「有り難味が希薄していく子供たちの結末②」
親が自己肯定感を高めた心の習慣を創ること。それが子供の豊かな発想力や前向きな考える力、主体性を育む最大の教育になり、子育ての早道。
つまるところ、『感謝を笑顔でする心』を親である私たち大人が育むことである。
『Ⅸ.就職しないできない若者』
「第68話:有り難味が希薄していく子供たちの結末②」
就職しないできない若者の『未就職予備軍のレジリエンス(回復力)をどう引き出すか?』、キャリアカウンセラー・心理セラピストの観点から、子供や若者よりも、私たち大人に焦点を当てたお話です。
前回、考えることが煩わしい若者の話から、食べ残しのカレーライスのご飯に2本の吸殻が刺さっていたお話をしました。
今回は、そのカレーライスの吸殻の話しを学生たちにしたところ、ある学生が「たぶんやった奴らはこういうと思いますよ」というお話をしたいと思います。
そのときのある学生は、次のように話してくれました。
「それはあかん(ダメ)やろうと言うと、たぶんこう返って来ると思います」と。
『もう食べへんねんから、捨てるだけやん。どうせタバコも捨てるんやから(分別がなく同じゴミ袋に捨てるという前提に)、ごはんに刺して消して一石二鳥やん。灰皿も汚さへんし、掃除のおばちゃんも灰皿掃除する手間が省ける』と。
その言葉に他の学生から「それは屁理屈やん」と。
私も確かに人としての道義上、屁理屈に聞こえると思いました。
しかし、もしこれが道義上よりも、楽で簡単により効率的という発想(観念)が勝っていたとしたら、(感情的なことを除いた議論をすると)筋が通った話になると。
なぜなら、ディベート(二つの対立した意見を述べあう・例:ご飯派とパン派など)をしたときに、道義的派の根拠はどうしても道徳や哲学と言った精神論になる傾向が高く、理路整然と根拠を示しやすい効率的派が議論に勝る可能性があり、一概に否定できなくなると。
しかも、残飯とタバコの吸殻などのゴミの収集が別々だったとしても、最終的に同じゴミ処理業者が回収に来て焼却したとしたら。
つまり、この屁理屈が屁理屈と言えず正論になり、効果的派の人に理解してもらい納得してもらえるにはそう容易ではなく、議論の終着が見えないと。
私たちが人として生きる根底である大切な概念、価値観が希薄化してくると、自分自身を律するものがなくなり、分別なく簡単に楽を求め、さらに『快』を求めることが当たり前化になってくるように思うのです。
それは、理性よりも本能に近い、自分にとって得するか損をするか、都合がいいかが、その人の価値観になってくる危険性があるのです。
しかも、簡単に楽や『快』を求めることは、深く考えることをしなくなり、想像してイメージを膨らませるような、言ってみれば相手のことを考える発想すら持てなくなっていくのです。
考える力がなくなってくると、判断する力がなくなってきます。判断する力がなくなってくると、自分に価値判断する基準が曖昧になり、結果情報に振り回されたり、自分の気分に流された生き方になってくるのです。
そして、それが日々の習慣になり、その積み重ねは「観念」として心に刻まれていき、その心の深層が思考にあがり、その考えが行動や振る舞いになっていくのです。
私は、その根底の価値観とは、『有り難い』から派生した『有り難味』という『感謝』だと思うのです。
なぜなら、何度も言ってきていますが、『感謝』は『愛』を体現するそのものだからです。
それだけに、『有り難味』が薄れてきた現代、そこにあるものが当たり前の中で生きている特に子供や若者の人間形成上において、どこかで、誰かが歯止めを掛けないといけないのです。
その誰かとは、子供や若者にもっとも影響をおよぼす、私たち大人なのです。私たち大人の生き方そのものなのです。
いつの時代も、私たち大人の生き方が、次世代の子供や若者の価値観をつくっていくだけに、私たちの生き方が問われる「社会性(社会になにかしら貢献できる生き方)」の時代になって来るのです。
次回は、「有り難味が希薄していく子供たちの結末③」について、お話したいと思います。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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