「これから歩むべき新しい人生の目的について」
『§まっすぐに生きるのが一番』
「第80話:これから歩むべき新しい人生の目的について」
哲也が意図しないまま「殺し文句」を言った瞬間から、哲也と優花はお互いを認め合った唯一の存在として、恋人同士の関係になった二人の物語。
前回、哲也と優花は自ら自然を感じ、自ら自然から学ぶ機会を持つことが、私たちに生きる知恵や大切な気づきを得られている話をしていた。
哲也と優花は久しぶりの二人だけのドライブを満喫して、優花が自分の車を車庫に入れると、二人はそのままおばあちゃんが待つ家へと入っていったのだった。
「あらあら、二人ともおかえりなさい。ドライブ楽しかったみたいだね」
家に入ると、おばあちゃんが二人を出迎えてくれた。
「なんか二人でどこかへ行って来たというより、二人で語り合ってきたって感じです」
哲也は、優花と車の中でいろんな話をした率直な感想を言った。
「まあそれはよかった。二人だけで語り合うことって、あるようでなかなかないから、お互いを深く知るいい機会になったんじゃないかしらね」
「そうですね、久しぶりにいろんなことを話せて、特に感謝やお蔭様での話なんかして、これからの生き方みたいなことを話してました」
「せっかくの二人だけのドライブなのに、そんな難しいことを話してらっしゃったの。まあお二人らしいわね」
「そうですかね。でも二人で話していると、これからの世の中はどんなふうになっていくのか、どんな生き方をしていけばいいのか、真剣に考えちゃいます」
「そうね、世の中が豊かになってきた分、新しい価値観の時代になってくるのだろうね」
「新しい価値観の時代ですか?つながりや感謝や思いやりに満ちた時代ですか?」
「そうね、簡単に言うとそのような時代かもしれないね」
「おばあちゃん、そこんところをもっと知りたいです」
「哲也、時間はゆっくりあるんだから、ご飯食べてからにしたら」
「うん、そうだね」
と言いながらも、哲也はすぐにでも聞きたかった。
おばあちゃんが自分の部屋に行くのを見て、哲也も一緒に部屋に入っていった。おばあちゃんのそんな気配を感じて。
「食事まで待っていられないみたいだったわね。よっこいしょ」
「おばあちゃんぜひ教えてください」
「教えるほどの話ではないんだけど、まあ私が思っている話でよければ。
時代を振り返ると、今までの時代と言うのは物がなかったからね。だから人は、物を所有することで幸せになろうとしてきた。
それが今はその物、生活をするには十分に満たされる物が手に入るにようになると、人は所有することがあたり前になってきた。
人と言うのは、物がないから求めるわけで、十分に満たされてくると、所有することに関心を持たなくなるもの。
そうなると、物を所有することで幸せなっていた心は、他のことで幸せになることを求め出すようになってきた。
簡単に言うと、精神的な心の喜びからの幸せにね。
哲也さんは、その精神的な心の喜びからの幸せってなんだと思う?どんな言葉が浮かぶ?
私が思うにはね、感動や信頼や一体的楽しさや喜び、笑顔、感謝もそうね。そのようなところに幸せの価値を求める、そんな価値観の時代になると思うの。
確かに今もあるにはあるけど、最近の若者を見ているとそうではないのよね。
哲也さんの両親世代は、生きるために物を所有することによって、豊かさの幸せを知るそんな価値観の世代。
哲也さんの世代もそうだと思うのだけれど、今の若者は生きるためにはすでに物が有り余った中で生きている世代。
両方を見ていると、物に対する執着というか、物欲に対するしがらみがないのよね。
簡単に言うと、“ほしものはほしい。いらないものはいらない”って感じかな。
だから、心の欲求に素直というか、あれこれ考えずに自分にいいものはOKって感じ。
でね、人の心の真の欲求である、愛や感謝や思いやりやつながりといったものは、人本来に備わっているものだと思うの。
それをストレートに反応する若者を見ていると、思ったの。
『人は幸せになるために生まれて来た』と、私は思っていたんだけど、
これからはさらにこういう時代になると思うの。
『人は幸せになるために生まれて来て、その幸せを享受し、その幸せを今度は多くの人に分け与え、また共有すること』
一心同体=複数の人間が心も体も一つになるほど強く結びつくこと。
そんな時代になっていくような気がするの。
インターネットの普及によって世界は一つにつながり、SNSでの結び付き。
世間ではこんな言葉もあるわよね。
『モノ消費からコト消費へ。そして同じ時を共有するトキ消費』
まさに、『人は幸せになるために生まれて来て(モノ消費)、その幸せを享受し(コト消費)、その幸せを今度は多くの人に分け与え、また共有する(トキ消費)』
つまりね、人は心が満たされ、その満たされた心が溢れてくると、人は与えたくなるものなのよ。
それはまさしく『無条件の愛』をもってね。
そして、その愛とは、感動や信頼や一体的楽しさや喜び、笑顔、思いやり、感謝ということに置き換えられるかもね。
今話してきたこと。それが新しい価値観の時代であり、
これからの人生の目的になるのではないかしらとね」
哲也は、優花と出会い、そしておばあちゃんと出会い、今まで一人孤独だった心を幸せな心へと溢れさせてもらってきた。
だからこそ、優花やおばあちゃんその家族のために、そして一緒に働く人たちへもなにかしてあげたい気持ちになるのかと思った。
そしてまた、人にしてもらって嬉しかったから、有り難かったから、人はお礼という形でお返しをしたり、今度は自分が人のために何かの役に立ちたいと思うのだと、そんなことを強く思ったのだった。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの名言;
人生で最も永続的でしかも緊急の問いかけは、
「他人のために、いまあなたは何をしているか」である。と。
(Life’s most persistent and urgent question is: What are you doing for others?)
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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