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◆心の底から自分らしく生きるメソッド(実践編)◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

§ 効果的な実習のやり方

 

 

前回、和尚は「ありがとうの意識を広げる」実習をモニターである3人にしていったのだが、経験上この初期の段階で、ここまで成果が出ることは考えにくかったので、正直奇跡的なように驚いていた。

和尚はさらに体験をとおして、『ありがとう』を落とし込んでいくために実習の説明をしようとしたのだった。

 

「次の実習は、机上で自分の中の『ありがとう』の意識を広げていったので、今度は現実の生活の中で対応していくための実習をしたいと思います。

まず、みなさん立っていただいて、この部屋の中にあるあらゆるすべての対象物に対して、ただ『ありがとう』と呟いていく実習です。

 

どのような感じかと言いますと、この机を見てただ『ありがとう』。次、ペンを見てただ『ありがとう』と、どんどん目に見えるものに、ただ『ありがとう』を言ってもらうだけです。

 

『ありがとう』『ありがとう』・・・と、目に見える対象物をどんどん変えていきながら連呼していく感じです。

 

約10分間、なにも考えずにただ『ありがとう』と呟いていってください。同じものに対して何度繰り返しても構いません。ではどうぞ」

そう言って和尚は、誠、有里、瑞枝の3人を見ていた。

 

 

「オーケー。今度は、今まではただ見えるものにただ『ありがとう』と言ってもらいましたが、次はものの名前を言って、

例えば、『机ありがとう』次、『いすありがとう』と、できるだけ今見てきた対象物に対して名前を言って、同じように連呼していってください。感情は入れずに頭だけでやっていってください。それではどうぞ」

 

 

「オーケー。次は最後の実習です。今度は、今見てきたものをじっくりみていってください。

例えば机だったら、“机ちゃん”と親しみを込めながら、平らな面をみて、その色や模様もみて、次にその平な面の淵をみてその丸みをみながら全体の机を感じて、そして一つの机と認識して、

そこで『机ありがとう』といってください。とりあえずやってみましょう。ゆっくり自分のペースで一つ一つ確かめるような感じでやってみてください。では、どうぞ」

 

3人は、まるでそこにある物体を、不思議なものをみるような感じでみていた。それは傍から見ると思わず『なにしてるんですか?』と、声を掛けたくなるような動作だった。

和尚は、この実習にはたっぷりと時間を使った。

(ちょっと3人がやっているのをイメージしてみてください。じーっと机をみて、まるでそれは机の上にコンタクトレンズが落ちているではないかと、それを一所懸命探すかのように注視している感じです。思わず「どうしたのですか?なにか探してるんですか?」と、声を掛けたくなるようなイメージです)

 

 

「オーケー。それではみなさん、こちらに戻って来てください」

和尚はそう言って、瑞枝、有里、誠の3人はそれぞれの椅子に腰をおろした。

 

「今、どんな感じですか。思ったままを言葉に出してみてください」と、和尚は3人の意識状態を感じながら言った。

有里がはじめに口を開いた。

「う~ん、正直よくわからないです。ただ言われたようにやった感じです」

「瑞枝さんはどうですか」

「私も全くよくわからないです。なにか変わったのか、そうなのかもわからない感じで、よくわからないです」

 

「誠くんは?」

「・・・なにか気分がいい感じですかね。胃とか胸の辺りが軽くなってると言うか、とても、楽な感じですかね」

和尚は正直、またこの誠の言葉に驚かされた。『このはじめての実習で、ここまで言える!』と。なぜなら、これはこの『ありがとう』の実習の成果のほぼ完成形だったからだった。

 

和尚は誠のその言葉に反応しかけたが、今日帰ってから現実の生活で体験してもらう中で、徐々にその気づきを得て、そのあとそれを思考で理解して落とし込むことが、最終の目的だったのであえて聞き流した。

 

「そうですか。気分がいい感じで、楽な感じですか。なるほど」

「誠くん、そんな感じがしたんや」

「気分がよくなるんですか!私にはさっぱりわからないです」

「私もさっぱり。私、鈍感なんかな」

 

「有里さん、瑞枝さん、誠くんはそう感じただけですから、有里さんや瑞枝さんはどう感じるかわかりませんよ。ひょっとしたら『私、幸せになってしまったわ。どうしよう、なんか居心地悪い感じ』と言うかもしれませんよ」

「私、そんなふうに居心地悪くなってみたいです」

「瑞枝さんはそこに反応するんですね。幸せになってしまったではなくて」

「あっ、幸せになって、そんなふうに・・・」

 

「瑞枝さんは、ストイックですからね。幸せになるにも厳しさが必要なんですよね」

「そんな厳しさはいらないです。幸せだけでいいです」

「瑞枝さんって、実はおもしろい人ですよね」

「(誠さん)私はぜんぜん、まったくおもしろくない人ですよ」

「誠くんも気づいていましたか」

瑞枝は、いつもの癖である口を尖らせあひる口をしながら困った顔をして、瑞枝以外その場が和やかな笑いで包まれていた。

 

「わからなくて大丈夫です。今日やってすぐに成果や効果がでたらみんな苦労しませんよ。だから大丈夫です。まずは実際に体験してみることが、今やってもらった実習の目的ですから。

 

さて、ここで終わってしまうと、今はできそうに思っているかもしれませんが、帰ってから思い出してもあやふやになってしまって、適当にやってしまって効果が落ちる可能性が大なので、

今やってもらった実習のやり方を理解して、さらに落とし込むために、より具体的なお話しを最後にしたいと思います」

 

つづく

次回明日10月16日(水)は、帰ってからの生活で有効活用する、

物語メソッド実践編:「実習をより具体的に落とし込む」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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