「有り難味が希薄していく子供たちの結末③」
親が自己肯定感を高めた心の習慣を創ること。それが子供の豊かな発想力や前向きな考える力、主体性を育む最大の教育になり、子育ての早道。
つまるところ、『感謝を笑顔でする心』を親である私たち大人が育むことである。
『Ⅸ.就職しないできない若者』
「第69話:有り難味が希薄していく子供たちの結末③」
就職しないできない若者の『未就職予備軍のレジリエンス(回復力)をどう引き出すか?』、キャリアカウンセラー・心理セラピストの観点から、子供や若者よりも、私たち大人に焦点を当てたお話です。
前回、子供や若者にもっとも影響を及ぼす私たち大人の生き方。
いつの時代も、私たち大人の生き方が、次世代の子供や若者の価値観をつくっていくだけに、私たちの生き方が問われる「社会性(社会になにかしら貢献できる生き方)」の時代になって来る、というお話をしました。
今回は、再度になるかもしれませんが、なぜ私たち大人の生き方が大切になってくるのかについて、お話したいと思います。
ある漁師の老人が、夕暮れの海を見ながら、孫にこんなことを語り掛けました。
「昔はのう、空や雲を見れば、明日の天気がわかったもんじゃ。
昔はのう、風を肌で感じれば、明日の天気がわかったもんじゃ。
昔はのう、潮の匂いを嗅げば、明日の天気がわかったもんじゃ。
昔はのう、波の音を聞けば、明日の天気がわかったもんじゃ。」
孫はおじいさんに聞きました。
「今はそうじゃないの」
おじいさんは答えました。
「今は無理じゃ。」
孫は、なんでも知っているでっかいおじいさんに、不思議そうに聞きました。
「なんで今は無理なの。」
おじいさんは、空を見ながら言いました。
「それはな、NHKの天気予報を見るようになったからじゃ。」
おじいさんは、続けて孫に話しました。
「はじめの頃は、テレビの天気予報も参考に見てたけどもな、どんどん天気予報の精度がよくなって、今では天気予報を見ればよくなったからじゃ。」
さらにおじいさんは続けました。
「文明の利器のおかげで便利になったけれども、(昔より)五感の力が落ちてしもて、昔のように海を見ただけでは、明日の天気が正確にはわからんようになってしもうた。
今でもだいたいのことはわかるけれども、天気予報を見て確かめないと確信をもてんようになってしもうたわ」と。
ここで注目したいのは、文明の利器のおかげで、五感の力が落ちてしまったことです。
物質的に豊かで便利になった裏側で、五感をあまり使わなくなることは、深く考えることをしなくなります。
五感を使い想像力を駆使して、答えを導くことをしなくなります。
五感を使い道理に則した選択をして、判断することをしなくなります。
それは、見たものが、目にした情報が、すべて正解のように思い込んでしまう危険性があるのです。
だから、前回のように正論として筋が通るのです。
そして、前々回の“食べ残しに吸殻”の話をしましたが、自分には関係ないような話に聞こえますが、根底で起きていることは、状況は違えども同じことを日々の生活の中でしているのかもしれません。
なぜなら、情報過多による情報に流されたり、自分で判断する基準が曖昧になって周りに流されやすくなったりすることも、そのような危険性の要因を否定できないからです。
この五感の能力の低下は、物質的な豊かさの中で、思慮深くせずともらくで簡単なことを選択しがちになります。
それは、便利になったものがあるのが“当たり前”になり、その結果、“当たり前”が『有り難味』の希薄化にもつながっていくのです。
これは、子供や若者だけの問題ではなく、私たち大人もその影響の中で生きているのです。
次回は、「有り難味が希薄していく、私たちの結末」をお話したいと思います。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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