DSC_2470

 

◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ こんな私でいいんだ モニター誠編

 

 

前回、和尚は有里にメドッドの実習をした。有里は若い頃は自分のことが嫌いだったそうだが、様々なことを乗越えて、今ではだいぶ自分のことが好きになれていると言っていた。

有里は自分の内面的なことから、「自分はこれからなにをしたいのか」、その不安の観念がでてきて、有里は社会の観念に視点を当てたメソッドの実習になったのだった。

 

今回は、瑞枝、有里ときて、誠の番だった。和尚はこの3人の中で一番時間が掛るだろうと思いながら、メドッドの実習をはじめたのだった。

 

 

「さて、誠くんの番ですね。有里さん、瑞枝さんとやったので、やり方はわかりましたよね。それでは実習をはじめていきましょう」と言うと、誠は「こんな私でいいんだ」と連続で言った。

 

和尚は、誠がいつも客観的に頭でものごとを捉える習慣になれているので、自分の隠れている潜在意識に意識を向けて感情を感じることにバリアみたいなものを感じていた。

 

やっていくと伝わらないのだが、やはりなかなか自分の感情には入っていかず、頭で実習をしている感じが伝わってきた。

 

 

和尚はズバリ言った。

「頭で理解して、理解しながらやろうとしていますよね。まずは、『頭で理解してやっている』と、その観念を変容しましょう」と言って、誠に言ってもらった。

 

どうしても、日頃の習慣の中で論理的な思考を求められる環境にいると、このパターンにぶち当たるのだった。

 

ただ誠は、自分なりに心の勉強をしたり、心と向きあることを少しはしてきたようで、和尚は要所ごとに、誠の感情の琴線に突っ込んでいった。

 

 

和尚は誠に言った。

「なにか自分を強く見せよう、いい人に見せようと感じるのですが、どうですか」

「あると思います」そう言って誠は、和尚から目線をそらした。

 

和尚は「そう思うところがあったら、そこの観念を変容しておきましょう」と言って、誠に『自分はいい子ちゃんだ』と言ってもらうように言った。

 

誠はその言葉になにか反応したようで、言いずらそうに言った。

そして、言う間隔が開きだして、言葉が返って来なくなった。

 

 

和尚は誠の顔を見ながら、出てくる感情を我慢して自分の中で処理しようとしているのがわかった。

 

「誠くん、自分の感情に入らずただ言葉を言い続けてください。『自分はいい子ちゃんだ』と」

 

誠は和尚に言われて言いはじめたのだが、すぐに言葉に詰まった。

 

和尚は、ただ言葉を言うように促した。そう言うことは、さらに誠が『自分はいい子ちゃんだ』に意識を強めることになっていた。

 

そんな情況を見ていた和尚は、『こんな私でいいんだ』の言葉に戻って、その言葉を言うように誠に言った。

 

 

誠はちょっとホッとして『こんな私でいいんだ』と言ったつもりだったが、『自分はいい子ちゃんだ』と思っている感情に、さらに『こんな私でいいんだ』とその感情を肯定し強調することになり、感情が込み上がって来たのが、和尚にはわかった。

 

和尚は何度も誠に『こんな私でいいんだ』と言うように促した。和尚は一昔前の自分を見ているかのように誠を見ていた。それだけに、誠の気持ちがよくわかった。

 

『こんな私でいいんだ』と誠が言う度に、苦虫を噛んだように顔を歪めながら、一所懸命自分の感情をお押し殺そうとしていた。

 

和尚はそんな情況を見て言った。 『もう我慢せんでもいいで。もう我慢するな』と言うと、誠は鬼の形相ではないが目をギョロっとさせて、和尚に怒りの目を向けた。

 

あの怒りの目は、普段では決して表に出さないであろう感情だった。そんな自分を人に見せるのが人一倍嫌いで怖れていた感情だった。

 

誠は怒りで肩を震わせながら、和尚を見つめていた。

 

 

和尚はその感情を出しやすくするために、わざと大げさに興味がないように有里と瑞枝が実習をしているのを見るかのように無関心を装った。

 

すると、誠の怒りのエネルギーがビシビシ和尚に伝わってきた。和尚は有里と瑞枝の方を向いたまま、『こんな私でいいんだ』と言ってと適当にあしらった様な言い方をして、誠の怒りに油を注ぐように言ったのだった。

 

『うおーーーーー!!』と、誠が吠えだした。

 

誠は今まで溜め込んできた我慢の怒りを放出するかのように、前かがみになりながら和尚の足元に向けて、怒りの雄たけびを二度上げたのだった。

 

和尚は改めて、誠の内に秘めたエネルギーの大きさに、もの凄いパワーの持ち主だと感嘆しながら、『これを自分の人生の目的に向けたら凄いな!』と思いながら、誠の苦しみからの解放の声を聞いていたのだった。

 

 

和尚は放心状態になっている誠に向かって、(意識を)戻って来て『誠くん、こんな私でいいんだと言ってください』と言って、誠の目を見た。

 

誠は和尚の言葉に反応しながら、徐々に意識を取り戻すかのように落ち着きを見せ、そして、『こんな私でいいんだ』と言ったのだった。

 

和尚は自然と笑みがこぼれ、本当に心地よくその言葉が心に入ってきた。和尚は誠が自分の意志で意図的にその言葉を伝えられるまで、何度もその言葉を言うように促した。

 

和尚は誠の力強くて意志の伝わる姿を見ながら、『おー男になっとる。中性の誠が男に大変身や。有里と瑞枝もこのエネルギーを感じたら、男を感じるだろうな』と、心でニンマリしながら、誠の言葉を心地よく聞いていたのだった。

 

 

9月から書き始めたこのメソッドの物語も、終わりに近づいてきました。明日は、この言葉の他に残りの4つの言葉を終えた後の振り返りのお話をしたいと思います。

 

つづく

次回明日12月21日(土)は、

メソッド実践編:「人ってこんなに変わるんだ」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です