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◆心の底から自分らしく生きるメソッド(実践編)◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

§ 和尚の真実の心

 

前回、瑞枝は和尚との些細な会話のきっかけから、自分の心の内を和尚にぶつけることになった。そして瑞枝は、和尚のことを信じていないまでも口にしたのだった。

 

和尚は、じっと目を見つめる瑞枝の瞳の中に、怒りではなく悲しみを見た。そして、また気がつけば瑞枝に話していた。

 

「あんたは幸せになれる。あんたは幸せにならなあかん人や!(あなたは幸せにならないといけない人だ!)」

「なんでそんなことが言えるんですか。こんな最低な人間になんでそんなことが言えるんですか。なんでこんな私にそんなことを言ってくれるんですか。私にはわからないです・・・」

 

「あなたが私を癒してくれたからだよ」

「私はなんにもしてないです。そんなことできる私なんかいません!」

「瑞枝ちゃんは、私のポジティブな影に隠れてずっと見ないで嫌ってきた、悲しみの海という闇に光を当ててくれたんだよ。

私は、あなたにこの前も伝えたけれど、正直瑞枝ちゃんのようなタイプと深く関わるのは苦手だった。はっきりいって避けてきた。

 

でも、あのときの私は、勝手に言葉が浮かんできて、そして気がつけばあなたに話していた。

話した言葉はあまり覚えてないけれども、私の亡くなった母のことをあなたに話していた。 あのとき、私の中で、母にどうしてあげたらいいかわかっていたのに、素直に向き合えなくてしてあげてこなかった気持ちを思い出した。

そして、あなたに話していたとき、その自分を責めていた罪を本当にゆるされた気がした。そのとき、その思いを今度は多くの人にしてあげなさいと言われている気がした。

それが母からのメッセージだと思った。

 

そして、あなたを見たとき、私もあなたと一緒に泣いていた。

あなたの瞳から流れてくる涙を見て、本当にきれいな涙だと思った。その涙に本当に美しさを感じた。あのときもあなたはティッシュを断ったね。

私は気がつけばあなたの流れる涙を、指で何度も拭い去っている自分に気づいて驚いた。そんなこと、誰にも今まで一度もしたことがなかったから。

 

そしてそこにいるあなたを見て、本当に慈しみ深さを感じた。そこにいるのは本当にキラキラした魅力ある一人の女性だったから。そうしたら、あなたにたくさんの価値や才能が私の中で見えた。そのとき本当にこの人は幸せになれると確信できた。

不思議というより、すべてが神秘的な体験だった。

 

私は、あなたに母が持っていた悲しみや苦しみや辛さを感じた。あなたとの不思議な巡り逢わせに、あなたを私に遣わしたのだと思った。私のさらなる学びのために(自己成長のために)。

だから私は、あなたにモニターをお願いした。あなたの幸せは、私の幸せでもあるんだ。あなたが信じようと信じまいと、それはべつに構わない。

ただ私にとっては、この体験して思った気持ちは真実だから。誰がなんと言おうと変わらない真実だから。

 

正直これからどういうプロセスを踏んでいくかはわからない。ただ、その道筋はこのメッソドが示してくれる。今、有里さんや誠くんがいるけれども、この先もみんなが一緒の状態で進むわけではない。本格的な実習がはじまれば個人の心の準備の状態によってプロセスが進んでいく。

 

自分の心を知り、自分と向き合う準備ができている人は、自分がどうすればいいかを知っているから、やる意味を理解すれば、私が描いているところにより早く到達できるだろう。

でも正直、自分の心を知り自分と向き合う準備ができていない人にとっては、そのタイミングを知るまで時間が掛るかもしれない。けれども、そのタイミングはやっていけば必ず来る。

それは、自分が幸せになる決意の度合いに比例する。

 

今、不安かもしれない、信じられないかもしれない、怖いかもしれない。

それに打ち勝つためにも、日々のありがとうで自分のエネルギーを高めた状態をつくることが大事になってくる。

なぜなら、それは生きるためも原動力になるから。それを身に付けることは、自分にいい流れを引き寄せてくるから。その人生のいい流れに乗りやすくなるから。

 

いつも気持ちが疲弊していたり落胆している状態だったら、そこには流れは起こらない。何かをしようとする気持ちもほとんど湧いてこない。

そこにチャンスがあっても掴むことすらしない。なぜなら、チャンスという“動”よりも、安息という“静”が一番ほしいのだから。

 

誠くんが言ったように『無理しなくてそのままでいい』。瑞枝さん、あなたのペースでやっていけばいいんだ。

ただ、そのためには進むべき道は示されているけれども、なんのためにその道を進むかの目的がわからなければ、人は心も体も動かないし心迷い道に迷う。

それでなくても瑞枝さん、あなたは、極度の方向音痴で道に迷いやすいんでしたよね。道を覚えるまで、みんなと一緒にここにいなさい。怖いもの知らずの誠くんが、またコメントくれるから」

 

瑞枝は、溢れる涙のまま癖である口を尖らせあひる口をしながら、「怖いもの知らずってどういうことですか」と言って、優しい目で和尚に微笑んだのだった。

 

瑞枝はこのときはじめて、和尚に本気で心の扉を開いた気がしたのだった。

 

つづく

次回明日10月12日(土)は、「感謝の日記帳」をする具体的な意味について、

物語メソッド実践編:「感謝と言うありがたみ」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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