物語メソッド実践編:「和尚の口車」
◆心の底から自分らしく生きるメソッド(実践編)◆
「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」
~私、自分らしく人生を生きます~
§ 和尚の口車
前回は、有里のお笑いセンスにみんなが爆笑して、場がさらに和やかになった。和尚は『感謝の日記帳』を効果的に落とし込しこもうとしたが、場の雰囲気の意識が拡散している感じがしたので、簡単にできる動物の心理ゲームを使って各々の自己分析をして、心に向き合うようにしたのだった。
休憩の後、和尚は、
「さて、これから『感謝の日記帳』の効果的に落とし込む前に、各チームのメンバーをさらに理解するために、簡単な心理ゲームをしたいと思います。本当に簡単な動物の心理ゲームです。初対面の合コンなどで、早くみんなが打ち解けることにも役立つ代物です」
和尚はそういって、有里、誠、瑞枝の順に話を振っていった。有里と誠の番が終わり、瑞枝の番になった。
「では、瑞枝さんの番です。目の前に草原があると思ってください。どんな動物が浮かびますか」
「かばです。かばってテレビでみてすごいんです」
「かばといえばその性質・特徴を三つ」
「意外と思うかもしれませんが、足が速いんです」
「二つ目は?」
「噛み砕く力がすごいんです」
「口がすごいってことですね。三つ目は?」
「がばって泳ぎも上手くて、水陸両方で速くて、器用なんです」
「では、二問目。今度は目の前に家畜・ペットがいると思ってください。それはなんですか」
「ひつじ」
「ひつじといえばその性質・特徴を三つ」
「お母さん。ふわふわ。毛を刈られる」
「では最後。目の前に大きな白いスクリーンがあると思ってください。そこからなにか出てきました。それは何ですか」
「二つ出て来たんですけど、一つは貞子。もう一つお花です」
「別々に貞子とお花と言えば」
「貞子は、怖い。顔が気になる、毛が前に垂れている感じとか。髪が長い。
お花は、 きれい。いい匂い。あたたかい。それと手間が掛る」
◇整理をすると、
1.『かば』:と言えば『足が速い。口がすごい。器用』
2.『ひつじ』:と言えば『お母さん。ふわふわ。毛を刈られる』
3.『貞子』:と言えば『怖い。顔が気になる。髪が長い』
『お花』:と言えば『きれい。いい匂い。あたたかい。手間が掛る』
「なるほど。それでは、この三つの質問の答えです。
一つ目の草原は『自分が他人からどう思われているか』です。
二つ目は『自分が自分のことをどう思っているか』です。
三つ目は『自分は他人からどう見られたいか、思われたいか』です。
それでは、私も入って、有里さん、誠くん、瑞枝さんの順に質問と答えを踏まえて、感じたことをシェアー(分かち合う)し合いましょう」
有里からはじまり誠と続き、和尚も解説を加えながら話は盛り上がった。そして、次は瑞枝の番だった。
「かばやったね。『自分が他人からどう思われているか』瑞枝ちゃんどう当たってる?」
「そうですね・・・、逃げ足は速いかも」
「ふ~ん、でも器用そうやよね」
「不器用かと言われたらって感じですけど」
「口がすごいってなんやろう。大人しそうに見えて実は結構言うとか。噛み砕くとか言ってたからすごかったりして」
「慣れたら結構よくしゃべるかもしれないです」
瑞枝はすぐには思い当たる節は浮かばなかったが、一瞬なにか心を見透かされたような気がした。
「ひつじは?『自分が自分のことをどう思っているか』お母さんというぐらいやから、母性が強くて面倒みがいいのかな。どう?」
「そんなふうになりたい気持ちはありますね」
「ふわふわは、なんやろう。ふわふわって感じじゃないもんね」
「私もよくわからないです。ひつじのふわふわっとしたイメージですから」
「うーん、和尚さんはどう思います?」
「イメージしにくいね。気持ちがふわふわしてるってことは、落ち着きがなくていつも心ここに非ずってそわそわしてる感じかな」と言って、和尚は瑞枝がその言葉に反応していることに気づいていた。
「ふうーん、なるほどね。毛を刈られるって、ひつじのイメージそのままやね」
「もう思ったそのままの、毛を刈ったあとのひつじって感じです。毛を刈って売れますけどね」
和尚は心の中で『ほんとの私はいつもふわふわの着ぐるみを着ていて、それを脱いだ本当の私は、あの毛を刈られたようなひつじがほんまの私なんです』と思ったが、心に留め置いた。
「そうやんね、ひつじの毛ってウールで合成繊維と違って高いもんね。瑞枝ちゃんって、実はいっぱいすごいもの持ってる金の卵を産むニワトリかもしれへんね」
「有里さんいいこというね。同感。ほんとは自分の毛の商品価値をわかってて、それが市場に出てしまうと注目されるのが怖いから、私の毛は商品価値がありませんっていうふりしてるんだと思う。
そういう意味では、有里さんの舞台に立って人前で注目を浴びのが怖いというのと似てるね」
「うわ、ほんまですね。私ら似てるんですね。ビビり有里とビビり瑞枝。二人合わせて“びびりまくり”って感じやね」
「有里さんの(タレントのビビる大木に掛ける)そのボキャブラリー本当に凄いね」
「しょうもない(くだらない)ことはよく思いつくんです」
「いやーそれも才能ですよ。瑞枝さんも本当の自分はすごい人なのに、もったいないと思いません?」
「うん、ほんまにもったいないわ。かわいいし。きれいし。スタイルもいいし。ファッション誌に出てきそうな女性の雰囲気もあるし。私もそれぐらい背があって、中身がおっさんちゃうかったらって、ほんま羨ましい」
「全然私そんなんじゃないですから。ほんまに本当の私を知らないだけですから。高いヒール履いてるからそう見えるだけです。ほんとに私はなんにも取り柄のない人間なんです」
瑞枝はそう言いながら、
『有里も誠も和尚の口車に乗らされて調子のいいこと言っているだけ』と不信に思う自分に、『私はそんな女なんですよ。あっかんべー』と心の中でしたかどうかは、本人のみぞ知るのだった。
つづく
次回明日10月6日(日)は、
三つ目の「貞子とお花」の解説、
物語メソッド実践編:「二つの心の思い」をお話します。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆
※この物語の後半は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。
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