20140414やる気

 

 

“こどものこころアドバイザー(心理セラピスト)”の
前中 光曉(まえなか こうぎょう)です。

 

 

あるお母さんが、 『HappyLuckyMe♪』を言うことによって、
『イライラから解放されて、自然な自分を取り戻した』 心理学的な解説
も加えた、その場限りの方法論ではなく、 日々のプロセスを重視して
物語にしたお話です。

 

 

題:『イライラから解放されて、自然な自分を取り戻す』
第九話:「柱に腕組みをして見つめる娘」

 

 

PTAの委員会があった日に、“Happy Lucky  Me♪”
連呼して帰ったことが、後で振り返って見ると、
『イライラから解放されて、自然な自分を取り戻す』
きっかけになったようだった。

 

 

お母さんは、今月末に迫った運動会のための資料作りに追われ、
夜は夫に帰って来てから手伝ってもらっていた。

 

 

「毎年運動会の当日、場所取りのために朝早くから保護者の人が
並ぶんだけど、その列が50mぐらいになって近所からうるさい上に、
道路の半分を占領するからクレームになってるのよ。

 

 

当日PTAの役員の人が誘導係で立つんだけど、地図で立つ位置を
もっとわかりやすくできないかと思って。とくに中ほどの家は、
毎年校長室に怒鳴り込んでくるそうよ」

 

「図がなくてもわかるんじゃないの?」

 

「それがね、はじめは誘導の人も立ってくれているんだけど、
しばらくしたらかたまってしまうのよ。だから、あなたの立ち
位置はここのエリアって図でしたいのよ」

 

「そこまでする必要かあるのか?口頭で言えば済む話じゃないのか。
保護者の意識の問題だよ」

 

「それが、みんな好きでやっているんじゃないでしょ。
だからうまくいかないみたなのよ」

 

「そんなのお母さんを立たせるからそうなるんだろう。
お父さんを立たせればうまくやってくれるよ」

 

「もーそうじゃないのよ。資料作りを押し付けられて、つくるからには
字ばっかりじゃわかりにくいから“おーすごいわかりやすい資料”と、
みんなに思わせたいのよ」

 

「そっち」

 

「ねーがんばってみてよ。コーヒーを淹れてあげるから」

 

さっそくお母さんは、コーヒーを淹れにキッチに向かい、
夫はテーブルの上のパソコンに向かって図を書き出した。

 

 

コーヒーを淹れてきてパソコンを覗き込んだお母さんは、

 

「すごいじゃない、どうやって図書いてるの」

 

そういって夫の横に座ると、パソコンを覗き込みながら肩を触れ合う
よう顔を近づけ、夫が作成する図に感心していた。

 

 

「ちょっと顔、近い」
「なによ、若い女の子だったら鼻の下伸ばしてるくせに」と、
一言余計なことを言ってしまうお母さん。

 

なにか心当たりでもあるかのように、自然と無言でパソコンに
向きあいパソコンに集中する夫。

 

 

傍から見れば、二人は仲睦まじく新婚ほやほやか恋人のようだった。

 

 

 

しばらくすると、
お母さんはなにか殺気のような強い視線を感じて振り向いた。

 

 

そこに見えたのは、腕組みをしながら柱にもたれかかっている
娘の澄(すみ)がいた。

 

「あら、そんなところでどうしたの」

 

「・・・・・・」

 

「どうしたの、そんな腕組みをして怖い顔をして」

 

「・・・別に」

 

「お風呂は?」

 

「・・・まだ」

 

「あっ、パパ忙しいからお兄ちゃんと入ってきて」

 

「・・・そんなのわかってる」

 

「どうしたのよ、そんなかっこうで。
なにかお兄ちゃんにいじわるされたの?」

 

「・・・別に、そんなんじゃない!」

 

「じゃどうしたのよ」

 

娘の澄はお母さんを睨み付け、大きく“ハー”とため息をつくと
腕を組んだまま踵を返し、部屋の扉を“バタン!”と勢いよく閉め、
お兄ちゃんのいる部屋に戻っていったのだった。

 

 

「澄、機嫌が悪いようだな。なにか言ったのか?」

 

「なにも言ってないわよ」

 

「えらい形相で、なんだかおっかなかったぞ」

 

「あんな怖い顔はじめてみた。どうしたのかしら」

 

不思議がるお母さんの横で、夫はもくもくと作業を続け、
部屋に入った娘の澄は口を尖らせ、お兄ちゃんに言うわけでもなく
小演説をはじめたのだった。

 

 

 

得てして、頼みベタなお母さんが夫にお願い事ができる
心の余裕が生まれると、その結果夫婦仲がよくなったりします。

 

 

そうなると、幼い娘のパパ独占が邪魔をされ、
反抗的な態度を見せたりしますが、

 

これは子供の自立への一歩であり、親の子離れの一歩でもあるのです。

 

 

『Happy Lucky Me♪』の 詳しいやり方は
ここをクリックしてください。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 

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