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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ メソッドの実習のデモンストレーション

 

前回、和尚は有里のありがとうの効果を聞いていた。瑞枝はありがとうの実習をやめていて、そこから和尚は、瑞枝に『メソッドの実習』のデモンストレーションをすることにしたのだった。

 

「有里さん、誠くん。これからデモンストレーションをしますね。瑞枝さんには以前に『変わる』という言葉を使って少しやりましたが、それのバージョンアップです。

せっかくですから『ありがとう』の言葉を使ってやってみましょう。メインの言葉は、人間の本質に関わる言葉を使って実習をしていきます」

和尚は、瑞枝と面と向かって座った。

 

「まず、はじめにレクチャーをします。これから『ありがとう』の言葉を瑞枝さんにいってもらいます。ただその言葉だけです。この『ありがとう』の言葉が、心の底から私に伝わるまでやってもらいます。

 

言いはじめると、この『ありがとう』の言葉に対して、なにか引っ掛かりのような、気持ちに違和感を感じてきます。簡単に言えば、『ありがとう』を心の底から伝えてるのに、伝わることを邪魔している気持ち、観念というのですが、それを取り払っていくことです。

 

メカニズムは簡単ですよね。伝わることを邪魔している観念を取り払うのですから、取り払らわれれば当然伝わるわけです。これがよく言われている前に進もうとしていることに対して、ブレーキを掛けている気持ちと同じことです。

シンプルな方法ですが、とても効果の高い奥が深い実習です。

 

瑞枝さん、今回は、邪魔をしている観念を見ていきます。まずは『ありがとう』を10回言ってみてください」

瑞枝は言われた通り、ありがとうと10回言った。

 

「それでは、今度は私に心の底から『ありがとう』と伝える気持ちで言ってみてください」

瑞枝は和尚に向かって『ありがとう』と連続していい始め、しばらくして和尚は止めた。

 

「今、瑞枝さん、なにを思っていますか。感じていますか。頭で考えるのではなく、感じているままに言ってみてください」

『なんでいわなあかんねやろう』

 

「OK。その言葉に意識を向けて感情を感じるのではなくて、ただそう思った気持ちのままでいてください。体を使って解放していきます。今思った『なんでいわなあかんねやろう』と言ってみてください」

瑞枝は、小声でぼそぼそと言った。

 

「瑞枝さん、もっと大きく体を使って声を出して言ってみてください」

瑞枝は言おうとするけれども、言葉をうまく表現できなかった。

 

「瑞枝さん、今罪悪感を感じてますよね。その罪悪感を体を使って表現して感じ切ってください」

瑞枝は、そうしようと思うのだが、言葉が詰まった。

 

「瑞枝さん、いつもここで止まって自分を責めて、マイナス思考の自分にしているところです。そこから抜けれます。体を使って『なんでいわなあかんねんやろう』と言って、この言葉を言い切ってください。そうすれば抜けれます」

瑞枝は、小声でぼそぼそと言った。言っていると、目に涙が溜まってきて言葉に詰まった。

 

「瑞枝さん、罪悪感の感情に意識を向けないでください。ただ、体を使って言葉を言うだけです。そこに意識を向けてください。言ってみて」

瑞枝は、和尚に言われて言葉を言おうとしたが、涙で言葉が上手く言えなかった。

 

「瑞枝さん、言葉に意識を戻して、言ってみて」

瑞枝は、言われるままにぼそぼそと言葉をいっていると、堰を切ったように感情が溢れ声を上げて号泣したのだった。

 

和尚は、瑞枝が声を上げて号泣しているのを温かい気持ちでただみていた。

瑞枝の感情が落ち着いてきたところで、和尚は言った。

 

「瑞枝さん、意識を言葉に戻して。体を使って『なんでいわなあかんねんやろう』と言ってみてください」

瑞枝は声を震わせながら言った。何回か繰り返して、そして、ぶちぎれるように声を張り上げて言った。

 

「体を使って。体を使って表現して」

瑞枝は和尚に言われるまま、まるで役者が怒りを込めてセリフを言うように、身振り手振りを加えて表現した。

 

「気が晴れるまで言い続けて」

瑞枝は、役に入り込んだ役者のように何度も言葉を言った。そうして遣り切ったように力が抜けていった。

 

「瑞枝さん、はじめにもどるよ。『ありがとう』と言ってみて」

瑞枝は言われたとおり、『ありがとう』と言った。

 

「気持ちを整えて、お腹から、言ってみて」

瑞枝は、軽く深呼吸をして気持ちを整えると『ありがとう』と言った。

 

和尚はその言葉を聞いて、とても澄んだ気持ちのいい響きの言葉に聞こえた。そして、和尚は言った。

 

「こちらこそありがとう」と。

 

和尚は瑞枝に軽く声を掛け、今やった実習の解説をしたのだった。

 

つづく

次回明日11月29日(金)は、

メソッド実践編:「デモンストレーションの振り返り」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

 

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