物語メソッド実践編:「ありがとうの意識を広げる」
◆心の底から自分らしく生きるメソッド(実践編)◆
「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」
~私、自分らしく人生を生きます~
※はじめてこられた方は、
この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。
§ ありがとうの意識を広げる
前回、和尚は、これからの人生を生きる原動力となる源を取り戻すことの大切さを話し、そのためには、まず日々の生活でその基盤となる『感謝の日記帳』を使えるように、実習をとおして、有里、瑞枝、誠の三人に身に付けてもらう話をしようとしたのだった。
「さて、みなさん、話ばかりではよくわからないと思うので、これから帰ってからも使えるように実習をしていきたいと思います。
今、ふと思ったのですが、みなさんあれですよね。まるで、これから山登りをする前のオリエンテーションの話はそっちのけで、気持ちは、山に登ったらどんな綺麗な風景が見えるのだろうとか、どんなわくわくしたことがあるのだろうかとか、ひょっとして、買ってきたおやつを山頂で食べようか、それともその途中の休憩中に食べようかどうしようかと、そうですよね、有里さん」
「えっ、ちゃんと話を聞いていますよ」
「絶対有里ちゃん、お菓子のこと考えてたよ。さっきの休憩中、これこそ至福の喜びみたいにチョコレート美味しそうに頬張ってたもん」
「だって、チョコ美味しいねんもん。誠くん秋限定のチョコやで」
「有里さんは山で遭難しても、そのチョコで生き延びられそうですよね。まあ、話はそれぐらいにしておいて、実習の話をしていきます。
まず、『ありがとう』の言葉を使って、『ものごとを多面的にみる』ことをします。どういうことかと言いますと、私たちは、日頃ものごとを一つの平らな平面で見ていることが多いのです。
例えば、『ありがとう』と言ったときに、それはただ平べったいような、紙にその言葉が書かれているような感じだと思うのですね。その平面を、紙に書いた『ありがとう』を立体的に見るような感じにするのが、この実習のねらいです。
では、やり方を説明します。
これからみなさんに、『ありがとう』という言葉について、思ったことを言ってもらいます。私が『ありがとうと言えば?』と聞きますので、みなさんは思った言葉を言ってもらうだけです。
これには答えはありませんので、人が言ったことに対して何かを言ったりするのではなく、『そういう考えもあるのか』と、人の言った言葉をただ受け留めてください」
和尚はそう言って、4人が輪になり、和尚の『ありがとうと言えば?』という言葉で実習が始まったのだった。
実習を始めると、様々な言葉が出てきた。
(※文章だけだと伝わりにくいと思いますが、ここまでの言葉が出で来るのには、30分ぐらいは掛っています。途中何度も沈黙がありながら、少しずつ三人の集中力が高まっていき、“ありがとう”への意識も深くなって出てきた言葉です。次の言葉が出てくるまでは、臨場感を出すために以下のような改行の感じでした。)
『ありがとうと言えば?』
「感謝。人への思いやり。幸せ。嬉しい。お礼。気持ちいい。温かい。優しさ・・・。
『ありがとうと言えば?』
褒美。美・・・。
『ありがとうと言えば?』
感動。笑顔。絆・・・。
『ありがとうと言えば?』
努力。手間を掛ける・・・。
『ありがとうと言えば?』
挨拶。両親。友達。友情。愛情。親切・・・。
『ありがとうと言えば?』
お弁当・・・。
『ありがとうと言えば?』
ラッキー。幸運。お金。達成感。成功・・・。
『ありがとうと言えば?』
チョコを頬張る。ご飯を食べる。美味しいものを食べる・・・。
『ありがとうと言えば?』
おもてなし。サービス(奉仕)。気遣い。心遣い・・・。
『ありがとうと言えば?』
信頼・・・。
『ありがとうと言えば?』
太陽。月。雨。水。空気。電気。ガス。水道・・・。
電車・・・。
『ありがとうと言えば?』
靴。靴下。服・・・。
マッサージクリーム。付まつげ。コンタクト。メガネ」
「それぐらいでいいでしょう。言葉が尽きるまで永遠に続きそうですね。今、みなさんが言ってくれて書き留めた言葉を、声を発さずにじっくりとただ見てください」
そう言って、和尚は3分ぐらいそのまま見てもらったのだった。
「今、なにを思っていますか。感じていますか。誰でもいいので誰か」
「ありがとうって、こうしてみるとたくさんあるんですね」と誠がいい、
「ほんまに、こんなにあるのになんで出てこなかったんやろう」と有里が、
「ほんとですよね。あれだけ毎日苦労してたのに」と瑞枝が答えた。
「他にはないですか」
「これって、すべてにありがとうですよね。さっき和尚さんが言葉尽きるまで永遠に続きそうと言ってましたが、あらゆるものすべてにありがとうなんですね」
「ほんまそう言われたら、全部ありがとうやねんや」
「なんかすごいですね。そんなこと思って生活してないですもんね」
「感覚として、ただ単に『ありがとう』が平べったい感じじゃなくて、紙に書かれた平面ではなくて、なにか奥行きがあるような、『ありがとう』というたった一言の言葉の中には『感謝や嬉しい、温かさ、感動、お礼、気持ちいい』なども含まれているという、なんとなくでも言いたい感じがわかりますかね」
「そうですね、感覚としてはわかりますね」
「なんかぶどうみたいですね」
「それなんかわかります。『ありがとう』が一房のぶどうで、そのぶどうの実がこのたくさんある言葉って感じですよね」
「そうそう、そんな感じやねん。瑞枝ちゃんわかる」
「わかります、わかります」
「ほんとにそうだね」
「有里さん上手いこと言いますね。本当にすごいですよね、その発想力は」
「くだらないことは、すぐに浮かぶんです」
「いやいや、それは本当に才能ですよ」
「そんなことないです。誰でも浮かびますよ」
「有里さんが、ぶどうというあるものに例えてくれたおかげで、より立体的に『ありがとう』へのイメージができました。今、みなさんもただ単なる『ありがとう』だったの、『ありがとう』の一つの言葉に対して、とても意識が広がったような、面ではない感じがしているのではないでしょうか」
和尚は、三人の納得したような顔を見て、さらに『ありがとう』の意識の広がりの感覚を落とし込むために、次の実習をする説明をしたのだった。
(※正直この文面だけではなかなか伝わり切れていないと思います。文量の関係でまとめてしまいましたが、言葉一つひとつの間にも独特の間があったり、実際もっとコミュニケーションがおこなわれていたわけです。
しかも、ここにきて、誠くんのインスピレーションとスピリチャル性の意識の高さが、二人の女性の意識をも上げています。正直、この段階で、あらゆるものに感謝への発想の気づきも、またこれだけ言葉も出てこないと思っていましたから、一行目の言葉で詰まって、あとはほとんど出てこないと思っていました。
ほんとうに誠くんの発する言葉や存在に追うところが非常に大きく作用しています。誠くんあなたには感謝です。)
つづく
次回明日10月15日(火)は、さらに感謝の効果的な実習、
物語メソッド実践編:「効果的な実習のやり方」をお話します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆
※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。
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