「有り難味が希薄していく世の中を生きるために②」
親が自己肯定感を高めた心の習慣を創ること。それが子供の豊かな発想力や前向きな考える力、主体性を育む最大の教育になり、子育ての早道。
つまるところ、『感謝を笑顔でする心』を親である私たち大人が育むことである。
『Ⅸ.就職しないできない若者』
「第77話:有り難味が希薄していく世の中を生きるために②」
就職しないできない若者の『未就職予備軍のレジリエンス(回復力)をどう引き出すか?』、キャリアカウンセラー・心理セラピストの観点から、子供や若者よりも、私たち大人に焦点を当てたお話です。
前回お話した考え方・発想は、今までの少しでも早く物質的に豊かになるために、とても役立ってきました。
しかし、物質的に豊かになり心が満たされて、昨今の精神的な心の豊かさを満たす生き方を模索する時代には、もうこの考え方・発想では上手く立ち回れなくなってきたのです。
今回は、今までの物質的な価値観とこれからの精神的な価値観と、どう向き合っていくことが、これからの生きやすくなる生き方になるかについて、お話したいと思います。
物質的価値観とは、物質主義である衣食住といった物質や金銭などの獲得・所有・占有・使用を第一とした考え方です。
その考え方は、
「○○があれば、幸せになれる」「もっと○○があれば、幸せになれる」
このように思う観念が、物質的価値観の考え方と言っていいと思います。
物がない時代、物質的な豊かさが、私たちの幸せのバロメータになっていたことは、言うまでもありません。
今までも何度も言ってきましたが、現代は私たちが生きて行く上での物質的な豊かさはほぼ満たされて来ました。
満たされて来たからこそ、人は心に目を向け出し、心という精神的な豊かさを求め出した時代なのです。
しかし、物質的至上主義という偏った考え方のように、精神的至上主義になっても、ただ生きづらくなるだけなのです。
これからの時代は、「共生・統合・融合・絆・つながり」と言ったバランスの取れた新しい価値観を大切にした時代に向かおうとしています。
健康面にも、それは言えます。生活習慣の変化やストレスを抱え込みやすい社会構造の中で、自律神経の乱れに起因して健康を害するとも言われたりしています。
自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスを保てる状態がベストと言われていますが、
活動的な交感神経が高ぶったままだったり、副交感神経も内にため込んだり、人との接点を持たずに引きこもったり、活気のない生活に流された日々を過ごしていると、バランスを保てる状態に戻せずに偏ったままになり、躁鬱状態になってしまうと言われています。
さて、「どうすればバランスの取れた新しい価値観の生き方」ができるかということですが、まず、「物質」の対義語に使われる「精神」を知ることが大切になってくると思います。
「精神」とは、goo辞書によると、
1 人間のこころ。また、その非物質的・知的な働き。
2 物質に対し、人間を含む生命一般の原理とみなされた霊魂。たましい。
3 物事をなしとげようとする心の働き。気力。
4 物事の基本的な意義・理念。
5 ある歴史的過程や共同体などを特徴づける意識形態。
哲学的な解釈は別として、シンプルにこの言葉の意味を採ると、2の「物質に対して、霊魂やたましい」が、「精神」を理解する時に役立ちそうです。
私たちは、この霊魂という精神に関わることにとても深く縁があると思います。
そもそも日本には、八百万の神という自然のもの全てには神が宿っている(霊魂)考え方がありました。
古くから、山の神様、田んぼの神様、トイレの神様(厠神 かわやがみ)、台所の神様、米粒の中にも神様がいると、そんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
また、先のお盆は先祖の霊魂を供養する行事。神社などのお祭りは、そこに祀られている人格神の霊魂の供養。パワースポットと呼ばれるところに出掛けるのも、そこに宿る霊魂とも言える霊性との結びつきになにか関係しているのかもしれません。
そのように考えて見ると、私たち人間は霊性な生き物なのかもしれません。
私たちは樹齢何百年といった大きな木や朝日、夕日、月、星を見たり、神社の境内に入ったときなど自然と調和するとき、私たちは本来の自分を取り戻したかのような神々しい神聖な感覚になったりします。
また、日々の中でも直感や第六感といったインスピレーション、シンクロニシティ(共時性の一致)、虫の知らせ、ハッとした気づきなども、なにかしら霊性と関係しているかもしれません。
私たちは、そんな状態の思考も感情も穏やか(空っぽ、無)に満たされているとき、精神の安定を感じます。
精神の安定を感じるとき、私たちの心は平安で、心に余裕を感じています。
そんなとき私たちは、素の自分だったり、あるがままの状態、あるがままの自分、自分らしい状態、自由で開放的な心がリラックスした状態を感じるのではないでしょうか。
この状態を自分軸と言ったり、スピリチャルな考えでは、自分が自分で在ることが感じられるセンターと言ったりします。
この状態を表している象徴が、天真爛漫で純粋無垢な子供と言われています。
私たち大人が、そんな子供に気づかされ、時に慰められ、癒され、生きる活力をもらうのは、あるがままに生きている本来の人間的な霊性に触れたからかもしれません。
もっと言うならば、生まれた頃の子供のつぶらな瞳を見たとき、私たちはすべてを忘れるかのようにその瞳に引き込まれ、素の自分、あるがままの自分を超越したような無条件の愛とも言える瞬間に在るのではないでしょうか。
どうやら、私たちは、この自分軸と言ったりセンターと言ったりする自分自身を、日々の生活の中で取り戻すことが、これからの心という精神性を重視した生き方には必要不可欠になってきているようです。
それは、物質至上主義と呼ばれる物質的価値観に偏り過ぎた生き方から、精神的価値観に重心を置いた物質的価値観との私たち両方の観念を統合する生き方が、これからの新しい価値観の生き方になってくるのです。
つまり、精神的価値観から物質的価値観の善し悪し、役に立つ立たないことを選択する周りに流されない、理性のある自分を律した、自律した生き方がこれからはもっと強く求められる時代になって来ているのです。
では、その自律した生き方とはどんなものなのか、次回はそのことについてお話したいと思います。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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