20140414やる気

 

子供がほんとうにほしいもの(物語)完

 

 

子供は得てしてとても敏感。特に下の妹は、
お母さんの気持ちを無意識に察して、

 

『お母さんに迷惑掛けているから、私はいなくなった方がいいんだ!』
と思い、気がつけばどこともなくさ迷い歩いていたのだった。

 

 

このような時というのは、ほんとうにわずかな隙を偶然が重なり合うように、
子供を見失ってしまう。

 

 

まるでなにかに導かれた神隠しのように。

 

 

無事母親の元に戻った愛ちゃんは、母親からこっぴどく怒られた。
どれだけ心配をかけて、さらに人様に迷惑をかけたことに対して。

 

 

そして子供は思うのである。
「やっぱり私は大好きなお母さんに迷惑をかけるいけない子。
いなくなった方がいいんだ」と。

 

 

私たちは、知らず知らずのうちに良かれと思いながら、
体験して知り得た大人の物差しで、やった結果に対して怒って
しまいます。

 

 

なぜそういうことをしたのかを理解することを忘れて。

 

 

子供にとって愛する人との楽しい想い出の時間。
それは、安心で安全を感じる親密感の度合。

 

 

その親密度の想い出の時は、それが例えわずかな時間であったとしても、
大人になってもいつまでも永遠にずっと心に生き続けているのである。

 

 

*******

 

 

ゆかとマサはそんなことを思って歩いていた。いつしか二人の肩が
触れ合うそんな親密さの温もりのなかで、二人の想い出を心に刻み
ながら遊園地をあとにしたのだった。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。

 

 

 

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