平不満や怒りを抱くことになってしまうのです。
瑞枝さん、だから、もっとより自分らしく生きることができるためには、心の動機となる原因が、『自分を律することのできる価値観』から自分に落とし込んでいる考えで、行動することが大切なのです。
和尚はここまで話していると、まさしく『自分を律することのできる価値観』からの心の核が、『心の底から自分らしく生きるメッソド』でする『心の五本の矢』の実習になってくるので、ここで瑞枝に『心の底から自分らしく生きるメッソド』のモニターになってもらうことを、お願いしたのだった。
つづく。
次回は、明日9月14日(土)「自分らしく生きるために」をお話します。
※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。
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