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◇心の底から自分らしく生きるメソッド◇

『光曉和尚の愛と心のセラピー物語 序編』

~私、もっとストイックになりたいんです~

 

◆ブログへご訪問くださり、誠にありがとうございます。

『登場人物』と『あらすじ』です。

 

◇『登場人物』

 

*光曉和尚(こうぎょうおしょう)。お寺の住職。このおかしくなった世の中をよりよくするために、長年の心理セラピーの経験から、このメソッドを確立。実践化しようとしている。

*東山瑞枝(とおやまみずえ)。この物語の主人公。自称マイナス思考。短大を卒業して会社で事務をしている28才。女性特有の繊細さと控えめな感じのする女性。163センチの細身な体が長身のファッションモデルを思わせる。

*優衣(ゆい)。瑞枝の会社の後輩。富山県出身で関西の短大を卒業した25才。明るくて落ち着いていて、しっかりしていて包容力を感じさせる雰囲気を持った女性。

*香川有里(かがわゆり)。モニターの一人。瑞枝より3つ年上の31歳の女性。性格は明るくて積極的で社交性があり、女性特有の母性的な柔らかさを持った落ち着きを感じさせる女性。

*杉本誠(すぎもとまこと)。モニターの一人。33歳の男性。彼も有里と似てソフトなイメージを感じさせ、真面目さの中に感受性豊かな柔軟さを持った人との交流が好きそうな好奇心の強い男性。

 

◇『あらすじ』

 

主人公である東山瑞枝が、部下の優衣に言った一言で落ち込ませてしまい、それを解決するために光曉和尚のいるお寺に、一緒に来たところからはじまります。優衣の落ち込みは、単なる瑞枝との誤解とわかりすぐにその問題は解決してしまいました。

しかし、その1週間後、今度は瑞枝本人が一人でお寺にやって来て、『私、ストイックになりたいんです』と言って、そこから和尚との心理セラピーが始まっていきました。そして、話している中で和尚は瑞枝に、この『心の底から自分らしく生きるメソッド』のワークショップを始める前に、モニターになってほしいとお願いしたのでした。

そこからこの「メソッドの物語の本編」として、「メソッド物語の誕生秘話」へと話が進んでいき、そして今、この「物語メソッド実践編」で、モニター2人が加わり和尚との4人で『心の底から自分らしく生きるメソッド』の実習が始まりまりました。

そして、自分らしく生きるための波動の高い状態と自分を律する(自律)状態を取り戻しながら、人生の目的を見つけ、自分が望む現実を手に入れる生き方を体得しようとしていくところです。

 

この「東山瑞枝のことのはじまり」を読まれたい方は、このまま下記の文章をお読みください。

メソッド物語の本編「メソッド物語の誕生秘話」を読まれたい方はここから。

今の「物語メソッド実践編のはじまり」を読まれたい方はここから、お読みください。

 

 

§ 東山瑞枝のことのはじまり

 

「先輩、今日の夜はどこへ食べに連れて行ってくれるんですか」

「今日はイタリアンかな。それより今日は残業なしだからね。定時に終わったらすぐに会社出るよ」

 

東山瑞枝(とうやまみずえ)は、3つ年下の後輩優衣(ゆい)にそういうと、いつも断れず何でも引き受け無理をしすぎてしまう自分に言い聞かせるように、仕事に集中したのだった。

 

東山瑞枝は、短大を卒業して会社で事務をしている28才。現在結婚を視野に入れた彼氏と半同棲中。3つ年下の後輩優衣とは、仲のいい姉妹のように気が合い仕事終わりのアフターファイブも一緒のことが多かった。

 

瑞枝は、女性特有の繊細さと控えめな感じのする女性で、身長は163センチなのだが、細身な体が長身のファッションモデルを思わせた。芸能人に例えると身長172センチある片瀬那奈に似ていると言われることが多かった。

 

後輩の優衣は、富山県出身で関西の短大を卒業した25才。明るくて落ち着いていて、しっかりしていて包容力を感じさせる、芸能人に例えると北乃きいのような雰囲気を持った女性だった。

 

 

二人は、無事仕事を定時に終わらせ、お目当てのイタリア料理の居酒屋に来ていた。

 

サングリア(赤ワインベースのフルーティなスペインの飲み物)で乾杯すると、前菜に、ベーコンとパプリカのフリッタータとブルスタッケフランスパン、14品目のグリーンサラダ。メインにイベリコベジョータ豚のインバデッラ、ピッツァシツリアーナ・ロッソを注文した。

 

二人は美味しい料理に舌鼓を打ちながら、甘くて飲みやすいサングリアにピッチも上がっていった。

 

「先輩の彼氏って、男らしくてかっこいいんですよね」

「そうでもないけど」

「また~、先輩みたいなきれいな人の彼氏が、かっこ悪いわけないじゃないですか。いいな~。私も彼氏見つけて早く結婚したいな。それに田舎のお母さんとおばあちゃん、特におばあちゃんが結婚、結婚ってうるさくって。先輩ももうすぐ結婚なんでしょう」

 

瑞枝はその言葉に眉をピクッとさせ、その顔を隠すようにワイングラスを持ち上げた。

 

「優衣ならすぐに見つかるわよ」

「その言葉、もう聞き飽きたんですけど。ね~先輩、いい人いないですか~。私も早くいい人見つけて、早く結婚したいです。ね~先輩、なんで私に彼氏ができないんですか。もう2年以上もいないんですよ!先輩とこみたいに、ラブラブカップルになりたいです」

 

テーブルにグラスを置く音が響くと、

「こころに問題でもあるんじゃない」と、ついお酒の勢いか、瑞枝は今までほとんど優衣に前では見せたことがなかった、気が短くせっかちな面が出てしまった。

 

先輩からはじめてそんなふうに言われた優衣は、びっくりしてその場で固まってしまい、信頼している先輩からの言葉だっただけに、優衣は相当ショックを受けたようだった。

 

それからしばらく会社でも、優衣は凹んだ気持ちを引きずったまま、2年前に男に騙されて傷ついたよときりもひどく元気がなかった。瑞枝も平静を保っているように見えたが、内心はここ最近ずっとイライラしていた。

 

瑞枝は、優衣の元気がない原因を作った自責の念に駆られて、「奇跡の婚活物語」に出てくる彼女に光曉和尚のことを聞いていたので、近く優衣を連れて和尚に会いに行くことにしたのだった。

 

 

優衣は、瑞枝に言われるまま付いて来た。二人は、和尚のいるお寺に向かう階段を登ると、笑顔の和尚が立っていた。

 

「暑い中、よおお参りやす」

「東山瑞枝と言います。こちらは後輩の優衣です」

 

三人は挨拶と自己紹介もそこそこに、瑞枝は和尚に今までの事の経緯を話した。瑞枝が話終えると、和尚は優衣に向かって言った。

 

「そうでしたか。優衣さんは、瑞枝さんが大好きなんですね。だから、そんな大好きな瑞枝さんから今まで聞いたことがないようなことを言われて、心がびっくりしてしまったんですね。信頼している人から言われると、心の気持ちの整理がつくまでに時間が必要となってきますからね。

それで優しい優衣さんは、私に原因があるから瑞枝さんに『あんなふうに言わせてしまったんだ』って、心悩んでいたんですかね」

 

「えっ、優衣そんなこと思ってたの?」

「えっ、そう。だって、先輩があんなふうにいうなんて、私けっこう酔っぱらってたし、彼氏がほしいほしいって連呼してたから、先輩に絡んで気分を害させちゃったと思って…」

「そんなこと思ってたの。あれは私が悪いのよ。ちょっと違うことでイライラしてたから」

「先輩、心配かけてすみませんでした」

「全然、優衣が気にしなくていいことなんだから。私こそ本当にごめんね」

 

「せんぱ~い、あの~、来る途中美味しそうな宇治金時のかき氷のお店があったんで、そこに寄って食べて帰りません?」

「えっ、いいけど、もう大丈夫なの?」

「はい!このとおり元気ですから!」

「は~、優衣はすごいわね、私だったらず~と尾を引きて、思い悩んでしまいそうなんだけど。優衣のその性格が羨ましい。結婚のことはいいの?」

「あっ、和尚さん、私に彼氏できますか!結婚できますか!」

「できますよ。ただそのがつがつは、あまりお勧めできませんがね」

「がつがつですか。私、甘いものに目がないんですよね。甘いものが大好物なんです」

「いや~、そっちもそうなんですけど、男性に対しても…」

「先輩、練乳派?宇治金に練乳あいますよね!先輩、早く行かないと、この暑さで氷融けてなくなってしまいますよ!」

 

こうして、瑞枝は優衣の勢いに引きずられるように、和尚もこの状況に笑うしかなく、瑞枝と優衣はかき氷を食べに早々にお寺を後にしたのだった。

 

 

それから一週間後、和尚は境内で暑い夏の日差しを浴びながら、竹ほうきを持った手を休めて木を眺めていた。

 

「今日のセミの鳴き声は、なにゼミかな?うん?心がざわざわするな。ざわざわゼミか?あっ、さっきティッシュを丸めてゴミ箱に投げたら、勢いあまって向こう側に転がったのに、立つのが面倒だと思ってそのままにしてたことか。ありゃま」

(このざわざわゼミの詳しいお話をもっと知りたい方は、 「幸せをつかむ婚活:真実を知る心」を。)

 

 

その時、階段を勢いよく駆け上がってくる足音がした。

 

和尚は、誰だろうと入口の門に目を向けていると、背のすらっとしたファッションモデルのような女性が上がってくるのが見えた。

 

和尚が「あっ」と思っていると、その女性は和尚のところに近づくなり、

 

「私、もっとストックになりたいんです!」

(※ストイックとは、自分に厳しく動じないという意味)

 

と、思い悩みすぎたのか血の気を引いたような、しかも息を弾ませながら真剣な目で和尚を見つめていたのだった。

 

つづく。

次回は、9月3日(火)「ストイックになりたいわけ」をお話します。

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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