20140414やる気

 

 

“こどものこころアドバイザー(心理セラピスト)”の
前中 光曉(まえなか こうぎょう)です。

 

 

あるお母さんが、 『HappyLuckyMe♪』を言うことによって、
『イライラから解放されて、自然な自分を取り戻した』 心理学的な解説
も加えた、その場限りの方法論ではなく、 日々のプロセスを重視して物語
にしたお話です。

 

 

題:『イライラから解放されて、自然な自分を取り戻す』
第十話:「娘の燃えるようなジェラシー」

 

 

娘は、パパとお母さんの仲睦まじく新婚ほやほやか恋人のような姿を、
怖い顔をして腕組みをしたまま柱にもたれかかり見ていた。

 

 

そして、部屋の扉を“バタン!”と勢いよく閉めると、娘の澄(すみ)は
口を尖らせ、部屋にいるお兄ちゃんに言うわけでもなく小演説をはじめた
のだった。

 

 

「もうなによ、楽しそうにデレデレしちゃって」
「澄なに怒ってんだよ」
「ねえ、男ってみんなそうなの!」
「はあー意味わかんないよ」

 

「ちょっと女に優しくされるとデレデレしちゃってさ。
 顔が近くて嫌だったらのければいいのに、嬉しそうにしちゃって!」
「澄なに言ってるかわからないよ」
「どうせ男に言っても無駄なことよ。もー腹が立っちゃうわ!
 お風呂入ってくる!」

 

「一人でか?俺も一緒に入るよ」
「一人で入れるわよ!」
「おっかねー、お母さんにそっくり」
「一人で入れるからこないでね!」

 

小学校1年生の澄は部屋から出るとお風呂場へ向かい、
追いかけるように兄の渡(わたる)も部屋を出て、
助けを求めるようにお母さんに言った。

 

 

「お母さん、澄一人でお風呂に入るって言ってるよ。大丈夫かな」
「澄~、どうしたの。お兄ちゃんと一緒に入ってらっしゃい。
 ねえ、聞いてるの?渡、あの子どうかしたの?」
「まったく意味不明」

 

「澄、お兄ちゃんと一緒に入りなさい」
「・・・もう一人で入れる!」
「なに怒ってるの、澄は」
「わかんないよ。部屋に入るなりわけのわからないこと言い出して。
 男はいつもデレデレしてとか、男ってみんなそうなのって」
「なにそれ、どういう意味?」
「知らないよ。澄に聞いてよ」

 

「澄、パパもう終わるから一緒に入ろうか」
「・・・無理しなくてもいいわよ。お母さんのそばにいてあげて」
「・・・どういう意味?パパどういう意味?」
「さあ、わからん。まあ一緒に入ってくるわ」

 

そう言って、夫は澄のいる風呂場へと消えていったのだった。

 

 

「もうー、一人で入れるって言ったでしょ。
 お母さんのそばにいてあげたらいいでしょ!」
「澄はなにおこってんの」
「おこってない!そばにいてあげてっていってるだけ」
「なんか澄は、お母さんに言い方そっくりになってきたな」

 

「・・・・・・」
「こら、やめなさい」

 

澄は、“お母さんと一緒にしないでよ!”と言わんばかりに、
急に湯船のお湯をこれでもかと掛けたのだった。

 

「澄、パパ息できないじゃないか、もう止めて」
「・・・バツよ」
「えっ」

 

ようやく澄からの水攻撃が終わり、顔の水滴を手で拭うと
「なんのバツ?パパ澄になんか悪ことした?」

 

「・・・ねえパパ!パパは澄とお母さん、どっちが好き?」

 

「えっ!」

 

(なんてこと聞く!あの子の反抗的な態度は、ジェラシー?
 こういうときは、どう言ったらいいんだっけ。
 澄とお母さんの両方はまずいんだっけ。
 こういうときは、“もちろん澄だよ”って言うんだっけ)

 

「ねえ、どっち!」

 

娘の射るような眼差しにタジタジになりながらも、

 

「澄が大好き。お母さんも同じぐらい大好き。渡も大好き。
 みんな同じぐらい大好き」

 

それを聞いた澄の目は真っ赤になり、

 

「・・・パパ嫌い」と言って泣きだした。

 

 

その言葉を聞いた瞬間、お風呂のお湯が、
まるで真水に浸かって凍りつくような気分になった。

 

 

オロオロするパパ。そのとき澄が、泣きながらパパの首に手を
回して抱っこされるように泣いたことで、パパは救われた気がした。

 

 

それでもパパは、気が気でなかった。

 

なぜなら、娘から 『もうパパとお風呂に入るのは今日が最後ね』
という言葉を突きつけられるのではないかと、内心びくびくしていた。

 

 

この瞬間は、父親にとって大好きな女性から一方的に
別れ話を言われる以上に、応えるものだった。

 

 

子煩悩なパパで知られるタレントの“つるの剛士”さんもTV番組で、
娘からそう言われるのが怖くて、自分から娘とお風呂に入るのは止めた
と言っていましたが。

 

 

次回は、さらに女性の心理についてお話したいと思います。

 

 

『Happy Lucky Me♪』の 詳しいやり方は
ここをクリックしてください。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

 

 

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