「男女関係の心のすれ違いのはじまり」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第37話:男女関係の心のすれ違いのはじまり」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回、横恋慕な妄想を抱いた哲也だったが、どうやら寂しさから強がっている自分が横恋慕な気持ちを湧き立たせ、本当に愛されたい人をも遠ざけてしまっていたようだった。
そこには、素直な気持ちを出してしまった時に、本当に愛されたい人から拒絶されるのではないのかという怖さが隠れていたのかもしれない。
男女関係でよく心のすれ違い。
そのはじまりがあるとしたらこんな風かもしれない。
例えば、もし哲也が「会えなくて寂しかった」と素直に言った。
優花は嬉しいのに「へー寂しかったの?でも私がいない間浮気でもしてたんじゃないの?」と、つい余計なことを言ってしまう。
そうすると、哲也は浮気してないことを弁解しなければならず、さらに自分が寂しかった気持ちを蔑ろにされた気がする以上に、日頃感情を出す(自分の気持ちを出す)のが苦手な度合だけ、素直に言った自分がばからしくなってしまう。
そして、こう思うのである。
『こんな気持ちになるんだったら、もう二度と言わない!』と。
そんなことを思ったとはつゆ知らず、優花は哲也が自分に対して『会えなくて寂しい』と言ってくれたことが嬉しくて“愛”を感じる。
そして、またそんな情況になった時に、優花は哲也からそんな嬉しい反応がほしくて、
「会えなくて、寂しかった?」と聞く。
しかし、哲也の答えは、「別に」になるのである。
そしてその答えに不安を覚えた優花は、その真相を聞きたくなり、正したくなり、矢継ぎ早に質問をしたくなる。
「寂しくなかったの?」
「なにかあったの?」
「浮気でもしたの?」
「私のことが嫌いになったの?」
「別にってどういうこと?」
この先の二人の会話がどうなるか、容易に想像できるものである。
また、こうはならなくても、哲也の「別に」に対して、
「本当は寂しかったんじゃないの?強がっちゃって」
「別に。強がってないし」と言う反応に、
「なによ、その言い方。(私が寂しかったから、あなたも寂しかったはずでしょう!)」と、カチンときたりする。
さらに、
「本当は寂しかったんじゃないの?強がっちゃって、素直じゃないんだから」
「別に。俺は素直だし」
「(寂しかったって言いなさいよ!)強がっちゃって」
「・・・・・・」
哲也は思う。
『以前に俺は素直に言った。でも受け入れなかったよな。どうせ今回もそうに決まってる。だから俺は二度と言わない』と。
こうして些細なことから、男女関係の心のすれ違いが起こったりするのである。
前回の話の中で、優花は言った。
「哲也は素直じゃないよね、強がっているの丸わかりだよ」
「えっ、そんなことないよ」
と思いながら、哲也は思わず『優花の方こそ、会いたくて会いたくて仕方なかったんじゃんいの?』と言い掛けて、優花から『そんなことないよ』と言われる怖さに言葉を呑み込んだ。
優花は「またー、強がっちゃって」
その時哲也は、
「まあね、すべてお見通しでございます」と哲也は素直に白旗を上げたのだった。
感情を出すこと、自分の気持ちを出すのは恥ずかしいことだと思って生きて来た、そういう時代の中で身に付いた観念を持っている男性にとっては、哲也のようになかなか素直に白旗を上げるようなことはできないものである。
哲也のこの素直な言葉は、同時に自分の弱さをも認める強さでもあるのだ。
それでも『うん、寂しかったよ』とは素直に言えず、
『まあね、すべてお見通しでございます』と言う表現が精一杯だったのである。
心理セラピー(カウンセリング)の現場でも、
『めそめそ泣かない、男の子でしょう』
『男だったら簡単に弱音を吐くものじゃない』
『男は女に弱さを見せてはいけないものだ』
『もっと男らしくしなさい』
と、その言葉が観念となって心の足かせとなり、自分の弱さの感情に素直に向き合えない、苦しむ燃え尽き症候群の男性を多く見てきた。
そして一方女性も、
『女の子でしょう。女の子らしくしなさい』
と、自分らしくある女性であるべき姿を求めるあまり、世間が求めるこうあるべき、こう見られる女性像の観念に背伸びをし、そんな一喜一憂する自分に疲れてしまう。
そして、本来持ち備えているセクシャリティー=生命エネルギー、母性とも言える慈しみ育む性質なども否定してしまい、不安や心配の中で苦しむ女性を見てきた。
私たちは、これまで生きて来た中で、
様々な観念(思考)を持って生きています。
その観念が私たちの感情をつくり、その感情が思考をつくり、
その思考が言動や振る舞いになるのです。
いい観念(信念)は豊かな人格を育み、心を豊かにしていきます。
反面、信じ込まされたり、そう言うものだと信じ込んだりして、心が窮屈に感じたり理不尽と思う観念は、人を委縮させたり生きにくくさせたりして、ときに生きる心の足かせになることがあるのです。
そうならないために、
その心の足かせになる観念を変容させていく生きる知恵の一つが、
『自己肯定感を高めること』です。
その方法が、私がこのブログでお話してきている、
『Happy Lucky Me』や
『ありがとうの効果と秘訣のやり方』なのです。
この知恵となる方法は、誰にでもできます。
本来生きる知恵とは、日々生きていく中で成長と共に培える
『とてもシンプル』なものなのです。
それが、このブログのタイトルである
『まっすぐに生きる』 につなって行くのです。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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