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 この物語は、単なる少女恋愛コミックとして書いたのですが、私の人生のプロセスに必要なメッセージが、

 

この「エピローグ」の後に、「もう一つのエピローグ」=「亡くなった母からの伝言☆」という形で追記した愛と心のセラピーの結末になっています。
  
※この物語はすべてフィクションであり、実際の人物・団体等とは一切関係ありません。

 

 
 プロローグ『仮名:桜井恭子(21)の場合』

 

「もう恋愛はうんざり。男なんて所詮身体だけが目当てで、もう私は身も心もボロボロ。優しく言い寄って来て、好きになって尽くして最後は裏切られる。もう私は男を信じられない。言い寄ってくる男が信じられない。当分恋愛はもういい。今の私は男性が怖い。

 

 
また騙されて裏切られて傷つくのはもう嫌!だけど幸せな結婚はしたい!このまま男を信じられなかったら、幸せな結婚は難しいかもしれない。どうしたらいいのかわからない…。」と、悩んでいる恭子に本当の春はやってくるのだろうか。

 

 

第一話『合コン』

 

 昼下がりカーテンからの太陽の日差しで恭子は目が覚めた。恭子は夏の暑さのせいではない寝汗に、先日の合コンで知り合った男との悪夢を思い出していた。あれは恭子に「もう二度と恋なんてしたくない!」と決定付けた出来事だった。

 

 恭子は、友達の美奈に誘われて四対四の合コンをした。恭子はあまり乗り気じゃなかったけれども、いつものように美奈がセッティングしてきた合コンに出かけて行った。恭子は彼氏がいない寂しさと、それ以上に彼氏がいないことへの焦りが今日も合コンへと足を向わせた。

 

   
 いつものように自己紹介が始まった。奈美がセッティングする合コンは、けっこう粒ぞろいのイケメンの男が揃っていた。恭子はこれまで何人かと付き合って来たが、そのほとんどの彼氏は美奈のセッティングするこの合コンで知り合った。恭子はこの男と思い付き合うものの、その度に男に弄ばされ二股を掛けられて裏切られて傷ついていた。
 
 
 恭子は今日こそはと、そんな怖さを撥ね退ける思いで参加していた。恭子は心の中で強く込めて言った。
「今日こそは、真実のパートナーをゲットするぞ!」と、意気込んだ。
 
 
  四対四の合コンが始まると、奈美はいつものように場を盛り上げていった。奈美はいつものようにお目当ての男に照準を絞ると、男はまるで魔法に掛ったかのように奈美の虜になってしまう。恭子は毎回その奈美の魅力に翻弄されるのだが、今日はその見慣れている光景を横目に見ながら、一見クールだが優しい笑顔の男に照準を合わせていた。
 
 
男はとても話し上手で、恭子と会話がはずんだ。恭子もそのトークに合わせるかのようにお酒もほどよく進んだ。恭子はすっかりこの男が気に入っている自分に気がついた。そしてまた、男も恭子に好意を示し二人だけの楽しい時間が過ぎて行った。
 
 
2時間制の居酒屋での合コンも終盤になり、参加した全員が楽しげにできあがり、すっかり意気投合した男女は二次会のカラオケへと流れて行った。
 
  
 
 恭子は、ずっとその男の側にべったりだった。カラオケに行く道中もその男の側を歩き、時折自分の肩がその男の腕に当たる度に恋心を募らせていった。恭子はカラオケでもその男の横に座りその男が歌う声に魅了され、すっかりしおらしい乙女となっていた。
 
  
恭子は、その男との会話が楽しかった。その男と目が合うたびに、男の腕が自分の腕に触れ合うたびに、そして男の肘が自分の胸に当たるたびにドキドキして胸がキュンキュンと鳴った。
 
 
恭子は『彼の彼女になりたい。』と真剣に思った。居酒屋でこの男に彼女がいないことをリサーチ済みの恭子は、気がつくと肩がその男と触れ合っている温もりに、ますます気持ちを高ぶらせていったのだった。
 
 
つづく。

 

 

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