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『§自分が自分であることが幸せ』
「第42話:運を引き寄せる不思議な就職のご縁③」

 

 

前回は、不運にも最終面接で、尊敬する一つ上の先輩と
1枠の採用で競合することになり不採用となった彼女。

 

 

しかし、その先輩から採用された報告を受けた後に、
応募していた会社から面接に呼ばれたのでした。

 

 

今回は、この会社こそが不思議なご縁で結ばれた、
まるでドラマのような採用だったのでした。

 

 

 

当日、彼女はその会社の面接が終わると、
すぐに私に電話してきました。

 

 

その第一声がこれでした。

 

 

「あの会社おかしいです!20分ぐらいしか面接して
いないのに、後日合否の連絡すると言うんです。

 

 

4対1の面接で、専務さんがずっと話していて、
会社の説明もなく聞かれたことは、

 

 

なぜ日本に来たのか。
大学で何を勉強してきたのか。

 

海外営業の事務での応募だけども、
君は海外営業に向いているからやってみないか。

 

お酒は飲めるか。

 

長いときには2週間ぐらいの出張があるが、
出張することは大丈夫か。

 

 

 

志望動機も聞かれず、これで私の何がわかるんですか。

 

会社のこともわからず働くイメージも持てないし、
なんか信用できません」と。

 

 

 

この会社は300人規模の精密機器メーカーで、
業績からしても決して悪い会社ではありませんでした。

 

 

私は彼女の話を聞いて、
「専務に気にいられたな」と思いました。

 

 

私は彼女の話の中で、何が一番の不安になっているのか
と考えながら聞いていました。

 

 

その一番の不安はここでした。

 

 

海外出張に行った時に、中国の商談では白酒という
度数のきつい原酒を何杯も飲む慣習があります。

 

商談を成立させるためには断ることはご法度なのです。

 

 

彼女は専務に1杯ぐらいは飲めるけれども、
何杯も無理ですと言い、

 

専務からはダメなら断ればいいと
言われたそうですが、

 

「そんなことできるわけないです!
商談が破たんしてしまいます。責任が取れません!

 

知り合いも商談でお酒を飲まされて、
胃から血を出したんです。私の体が持ちません!」と。

 

 

私は一昔前まではそんな話をよく聞いたけれども、
最近ではそんな商談はなくなっていると言っても、
知人の話があってか聞く耳も持ってもらえませんでした。

 

 

結局話が堂々めぐりをするため、
私ははっきりと結果が出てからもう一度話をすることで
電話を切りました。

 

 

 

すると、約10分も経たないうちに彼女から
再び電話がありました。

 

 

「採用と言われました!どうしましょう!
夢みたいです!やっと運が巡ってきました!
会社には1週間以内に返事をすることになりました」と、

 

歓喜の声で働く気満々で電話をしてきたのでした。

 

 

私はさっきの電話は何だったのかな?と苦笑いしつつも、
会社の面接から約1時間の間のこの早い展開に、
“おめでとう!”と祝福したのでした。

 

 

しかし、話はそこで終わりませんでした。

 

 

その日の夕方、また彼女から電話がありました。

 

 

「やっぱりおかしいです!」

 

 

私はこの間誰と話をしたのかな?と思いつつ、
「やっぱりおかしいです!」と、どうやら
お酒で胃から血を出した知人に話をしたようで、
今から会って話を聞いてほしいという勢いでした。

 

 

結局その日は時間が取れず、
私も答えなど持ち合わせないまま、
次の日の朝に彼女はやって来たのでした。

 

 

つづきは次回に。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

 

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