「物語の続き」

 

彼女からメールの返事がこないことに、私は強気にも「物語完結しときました♪笑」と、吉と出るか凶と出るのかと思いながら、彼女にメールを送ったのでした。

 

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仕事が終わり職場を出ると、その女性はまた朝の寒さを思い出したかのように外の寒さを感じながら、駅へと急いだ。いつもながらに疲れた足取りは重く、寒さがその重い足取りを早足にさせ、もう少しで駅に着こうとしていた。

 

角を曲がった女性は、目の前に見慣れた男性が立っているのを見つけて驚いた。

 

「なにしてるの?びっくりしたやん!私のこと待ってたん?」

「まぁ、ゆか(仮名)に忘れ物があったから…。」

「忘れ物?なになに。」

 

男性はカバンから小さな箱を取り出した。その箱には、

『冬季限定。とろけるチョコでくるみました。カルボボール。ひとくちの贅沢。』と、

チョコボールにたっぷりのココアパウダーが写っていた。

 

「なにこれ?」

「昨日コンサートが始まる前に売店行った時に、ゆかが美味しそうに頬張る笑顔を見たくって買ったんだけど、戻って来て顔を見たら買ったことも吹っ飛んじゃって…。」

 

「えっ!それでわざわざ!」

「持ってても食べないし…。」

「また今度会った時でよかったのに…。」

 

「そうやったなぁ…。」

「でも美味しそう!一つ食べてもいい?」

「えっ!あっ、いいよ。」

「ワァー美味しそう!」そう言って、ゆかは嬉しそうにカルボボールを頬張った。

 

「美味しい!ほんまにひとくちの贅沢やわ!まさくんありがとう。」

「まさでいいよ。」

「まさありがとう。」

ゆかはかじかんだ手の寒さも忘れて、満足した笑顔をまさに向けていた。

 

そして「心まで温まる!」と言って、ゆかは外の雨の寒さを感じさせないぐらいの温かい笑顔をしていた。

 

「くしゅん!風邪引いちゃたかなぁ。バカは風邪引かないのにね。」

「はくしゅん!バカは風邪引かんのになぁ!」

「これがほんまの大バカやね。」

 

「上手いこと言うなぁ!周りから見たら俺たちバカップルやで!」

「大丈夫!二人風邪引いたみたいやから!」

「ヒュー!座布団三枚!」

「それより早く暖かいところに行こう!ほんまにバカップルになってまうよ。」

 

二人は気づいてなかった。すでにバカップルだと言うことを!

これからまさ&ゆかコンビは、どんな珍騒動を引き起こすのか、楽しみでもあったのだった。

つづく? (笑)

 

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しばらくすると彼女から、

「ハハハ~そんなオチだったのね~♪しかし、文章書くのめちゃ上手やね。小説とか好きなの!?」と、返信があったのでした☆

 

次回6月13日(木)「初の食事デート」につづく

 

 

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