「③“お陰様”の心が生まれない若者たち」
『§自分が自分であることが幸せ』
「第38話:③“お陰様”の心が生まれない若者たち」
前回“お陰様”という言葉。
“お陰様で”という言葉にしなくても、
それ以上に“お陰様”という意識そのものが、
体験として身に付いていない危機感を感じると言うお話をしました。
今回は、そのことについて、
もう少し深く掘り下げてお話をしたいと思います。
一昔前になるでしょうか。
東北地方のある記者が、最近の小学生はスーパーで
売っている刺身がどんな魚の形をしているかわからない。
それを揶揄して、最近の小学生は刺身の切り身が
海に泳いでいると思っている、という記事を載せて、
少し話題になりました。
また、塾帰りの親子がスーパーで買い物をしているとき、
テレビのインタビューでその小学生の子供に、
「お米はどうやってできるかわかる?」と聞くと、
「スーパーで作ってる」と答えていました。
この解答には、とても衝撃を受けました。
ものが豊かになり、技術が進歩したとは言え、
そんなことをわからなくなっているんだと、
危惧したことを覚えています。
ここまで知らないのは、一部かもしれませんが、
どうも一部の就職活動をする学生にも、
それに似たようなことを感じるときがあります。
それを感じるときと言うのが、
人との関わりが少ない以上に、
嫌なことや面倒なことを上手くすり抜けて来たと言うか、
楽しいこと、楽しくさせてくれること以外のものごとに、
触れる機会がなかったのかと思うことです。
話をしていても、奥行きがないというか、
言葉を拾って深く突っ込んでも、その体験が
出てこないのです。
それでも出てこないだけだと思い、
今までに旅行に行った話などないのと聞きました。
「旅行に行ったことはあります」
さらに、細かく聞いてみると、
「ただ家族についていって、観光地に行って、
ご飯食べて帰って来た」と。
「風景とか、なにか印象に残るようなことは?
今度私がそこに行くときに、アドバイスある?」
「う~ん、よくわからないです」
「えっ、旅行に行ってなにしてたの?」
「ほぼゲームしてました」と。
私はあえて、お米の作り方について聞いてみました。
「お米はどうやってできるかわかる?」
「田んぼにきまってるじゃないですか」
「そんなことわかってるよ。稲穂がなって、
刈り取って、乾かして、脱穀して、玄米を精米して…」
「えっ、あの粒剥いたら米じゃないんですか」と。
農家の人が手間ひま掛って、害虫からも稲を守りながら
作っている話をすると、とても興味深そうに聞いていました。
そして、中国から来た留学生が、
中国の作物への有害な農薬事情を改善するために、
日本の大学院で勉強し日本の農薬の会社に就職した話を
すると、目を輝かせて聞いていたのでした。
ただ、知る機会がなかっただけ?!
と思ったりした瞬間でした。
“お陰様”という意識は、
“ありがたみ”のことです。
してもらって“ありがとう”の言葉は言えても、
心から“ありがとう”と思える体験が少なければ、
“ありがたみ”も“お陰様”という意識も湧いてこない気がします。
また、そこには人の痛みを理解し、共感できる意識も
乏しくなると言え、それでいて自分の痛みという嫌な感情はわかるから、
その感情を味わいたくないために、
人との関わりや煩わしいことを避けてしまうという、
悪循環に陥ってしまうのかもしれません。
人生の目的や生まれてきた意味はという話に、
“体験”することだと言う話があります。
この“体験”こそが、
“ありがたみ”や“お陰様”の意識が生まれ、
人がひととしての大切なことを気づき成長していくことを
改めて思いつつも、
日本の八百万の神の精神は、なくしてはならない
大切な生きる価値観と強く思うのでした。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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