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◆心の底から自分らしく生きるメソッド(本編)◆

~私、自分らしく人生を生きます~

 

§ メソッドの誕生秘話③

 

前回、この誕生秘話の苦しい体験の、その原因となったスピリチャルな体験のお話をしました。そのスピリチャルな体験そのものは、とても素晴らしい体験であり、今回は、そのことで、私と父と母に奇跡と思えるような体験をしたお話したいと思います。

 

 

私がこの体験をした当時、母は3年半近く前に、急性心筋梗塞から6日後に血栓が右脳に飛んで脳梗塞を患い、そのまま右が半身不随のまま寝たきりになってしまいました。母は、病院、施設を転々としながら、最期はこの2004年の12月末に亡くなるまで、病院の老人病棟で看病してもらっていました。

 

母は脳梗塞で右脳を患ったので、言語等をつかさどる左脳の意識は正常でした。これが母を余計に苦しめました。父も私も、その母の気持ちになるだけでも、本当につらいものがありました。

 

この体験をしたこの頃には、母は夕食時なんとか看護師さんに椅子に座らせてもらい、首からこぼれてもいいようなエプロンを掛け、弱々しい手でスプーンを握り、口に食べ物を運ぶたびにボロボロこぼす状態でした。

 

そこには、元気だったころの母のふくよかだった面影はとっくになくなり、手足は骨と皮の状態になっていました。母が日に日に弱っていく姿を見ることは、なにか心に迫り来るものがありました。

 

しかし、私がこの体験をしてから、日々の中で変化が起こり始めました。

 

 

ある日、私が病院から帰って来て母の話を父にしていると、父が「(母のことを)なんか楽しそうに話すな。病人のところに行って来たとは思われへんな」と、言った言葉を覚えています。

 

私も母に対する気持ちが、完全に変わっている自分に気づいていました。私は母を見ると不思議と本当にかわいくて、かわいくて、そして愛おしい存在でたまらなくて仕方がありませんでした。

 

そこに見る母は、まるで赤ん坊のような感じで、食事をしていても口元が汚れればティッシュで拭いてあげたり、食べ物をこぼしたことにも『あっ、こぼれたね』と反応していたりしていました。以前の私では、全く考えられませんでした。

 

それを見た看護師さんが『楽しそうな食事やね。息子さんが来てくれて嬉しそうやね』と、声を掛けてくれました。その時に、母が無意識に力ない口元で、食べたものをこぼしながら喜んでつくってくれた笑顔が、今も思い浮かんできます。

 

そして、母が亡くなる日が近づいて来るのですが、この頃には多臓器不全による昏睡状態になっていて、母に話しかけても返事が返って来ない状態でした。ここ数日私は、返事が返って来ない母に対して、独り語り掛けるように話して帰っていました。

 

それが亡くなる最期の日、その日も昏睡状態のままでしたが、母に話しかけると言葉が返ってきたのです。(亡くなる直前にはこのようなことが起こるようですが)

 

 

私は母にいつものように「誰が来てるかわかってる?」と聞くと、母は弱々しい声で私の名前を言ったのです。私は嬉しくなり、そして無意識に母に向かって言っていたのです。「愛してるで!」と。すると母も「あいしてる」と返ってきて、私が生まれて初めて聞く言葉が返ってきました。

 

私は、大人になっても母と口ケンカが絶えず、母から優しい言葉の一つもないのかと言われ、逆に意固地になってできなかった、そんな親子の関係の中で聞く、最初で最後の最高の言葉でした。私は無意識のまま母の薄くなった白髪交じりの髪を何度も撫でて、そして、母のおでこにキスをしていました。

本当の私は、こんなにも母を愛していたのだと。

 

帰り際、私は最後にもう一度「誰かわかる?」と聞くと、母は「おとうちゃん」と答え、それが母の最期の言葉となりました。病院から帰ると、私は父に母がしゃべったことを伝えました。「愛してる」は私の心にしまって。

 

 

私が父に最期の母の言葉となった「おとうちゃん」と言ったことを話すと、父は笑顔がこぼれるように、それは今まで母にしてきたことが認められたかのように、今までの息子にはわからない母に対する思いがゆるされたかのように、本当に嬉しそうな笑顔をしたのでした。

 

私はこの時思いました。私が小さい時からいつも母とケンカになっていた父は、母からの「ありがとう」や「ごめん」や「愛してる」とかよりも、この「おとうちゃん」という一言が、なによりも最高の愛のつまった言葉だったのだと思いました。

 

私にとっても、この時期にスピリチャルな体験をしたことで、本当に私の家族につながりをもたらした奇跡でした。そして、病気を患うまでケンカばかりしてきて、優しい言葉の一つも掛けてあげられなかった自分。母にしてあげられなかったことへの親孝行を、最後に少しはできたのかなと、思えた瞬間でもありました。

 

 

さて、このスピリチャルな体験は、私と家族に素晴らしい奇跡の体験をもたらしてくれました。そして私自身もとても意識が広がったような、とても自分らしいと感じられる自分がいました。

 

しかし、そんな素晴らしい体験の反面、日々の現実を生きてい中で、苦しむ体験をしていくことになるのですが、その続きは明日、お話したいと思います。

 

つづく

次回は、明日9月22日(日)「メソッドの誕生秘話④」です。

 

最後までお読みいただき、心より感謝いたします。 ありがとうございます。

 

 

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