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『§自分が自分であることが幸せ』
「第37話:②“お陰様”の心が育まれない若者たち」

 

 

前回の履歴書に“お陰様”という気持ちが
減っていることとどう関係しているのかの続きです。

 

 

会社は、「学生時代に何かに挑戦し、
成し遂げたこと」を特に重要視しています。

 

 

会社が独自に学生に求めるエントリーシート
と言う履歴書があります。

 

 

そこには必ずと言っていいほど、
「学生時代に打ち込んで挫折した経験と、
それをどのように乗り越えたか」

 

 

「学生時代に何かに挑戦して困難にぶつかり、
それをどのように乗り越え結果を出したか」

 

 

さらには、
「学生時代に挫折して乗り越えその経験で得た成果を、
この会社でどのように生かしたいか」です。

 

 

そして、この学生時代に頑張ったこと、
これを書くためには、“お陰様”と思える体験がないと、
上手く書けないのです。

 

 

 

「学生時代に頑張ったこと」とは、
何かに挑戦し、挑戦した時にぶつかった壁に、
どう工夫してそれを乗越えて結果に導いたかです。

 

 

会社がこの質問を問う根底には、
新人研修でよく教える業務を円滑に進める
「PDCAサイクル」という考え方を問うているのです。

 

 

「PDCAサイクル」とは、

 

Plan(計画)
Do(実行)
Check(評価・検証)
Action(改善)
の頭文字を取ったものです。

 

 

簡単に言えば、仕事に取組む姿勢を見ているのです。

 

 

この仕事に取組む姿勢につながるような、
学生時代に一生懸命何かに取組み頑張った経験がないと、
上手く書けないと言うわけです。

 

 

応募書類の段階で上手く書けなければ、
不採用となる可能性が高くなるわけです。

 

 

さらに、応募書類を添削してもらいながら
書類が通過しても、次に必ず面接があります。

 

 

 

面接でこの「学生時代に頑張ったこと」には、

 

 

最近の若者の中には挫折した経験が乏しく、
社会で働いたときに困難なことに出くわしても、
向き合って粘り強く乗越える力がなく、

 

 

また、人との関わりが少ないせいか意思疎通が
上手く計れない若者が増えていると言われています。

 

 

会社側はそんな若者が、早期離職につながらないかを
面接で見ようとしているのです。

 

 

 

イメージからすると、おとなしい真面目なタイプの学生を
想像するかもしれませんが、挫折の経験が乏しくても、
真面目にコツコツするタイプの学生は内定を勝ち取ってきたりします。

 

 

それよりも、最近危惧する学生は、
一見普通にアルバイトもして友人もいる、
明るくてごくごく普通に見える学生です。

 

 

しかし、深く見ていくと、
好きなことだけを選択して嫌なことは上手くすり抜け、
一見その場を上手く取り繕うことはできても、
継続力の根気がなく自分本位の楽しい楽な発想を持ち、

 

ものを深く考えることを面倒臭がり、
また面倒なことはやりたくないと避ける傾向にあるのです。

 

 

 

昨年、こんな話を聞きました。

 

 

小企業がはじめて2人の新卒の女子学生を
事務として採用しました。

 

 

明るくて人あたりもいい女子学生だったのですが、
一人が次の日に無断欠勤。

 

 

理由を聞くと、
「会社の電話に出るのが怖いから続けるのは無理」と。

 

 

そしてもう一人も、次の日無断欠勤。
理由は「その子がいないなら楽しくないので辞める」と。

 

 

そして、二人示し合わせたかのように退職しました。

 

 

 

ごくごく一部の学生かもしれませんが、
今までに聞いたことがない理由の話を聞いていると、
上記に書いた学生に当てはまる印象を受けたのでした。

 

 

“お陰様”という言葉。

 

 

 “お陰様で”という言葉にしなくても、
それ以上に“お陰様”という意識そのものが、
体験として身に付いていない危機感を感じるのです。

 

 

次回は、そのことについて、
もう少し深く掘り下げてお話をしたいと思います。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 

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