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『§まっすぐに生きるのが一番』
「第14話:イライラをつくるってこんな感じ(前半)」

 

 

秋も深まりつつある紅葉シーズン。
まだ青さが残るもののドライブに出かけたくなります。

 

 

そんな紅葉気分に見せられて、
ある3組がドライブに出かけました。

 

 

そんなわくわくする気分に水を差すように、
3組はおのおのイライラを募らせていくのでした。

 

 

 

1組目のメンバーは、
大学を卒業して久しぶりに集まった4人のOL。
女性らしくきれいなピンク系の軽自動車の中は、
賑やかな女子会そのもの。

 

 

2組目のメンバーは、
ネイビーブルーの小回りの利く小型車。
乗っているのはデート中の30代のカップル。

 

 

そして、3組目はシルバーグレーの髪がよく似合う
夫が運転する熟年夫婦の中型セダン。
あうんの呼吸が走りにも落ち着きを感じさせる。

 

 

途中の山間にある道の駅を出た3組の車は、
4人のOLの車を先頭に、デート中のカップル、
熟年夫婦の順に少し間隔をおいて走り出した。

 

 

 

紅葉にはまだ少し早い山間の幹線道路だが、
広々とした片側1車線の整備された快適な道。

 

 

真ん中の黄色い追い越し車線のゆるやかな曲線が、
ドライバーを飽きさせずに心地よくハンドルを握らせる。

 

 

4人のOLを乗せた車内は、制限速度50キロで
果てることのない女子会に湧いていた。

 

 

少し間隔が開いて走り出したカップルの車は、
車内の会話もはずんでいるせいか車のスピードも快調。

 

 

熟年夫婦の車もカップルの車に少し遅れる形で走りだし、
重量感のあるこちらの車もほどよい車間距離を取りながら
快走を続けていた。

 

 

しばらくすると、OLの車とカップルの車は、
町中を走るような車間距離で車を走行させていた。

 

 

「ちょっと前の車と近すぎない?」という女性の声に、
「前の車が遅すぎるんだよ」と少しムッとした男性の様子。

 

 

そんな後ろの車の接近に、プレッシャーを感じ出した
運転手の女性の一言で、車内は楽しい会話に水を差された
ように後部座席に乗っている女性が後ろを振り返る。

 

 

その全様を、少しスピードを落として距離を取りながら
見守る熟年ドライバー。

 

 

と思っていると、白のワゴンタイプの車がいつの間にか
距離を縮めて迫ってくるのが見えた。

 

 

熟年ドライバーも前の女性運転手と同様に
プレッシャーを感じたのか運転が微妙に荒くなる。

 

 

そうこうしているうちに、最後尾の車を含めて、
全員がイライラな気持ちを抱きはじめたのでした。

 

 

 

特に気に留めるまでもない
よくある日常でのイライラを感じる光景。

 

 

でも、イライラは伝染性のある感染症のように
日々の家庭でも仕事でも人を不快にしていくのです。

 

 

このイライラの感染症、ほっておくとどうなるか
知っていますよね。

 

 

我慢する度合いだけ「怒り」になります。

 

 

さらにひどくなると、
「恨み、ねたみ、そねみ(嫉妬)、
つらみ(辛い気持ち)」を引き起こしてしまうのです。

 

 

 

では、なぜイライラをつくり出すのでしょうか。

 

 

前回にも触れましたが、
人それぞれの観念(考え方の基準)、
やり方、理解され方があるからです。

 

 

人は、しつけからはじまり、風土や慣習、社会の中で
人やものごとに触れながら、一種の自己を形成していきます。

 

 

それが、自分が自分であるという自分がこの世で生きていく
ための最もよい基準をつくっていくのです。

 

 

それが人やものごとに利害を加えなければ、
加えられなければ、心を脅かされることはないわけです。

 

 

でも、人が人として成長し続けるためには、
人やものごとから学び続けることが大事になります。

 

 

そして、時に自分の心を脅かす出来事にも出くわすわけです。

 

 

私たちはそのような出来事のときに、
どのようにして乗り越えて来たのでしょうか。

 

 

だれもが今こうして生きているわけですから、
その答えを自分自身の中に知っているはずなのです。

 

 

この「知る」を忘れ気づかない度合だけ、
私たちは「怒り、恨み、ねたみ、そねみ(嫉妬)、
つらみ(辛い気持ち)」をつくり出し、
またつくり出されているのかもしれません。

 

 

その答えとは、何だったでしょうか。

 

 

次回の後半は、自分自身の中に知っているはずが、
どういうものであったかについてお話したいと思います。

 

 

いつもお読みいただき、ありがとうございます。
 

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