「“個む”と書いて”なごむ”と読む?」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第56話:“個む”と書いてなごむと読む?」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回の『笑う門には福来る』と言う、笑いが絶えない家には福がやって来るという意味は、いかに笑う、笑顔、微笑むことのできる自分で在ること大切なのだが。
「この間ね、おばあちゃんがひどく驚いてびっくりしてたんだけど、『最近は笑顔を作ることも教えるんだね』って。
そう言われれば、“笑顔の作り方”なんて言葉を聞いたことがあるなと思ったんだけど。
それでおばあちゃん、『笑顔は自然と溢れ出るものなんだけどね』って」
哲也は、“それだけ笑うことが少なくなった世の中になったと言うことなんだろう”と思って、優花の話を聞いていた。
「その後、またまたおばあちゃん、凄いこと言うのよ。
『漢字で“和(わ)”と書いて“なごむ”だけど、
最近は“個”と書いて“なごむ”かな』って。
はじめ何を言ったかわからなかったんだけど、言われたことをよく考えてみると、“あっ!”って思って。
だって、 “なごむ”って“和”でしょう。
互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあることの意味でしょう。
それが“個”を“なごむ”って読むと言うことは、今の人との関わりが希薄になってきてるって言われているじゃない。
まさに、『その通りだ!』って。
おばあちゃんの洞察力には、いつもながらに驚かされるけど、ほんとうに人との関わりが減ってきているよね。
そしておばあちゃん、立ち上がって去り際に、
『だから、最近は笑顔を作ることも教えるんだね』って。
それで私聞いたのよ。なんでそうなったのかなって。
そしたら、
『今の人たちは、
今の暮らしや今の自分を守ることに忙しくて、
安穏無事を守るために、
できない理由ばかり考えているんじゃないかしらね』
『どうせやっても無理』
『やっても失敗するに決まってる』
『やるだけ無駄』
『そうやって人の心も凝り固まって、
自分と言う“個”を大切にするのかもしれないね』
『そんな“個”を大切にする生き方が、
“なごむ”のかもしれないね』」
哲也は優花からおばあちゃんの話を聞きながら、
多くの人が小さい頃から、
『どうせやっても無理』
『やっても失敗するに決まってる』
『やるだけ無駄』
って、言われて生きて来たのかもしれない。
だから日本人は世界と比べて自己肯定感が低く、
こじんまりとした人間関係の中で生き、
利他愛よりも自己愛を重んじるのかもしれない。
そして、立ち上がり去り際に言うおばあちゃんは、
あえて優花に考えさせるために、
わざと立ち上がっているのではないかと思ったのだった。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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