「人生の目的を生きるのが難しいわけ②」
就職しないできない若者の『未就職予備軍のレジリエンス(回復力)をどう引き出すか?』、キャリアカウンセラー・心理セラピストの観点から、子供や若者よりも、私たち大人に焦点を当てたお話です。
『Ⅸ.就職しないできない若者』
「第43話:人生の目的を生きるのが難しいわけ②」
【親が自己肯定感を高めた心の習慣を創ること。
それが子供の豊かな発想力や前向きな考える力、
主体性を育む最大の教育になり、子育ての早道。
つまるところ、『感謝を笑顔でする心』である。】
前回は、『真実』という人生の贈り物でもある『人生の目的』を、たとえ多くそれを知ったとしても、実行に移すことが難しい現実があるお話で、
就職活動をしている女子学生を例えに、大きなきっかけとなるような体験がないことへの、思い込んだ誤解を解くまでのお話をしました。
今回はその続きで、その思い込んだ誤解を解くある女子学生のお話をしたいと思います。
ある女子学生は、学生時代の『粘り強さ』の体験のルーツとして、中学高校と吹奏楽部に所属しクラリネットを担当していた話を思い出しました。
楽器を演奏していると、ある一定のところまで上達すると壁にぶつかり、伸び悩むことがあるようです。
彼女はその壁にぶつかり、毎日何度も何度も練習をしてもそこから上達せず、全体練習でも自分のミスが原因で何度も演奏がストップしてしまうほどでした。
自主練習をしてもそこから抜け出せず、どんどん自信を失っていきました。逃げたい自分との戦いの日々。それでも周りのメンバーになんとか支えられながら、そのスランプは数か月も続きました。
ようやくきっかけを掴み、そこから急激に上達しはじめ、演奏の幅が広がっていき、なんとか高校最後の定期演奏会に間に合いました。
その結果、多くの人から褒められ、アンケートにもクラリネットがよかったとまで言ってもらえたのでした。
その話を聞き、「そのときに一番嬉しかったことはなんだった?」と、彼女に聞きました。
思い出すように少し考えると、「演奏が終わったあとに同級生が近づいてきて、ハグされたとき号泣してしまいました」と、当時を思い出し涙目で言ってくれました。
「友達はずっと見ていたんだね。あなたが悩み苦しみながら練習する姿を。ひょっとしたら、その友達はあなたになにもしてあげれなくて、ただ励ますことしかできない自分がいたかもしれないね。そして、あなたの演奏を自分事のように喜んでくれたんだね。
この号泣した体験って、あなたにとって大きな感動じゃなかった?諦めずに粘り強くやり続けた大きな体験になってない?それともちっぽけな体験?
その体験での自信が、学生時代にも生かされてない?学業だったらレポート課題や発表、アルバイト、その他の体験にも生かされてない?困難なことにぶつかったときにも逃げずに、その課題と向き合い粘り強くやり遂げたりしなかった?アルバイトでも信頼される存在じゃなかった?
だから、就職活動のこの自己PR文になったんじゃないの?」
「そうです。そうでした。すっかり忘れてました。私けっこうやってたんですね。」と言って、彼女は本当にきらきらと目を輝かせていました。
この女子学生は、「自分はないがやりたいかわからない。学生時代にもたいしたこともしないないし」と言っていました。
でも、学生時代の体験は、高校で体験したことの応用編になっていたので、あたかも当たり前のようになっていただけだったのです。
私たちは、このように自分の過去を棚卸していくと、けっこう、いえかなりのことをやってきていて、日々の積み重ねの中で、ただ忘れて気づいていないだけなのです。
だから、今の視点でものごとをみてしまい、心躍るような人生の目的を知ったとしても、それが周りから見ると取るに足らないたいしたことではないと思ってしまい、湧き上がった気持ちを封印してしまうのです。
私たちは、自分が体験してきたことを忘れていて、どれくらい長く自分自身をちっぽけに扱ってきたのでしょうか。
どれぐらい長く、いつも隣の芝生は青いと他人を羨ましがり、自分の魅力(強み・才能)を心の奥深くにしまいこんできたのでしょうか。
なぜ、このように思ってしまうのでしょうか。
次回そのことについて、心理学的な観点でお話したいと思います。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
カテゴリー
- 幸せにくいのないような人生を生きる
- 優花と哲也の愛を育む物語
- まっすぐに生きるのが一番
- 自分が自分であることが幸せ
- 幸せになるための新社会人基礎力
- はじめに(やる気)
- Ⅰ.子育ての悩みはつきないもの
- Ⅱ.子育ては自己肯定感を高めること
- Ⅲ.自己肯定感を育みにくい理由
- Ⅳ.自己肯定感を高める子育て
- V.やる気にさせる必要はない!
- Ⅵ.これからはやる気を持たせる時代
- Ⅶ.子供にやる気の方法(基礎編)
- Ⅷ.子供にやる気の方法(体験談編)
- Ⅸ.就職しないできない若者
- Ⅹ.子供・若者の未来を創る
- 50代からの自分らしく輝く方法
- ありがとうの効果秘訣
- ありがとう10か条
- セミナー・ワークショップ開催報告
- メソッド物語序編
- メソッド物語本編
- メソッド物語実践編
- 今を生きる4つの心の法則
- 気づきの宝箱
- 奇跡の婚活物語
- 奇跡の婚活物語の手記
- 徒然思うままに
- 観念が創り出す心の罠
- 理想のパートナー観念の罠
- 心で気づく心のメカニズム
- 心のセラピー物語Ⅰ
- 心のセラピー物語Ⅱ
- 心のセラピー物語Ⅲ
- チャンスはどこにでもある
- 出逢ってくれてありがとう
よく読んでいただいている記事
- 奇跡のような転機(私のありがとう体験談④) - 12,729 views
- 孤独な人に手をさしのべたとき、その人は癒され、あなたは贈り物を受け取る! - 9,046 views
- 「子供・若者の職業観(働く目的)が変化している?」 - 3,973 views
- 『もう一つのエピローグ』(「出逢ってくれてありがとう」) - 3,629 views
- 自己ヒーリングしていた!(私のありがとう体験談③) - 3,593 views
- ワクワクする創造性は、あなたの心の欲求を満たしてくれる! - 3,202 views
- ありがとうの達人のなり方 - 3,197 views
- 「感謝の日記帳」 - 3,058 views
- 四.進歩進展、現状打破のいしづえとは - 2,803 views
- 「『主体性』と『自主性』との違いを言えますか」 - 2,727 views
最近のコメント
- 奇跡のような転機(私のありがとう体験談④) に 前中光曉 より
- 奇跡のような転機(私のありがとう体験談④) に 高木淳子 より
- 奇跡のような転機(私のありがとう体験談④) に 前中光曉 より
- 奇跡のような転機(私のありがとう体験談④) に 高木淳子 より
- 「自分らしく輝くために知っておきたいこと(前半)」 に 前中光曉 より
- 「自分らしく輝くために知っておきたいこと(前半)」 に ゆみこ より
- 彼女に催促したありがとう に 藤原康典 より
最近の投稿
- 「次世代をつくる若者の反映は私たち大人」
- 「自信が持てない若者の自信が持てない言動」
- 「日本は便利になり若者がダメになる?」
- 「やっぱり“ありがたみの心”を知る人は強い」
- 「中学生の就業体験からの学び」
- 「無力さの中にある才能」
- 「二つの文章。どちらが幸せな生き方?」
- 「人生の主人公は自分自身だと自覚する時代」
- 「“おはよう”の挨拶が起こした奇跡」
- 「足の裏の米粒」
- 「人生頼って、頼られて、」
- 「人生愛して、愛されて、」
- 「危ないひとりよがり…」
- 「なにかのために時間を使うのではなく…」
- 「私はこういう人間だからと決めつけて」
- 「今の自分は、自分のことがそんなに嫌いじゃない」
- 「ポジティブな心を育む三つの心と五つの気」
- 「忘れない三つの心」
- 幸せにくいのない人生を生きる
- 「ありがとうを言う数だけ人は幸せになる?」
アーカイブ
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
2025年6月 月 火 水 木 金 土 日 « 12月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30