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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ もう隠せない自分の心

 

前回、瑞枝は誠の意味不明は行動によって、取りあえず部屋に戻って来た。そして有里の振る舞いと行動にイラつき、自分の気持ちが白けていくのを感じた。瑞枝は椅子に座るとスマホを見て、ひよこちゃんを探し始めたのだった。

 

瑞枝はイライラしてムカついていた。そして、『なにがなんでもひよこちゃんを見つけてやる』と、スマホの画面に見入った。

 

その状況に圧倒されるように和尚を含めた三人は、静かに瑞枝のひよこちゃん探しを見守った。

 

「いた!」ものの1分も掛らず、瑞枝はひよこちゃんを探し当てた。

「おったん、ものすごく小さいし景色の色に混じってわかりにくかったやろう」という有里の言葉に、

『すぐに見つけたくせに、なにわかったようなこと言ってるん。このみんなの喜んだ空気って、できそこないでかわいそうな私に同情?なにみんなのその同情した目。どうせ本心からでないくせに』

瑞枝は、ひよこちゃんを見つけたときのあのちょっとした喜びは完全に消え去っていて、まるで義務で仕事を終えたかのように淡々とした表情をしていた。

 

和尚は、瑞枝の淡々とした表情に、『言われたとおり見つけたで!』と、言わんばかりの表情をしているように見えた。

 

瑞枝は、誠が持ち帰っていた自分のペットボトルを、一仕事終えた喉の渇きを潤すように美味しそうに飲んだ。

 

和尚はこの状況を見て、このまま思考を使って自分を見つめる実習をしても、瑞枝は思考で淡々とこなして、自分の心と向き合わないと思った。ここは今瑞枝が感じているネガティブな感情と向き合い、感情を変容(癒し解放する)しておくタイミングだと思った。

 

 

休憩を終えて、実習に戻ると、和尚は3人の顔をゆっくりと見ながら話し始めた。このとき瑞枝は、自分がモニターをやめて帰ろうと思っていたことなど、すっかり忘れていた。

 

「瑞枝さん、今の気分はどうですか」

「普通ですけど」

「先ほど外へ出て行きましたが、あのとき自分の中でどんな感情を感じていたのですか」

「別に・・・ただ外の空気を吸いたくなって外に出て行っただけですから」

「そうでしたか。部屋でずっといると息が詰まるような感じになりますからね。でも、私には、まるでトイレが我慢できずにトイレに掛け込むように、小走りで境内を横切ったように見えたのですがね。あそこには、トイレなどないのに」

和尚はそういって、瑞枝の反応を見た。

瑞枝は、見られていたと思いながら適当な言葉が浮かばず、次の言葉を探していた。

 

「誠くん、瑞枝さんを呼びにいってもらいましたが、瑞枝さんはどんな感じでしたか」

誠は和尚に言われ、そして瑞枝を見た。瑞枝は誠がなにを言うのかという表情で見ていた。 誠は、瑞枝の顔を見て和尚に言った。

「そうですね、外の空気を吸って気分転換してた感じでしたかね」

「じゃ誠くんと瑞枝さんと二人で、楽しい会話をしてたんだ。ひょっとして、今日の帰りに一緒にご飯を食べる約束とか」

 

瑞枝は『え!誰がこの変な男と、一緒にご飯を食べにいくわけないやん』と思い誠を見ていると誠が、

「いえいえ、そんな話なんかしてないです。ただ疲れた?とか、単なる世間話です」と言って、和尚は誠の目が泳いでいるのがわかった。それに二人が戻って来た雰囲気を見ても、世間話がはずんだ感じではなかった。

 

「瑞枝さん、モニターやめて帰ろうと思ってたでしょう」

瑞枝は和尚の質問に、顔が引きつったように目を大きく見開いた。そして誠は和尚の言葉を聞いて『えっ!』と、わかりやすい表情をした。

 

「それとも、もうこんな自分は最低、消えてなくなりたいと思っていたのかな。ね、誠くん」

誠はその言葉に図星と言わんばかりの顔の表情をして、

「さあ、そんなふうにはみえなかったですけど・・・」と言って瑞枝を見た。

 

『嘘がへた。それよりこれって、私が嘘をついてかばわれてる感じになってるけど、私なにも嘘ついてないし。なにか私が隠し事してるみたいやんか』

「誠さん、私なにかかばわれてるみたいですけど、思ったこといってくれたらいいですから。和尚さんの言うとおりです」

誠はその言葉を聞いて胃が縮む思いがして、瑞枝を見た。

 

「どうやら瑞枝さんは、そこの感情に引きこもるのが好きなようですね」

『誰が好き好んでそんな気持ちになりたいのよ!こんな自分が嫌で嫌で仕方がなくて、そこから抜け出したいと思っているのに。もうほんとそれだけでいいから抜け出させて!』と思いながら、瑞枝は和尚の顔を睨むようにじっと見た。

 

「瑞枝さん、ひよこを探すまでは普通だったのに、なぜそのような気持ちになったかわかりますか」と言って、和尚は強い眼差しで瑞枝の目を見たのだった。

 

つづく

次回明日11月2日(土)は、瑞枝の持つ羨望・嫉妬の心、

メソッド実践編:「ねたみそねみ」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

 

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

 

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