最終話:「私、自分らしく人生を生きます」
◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆
「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」
~私、自分らしく人生を生きます~
※はじめてこられた方は、
この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。
§ 私、自分らしく人生を生きます
約3ヶ月前のまだ暑い日に、『私、ストイックになりたいんです』と言って、マイナス思考という一人の女性、東山瑞枝が和尚のもとへやってきた。
その日の心理セラピーで、彼女は『私、自分らしく人生を生きます』といって、このメソッドの実習がはじまっていった。
しかし、彼女が生きてきた約28年の年月を考えると、しかもマイナス思考が習慣化された心は、その1日で終わるはずもなかった。
彼女の持っていたキング・オブ・マイナス思考は、
『自己否定』よりも強力な『存在否定』だった。
『自己否定』は自分を罰することが多く、その罪悪感を変容すればいいのだが、『存在否定』は自分の存在理由を否定することによる『無価値で無力』の状態だった。
しかも彼女の場合、心の思いを内に閉じ込めてしまっていた。
さらに彼女はチームに所属することを嫌い、自分と向き合うチャンスも閉ざしていた。
彼女の生き方は自分の『存在理由』を探しつつも、気がつけば自分が『無価値で無力』であることを証明するかのように、様々なマイナス思考を引き寄せていたのだった。
その積み重ねは、彼女に何度も『死の誘惑』が襲った。結果的に彼女の言葉を借りれば、『死にきれなかった』のだった。
その体験をした彼女が出した答えは、死さえもできなければ生きるしかなかった。それが、弱い自分がもっと強く生きること『私、ストイックになりたいんです』だったのだった。
そうして行動に移すのだが、例えると、地下10階に住んでいた人が、もうここでの生活は嫌だと地上1階に行こうとする。しかし、現実は気持ちだけが先行して地上1階への不安と怖れの葛藤が、また自分を地下10階へと引き戻し、また昇ることの繰り返しをしていたのだった。
ではどうすればいいのか。その助けとなるのが、自分の内なる欲求、内なる意志で行動できる「ありがとう」の言葉を使った実習だった。
「ありがとう」の言葉はポジティブな高い波動であり、それが自分の内なる力を湧き起こす力になって、地上へと導く情報を引き寄せていく役立つツールだった。
しかし、その感覚を取り戻すまでに、「ありがとう」の効果を信じて地下5、6階ぐらいまで昇るだけの自分への信頼が必要だった。(3日坊主という3の原理が働く)
それは、まるで神様がいるのなら、「あなたが本気であることがわかれば、私はあなたに力を貸そう」とでも言っているかのようだった。
私たち人は、得てして過ちをおかす。それは地上1階という目標が見つかっても、その原動力となる動機を、「地下10階での暮らしが嫌だから」と思いがちになる。
だから、心が折れそうになると、動機が心の外にあるので不安や恐れとの葛藤に多く負けてしまう。
でも、その動機が「内なる欲求、内なる意志」であるならば、心が折れそうになったり、不安や恐れへの葛藤があるときに、答えを外にではなく自分という内に求められるのだ。
自分の内に答えを求めるとは、「自分を信じるかどうか」と自分に問い続けることでもあるのだ。
地下5、6階までくると、人はここまで来たからと、もう後戻りできないと思い、前に進もうとする。
すると、どこからともなく、水を差しだす人や休憩するために椅子を差しだす人、英気を養うために食べ物を差しだしてくれる人など、地上1階までのたくさんの情報が集まり出してくる。人は、頑張ってる人を見ると応援したくなるのだ。
そして、地上1階に到達した時に、人は思うのである。
「多くの人の助けがあったからこそ、ここまで来れた」と。
そしてより容易にアシストしたのが、「ありがとう」の波動だったことを。
でも、実際の瑞枝は「ありがとう」の言葉の実習を日常でしたとき、「ありがとう」が浮かばない自分を最低だと責めて、実習を止めてしまった。
和尚は、ここに陥るはじめての経験だったので勉強になった。それだけマイナス思考が習慣化されている心の根深さを知った。
このメソッドの実習では、瑞枝のマイナスの波動をプラスの波動に引き上げることが実習の中心となっていった。
和尚にとっても予想外の展開だったが、有里や誠のサポートもあり、助けられながら、目標としていたところに最後は辿り着けたのだった。
「さて、みなさんともお別れの時間がやってきました。3ヶ月以上にわたってお付き合いをしてくださって、本当に感謝しています。正直、みなさんに学ばせて頂き、また気づかせて頂き、助けられてきた思いです。本当に心からみなさんに感謝いたします。
でも、これからが、有里さんがいってくれた、『大人の青春・第二の青春』のはじまりです。そのためのもみなさんの助けになるのが『ありがとうの』実習です。
これは、『人生の黄金律』です。
ただしく理解して身に付ければ、幸せにならないはずがないのです。
そして、今の波動の高い状態に『ありがとう』の効果が合わされば、必ず自分が望む人生を引き寄せます。
ただ、そのためには邪魔する観念(ネガティブな観念)をうまく処理することを、これからの体験の中で学んでいってください。物質的価値観の負の影響は、本当に私たちに精神的ストレスをもたらします。
みなさんが今体験している状態は、精神的価値観にもとづく状態です。その自分が主体となって、自律的動機の状態から、物質的価値観を選択する生き方をしていってください。
それが、精神的価値観と物質的価値観の統合であり、これからの新しい価値観になっていくからです。今はその過渡期であるがゆえに、私たちの自分軸が強く揺れ動く、混沌とした社会を生きているのです。
だから、精神的ストレスも受けやすいのです。
最後にもう一度お聞きしますね。みなさんのこれからの目的は何ですか」
有里が来たときに言った目的は、
『これからどうしたらいいのかわからなくて、生きるきっかけがほしい』だった。
「自分の子供にきちっと、『ありがたみ』の大切さを教えていけるような親になりたいです」
誠が来たときの目的は、
『和尚の話を聞いて、自分らしく生きることに興味があって、このメソッドを受けてそうなりたい』だった。
「自分が本当にやりたいことを見つ出して、人のために役立てることをしていきたいですね」
そして、瑞枝が来たときの目的は、
『マイナス思考をやめて、幸せになりたい』だった。
「結婚もしたいですが、マイナス思考が長かったから、
これからは『私、自分らしく自分の人生を生きます。幸せになります』」
「瑞枝さん、今幸せじゃないんですか」
「もっともっとです。もー、私をからかってばっかりで。
和尚さん、私のこと好きなんじゃないですか」
瑞枝は和尚の困った顔を見ながら、満面の笑みでしてやったりの顔をしたのだった。
おしまい
長きに渡りこのシリーズをご愛読いただきまして、本当にありがとうございます。 文章の構成が変だったり、言い回しがくどかったり、わかりにくい内容も多々あったと思います。そんな中でご愛読いただいたこと、本当に心よりお礼を申し上げます。
明日12月26日(水)は、
あとがきと題しまして「この物語を振り返って」をお話します。
※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。
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