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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ 条件付けの幸せ

 

前回、瑞枝は和尚とマンツーマンで、マインドマップを完成させた。和尚はその言葉に淡白さがあったものの、これからたくさん幸せを引き寄せれば必然的に言葉の広がりもできると思った。

 

今回は、マインドマップのいろいろな言葉の実習をしていた有里と誠も瑞枝と合流して、次の実習をしたのだった。

 

 

「さて、みなさん、次の実習に入っていきます。これからする実習は、メソッドの実習ととても関連性があるので、理解して身に付けることを目指してください。

 

瑞枝さんには、これからするお話は、『私、ストイックになりたいんです』と、このお寺に来たときに話したことなんですがね。『条件付けする』話を覚えていますか」

(※ストイックとは、自分に厳しく動じないという意味。当時の物語に興味のある方は『メソッド物語(序編)』をお楽しみください)

 

瑞枝は、和尚に聞かれてどんな話だったかを思い巡らして、なかなか思い出せずに内心ドキドキしていた。

 

「あのときはまだ、記録的な猛暑でしたね。日傘も差さずに」

「和尚さん、恥ずかしいですからもうそれ以上言わないでください」

「あの頃と比べると、随分伝わってくる印象が変わりましたよね」

「和尚さんいいですって、もう」

「瑞枝さんには、おさらいも兼ねてこれからお話していきます」

瑞枝は思い出せずにいたので、内心ホッとしていた。

 

和尚は、瑞枝がここへ来たときは、『こんな心の弱い私は、ストイックになれば自分が変われる』、だから『私をストイックにさせて!ストイックにならせて!』と、思っていたことを思い出していた。

 

 

「さて、みなさん。みなさんは日頃、こんなふうに思いながら生活をしていないでしょうか。例えば、

『自分のやりたいことをすれば、もっと幸せになれる』とか、

『理想のパートナーと結婚をすれば、幸せになれる』とか、

 

『もっとお金があれば、幸せになれる』とか、

『もっと自分に自信があれば、幸せになれる』とか、

 

『きれいになれば、幸せになれる』とか、

『あのような人になれば、幸せになれる』とか、思っていませんか。

 

有里さんなんかは、お菓子の家が本当にあれば、私はどんなに幸せになるだろうかと」

 

「そんなに食い意地はってませんよ。家にお菓子があれば十分です」

「ハハハ、有里さん、ハッピーターンのバニラ味食べましたか」

「食べましたよ!パウダーも増量でめっちゃ美味しかったです!」

「知ってますか。秋になればチーズ味もでるんですよ」

「えーほんまですか!うわー楽しみ!和尚さんよく知ってますね」

「ハッピー王子が教えてくれたんです」

「へー、ハッピー王子かわいいですよね」

瑞枝は二人の会話を物珍しそうに、でもどこかで冷めて見ていた。

 

それに気づいた和尚は、

「ごめんなさいね、ついつい口がハッピーターンの味を思い出してしまって」

「お菓子の話はいいですから、話をしてください」

「瑞枝ちゃん、結構いうよねー」

「和尚さん、かわいくないですから」

和尚は、タレントのニューハーフの愛ちゃんの言い方をまねて言ったのだったが、瑞枝に一笑に付されてしまった。

和尚は苦笑いをしながら、有里の顔を見て目で同情を求めたのだった。

 

「話を戻しますと、私たちは日頃このような、

『~すれば、~になる』『~あれば、~になる』『~なれば、~になる』

という言葉を使っていることが多いんです。

 

それは『何かを手に入れれば、身に付ければ、自分は変わることができる。そうすれば幸せを手にすることができる』と、思っているのです。

 

つまり、『○○の条件を満たせば、変われる、幸せになれる』と思っているのです。

 

逆説的に言えば、『○○の条件を満たさなければ、変われない、幸せになれない』と思っているのです」

 

瑞枝はこの話を聞いて、ようやくあの時の和尚のいった話を思い出していた。

 

『確か、“こんな心の弱い私は、ストイックになれば自分が変われる”と思ってはダメで、えーっと、どう思えばよかったんだったっけ。これは条件付けの“変わる”で、あーなんだっけ、ほんま頭わるいわ』と思いながら、和尚の次の言葉を待っていた。

 

「瑞枝さん、みんなに簡単でいいので説明してあげてくれますか」

 

『えー!!わからない、わからない』

瑞枝は、教室で答えがわかっていないのに当てる嫌な教師を思い出しながら、下からすねるように睨んで和尚の顔を見たのだった。

 

つづく

次回明日11月15日(金)は、

メソッド実践編:「条件付けの幸せを求めると」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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