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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ ねたみそねみ(嫉妬)

 

前回、瑞枝は部屋から境内に出て行った理由をはぐらせようとしたが和尚に見抜かれ、瑞枝はもういい加減自分のマイナス思考から抜け出したいと思った。和尚は、瑞枝がはぐらそうとした理由を引き起こした気持ちについて、話そうとしたのだった。

 

瑞枝は和尚に「瑞枝さん、ひよこを探すまでは普通だったのに、なぜそのような気持ちになったかわかりますか」と強い眼差しで見られて、聞いてみたいと思った。

 

 

「これから瑞枝さんのマイナス思考のパターンを見ていきますね。 まず、ひよこが見つけられないところから始まりましたよね。そして『私はこんなもんでから』と言いました。そう思う理由があるとしたらなんだと思いますか」

 

瑞枝は聞かれると思わなかったので躊躇して、思ったまま言葉にした。

「なにをやっても自分は上手くいかないから。自分が劣っていてダメな人間だから。いつもこうだからこんなもんだから、です」

「瑞枝さんは、なんでかということを結構わかってるんですね」

「もうこんな自分が嫌ですから。だからそんな自分をやめたいんです」

「わかりますよ。ほんとうにつらくてしんどいですもんね」

「はい、しんどいです」

 

和尚は瑞枝が変容する(癒し解放する)様々な思いを巡らし、この場での最適な方法を探っていた。そして、あることに焦点を当てて瑞枝に話した。

 

「瑞枝さん、ずばり聞きますけど、有里さんに苦手意識がないですか」

瑞枝は『えっ!』と思いながらも、有里のようなタイプは正直苦手だった。

 

「私が瑞枝さんを見ていると、有里さんに競争意識があるというか、自分に持っていないものを有里さんに感じて、それを羨ましく思っていませんか」

瑞枝は有里に対して気を遣って言葉を選んでいたが、もうそんなことを思う自分がつらくなってきて、思ったことを言おうと思った。

 

「羨ましいというより、うっとうしい感じです」

有里はその言葉にショックな表情をしていた。

「そのとおりです。なぜうっとうしいと感じるかわかりますか」

「・・・・・・」

 

「羨ましい気持ちを超えて、ねたみそねみと思っているからです。つまり嫉妬です。自分よりすぐれていると思う相手にねたみ嫉妬しているんです。

だから有里さんの振る舞いなどがムカムカ、イライラしたような腹立たしい気持になりながらも、結果的に自分が劣っているからだと自分を罰するんです。有里さん瑞枝さんを責めたりしないでくださいね」

「有里さんごめんなさい。最低な人間で・・・」

「有里さん、人はそのようなことを言われるとショックですが、ここに気づいてくださいね。瑞枝さんがなぜそのように思わなければならないかを。

さて、瑞枝さん。有里さんのどんなところに嫉妬していますか。どんなところを羨ましいと思っていますか」

 

「明るくて、誰とでもすっと話ができて。優しいし、親切だし、心が広いし、きれいでかわいいし。私と違って心がきれいし。女性としてすべてのものを持ってる感じです」

「瑞枝さん、面白いことをお見せしましょうね。有里さん、瑞枝さんはあなたのことをそんなふうに見ていますよ。女性としてすべてのものを持っていると」

 

「そんなことないねんて。わがままやし、けっこうきついこと平気で言うし。優しくないし、女性らしくないし、ほんま中身おっさんやからそんな本性わかったらそんな自分が嫌われるん怖いし。ほんま瑞枝ちゃんが思ってる私ではないねんて」

「瑞枝さん、おかしいと思いませんか。瑞枝さんが羨ましくねたみそねんでいる本人は、自分のことを全くそう思っていないんですよ」

 

「なんでですか。有里さんはほんまに女性らしいし優しいし」

「ほんまにそんなことないねんて。瑞枝ちゃんの方が、かわいいし、きれいし、スタイルいいし、優しい、素直やし、私がほしいもん全部持ってるねんで」

「そんなことないですよ!私ほんまに素直じゃないし、優しくもないし、スタイルなんかよくないですよ。きれいでかわいいなんて言われたことないですよ」

「ぜったい嘘やわ!男にモテるし、私よりかわいいって思われてるわ。私と二人並んだら、絶対男は瑞枝ちゃんを選ぶわ」

「私なんか全然モテませんよ。男の人は私なんかより、有里さんを絶対選びますよ」

 

「ストップ。瑞枝さん、有里さん。お互いがいかに自分のことを最低な女性でもてないかということがよくわかりましたよ」と言って、和尚は笑った。

 

「気づいてくださいね。お互いがお互いの価値を羨ましく思っていて、お互いが自分のことを最低だと思っていることを。なぜそんなふうなことが起こると思いますか。それは、私たちは、誰かと比較して比べたり、比べられたりしているからです。

そして、自分に自信がなかったり、人格形成の発達途中の子供の頃や思春期の頃にそう強く思ったり、思い込んでしまったりするんですね。なぜなら、人は自分の存在価値や存在意義を求めて、自分というものを確立しようとするからなんですがね。

 

さて、ここで二人が互いに誤解し合っていることを理解して、二人が互いに思っている価値を自分に取り戻しておきましょう」 そう言って、和尚は二人にこれからある実習をしてもらおうとしたのだった。

 

つづく

次回明日11月3日(日)は、瑞枝と有里の和解のために、

メソッド実践編:「互いの価値を取り戻す」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

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