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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ 物語の主人公のモニター離脱の危機

 

前回、和尚はマインドマップを使って自分への洞察を増やし、自分のパターンを知る実習で書き出してもらったのだが、瑞枝はネガティブな言葉の抽出で止まってしまった。

そして瑞枝は、そのネガティブな気持ちに浸かった状態になって嫌気が差し、もうこのモニターをやっている意味さえもわからなくなっていたのだった。

 

※参考までに。 マインドマップとは、トニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱した思考・発想法の一つ。頭の中で起こっていることを目に見えるようにした思考ツールのこと。

概要:描き方は、表現したい概念の中心となるキーワードやイメージを中央に置き、そこから放射状にキーワードやイメージを広げ、つなげていく。思考を整理し、発想を豊かにし、記憶力を高めるために、想像 (imagination) と連想 (association) を用いて思考を展開する。(出典:ウィキペディアより)

 

 

和尚は、瑞枝の感じている状況をみて、慎重に言葉を選んで話しかけた。

「さて、ここで一区切りつけて、できている人もできていない人も一旦ここまでにしましょう。この実習をすると、どうしてもネガティブな自分をみてしまいます。自分はこんな人で、どうしようもなくてと、思うかもしれません。

でも、自分がよりよく幸せになるためには、自分の嫌な面もみてあげないといけません。なぜなら、どんな自分であってもそれは自分自身だからです。コインの裏表のように、両方あって一枚のコインのように、私たち人間も同じなんです。

そして、自分がよりよく幸せになるために、もし邪魔をしている自分のパターンがあったならば、そこに気づいて正しく訂正していけばいいのです。その邪魔をしているなーと思うパターンを見つけるために、この実習をしてもらっているのです。

 

だからどうしてもこの実習をしていくと、自分の嫌なネガティブなことをみないといけないですし、そのネガティブな感情も感じなくてはなりません。でも、それに気づくからこそ、その部分を変えることができて、自分がよりよく幸せになれるんです。

そして、今起こっていることは、自分自身がよりよくなるためのプロセスであることを、信頼してあげてください」和尚はそう言って、瑞枝をみた。

 

瑞枝は、自分のネガティブな感情にどっぷり浸かっていて、和尚の言っていることは頭には入ってくるものの、心にまでは届いていなかった。瑞枝は、幸せになりたいと思っていたが、改めて最低な自分を書き出して見てみると、『やっぱり自分には、幸せになることなんか無理なんだ』と思っていた。

和尚は話しながら、瑞枝の心には響いていないのがわかった。

 

「みなさんの書いたものを見せてもらっていいですか」

そう言って和尚は、有里と誠と瑞枝が書いた用紙を受け取って見た。

 

有里と誠のマインドマップを見ると、ネガティブな自分から始まっているものの、途中から『そんな自分ではあるが・・・』という発想への洞察になり、そこからポジティブな自分がなりたい自分、自分が大事にしている価値観へと、言葉が次々と伸びていた。

瑞枝を見てみると、マインドマップの中心に丸で囲んだ自分の名前の次に『きらい』とあり、そして最後は『かわいそう』で止まっていた。瑞枝はうつむいたまま親指を左右重ねるように、手を膝の上で握りしめていた。

 

和尚は正直困った。本来ならこのまま瑞枝と個人セラピー(カウンセリング)を進めていきたいところなのだが、グループで進めているのでどうしたらいいものかと思った。

本当は次に、自分の名前を書いたところを違う言葉に置き換えて、その言葉に対しての自分がどう思っているかのパターンを見ていくつもりだった。例えば、名前のところに、『人生や幸せやお父さん、お母さん』などと言った言葉を。

和尚は思った。昨日(この物語『互いの価値を取り戻す』)の有里と瑞枝とが近づいて価値を受け取る流れのプロセスを信頼しようと。

 

「瑞枝さんは、ここで(かわいそう)止まってしまったんですね。今とてもしんどい気分でしょう。この先があるんですが、ここで止まったままだと、ネガティブな感情をまざまざと見せつけられている状況ですもんね」

「もうそれ以上出てこないです」

「出てこなかったですか」と言った瞬間、和尚は瑞枝の中のなにかが見えた気がした。

 

「・・・私、もういいです。出てこないってことは、そういうことです。私は幸せにはなれないんです。ずっとこのままの私なんです。それが私の運命なんです。もう、私には、このモニターも無理です。せっかく声を掛けてもらったのに、和尚さんのお役には立てられるような私ではないんです。申し訳ないんですが・・・」

瑞枝は言葉に余韻を含ませて、そして次の言葉を言ったのだった。

 

つづく

次回明日11月8日(金)は、

メソッド実践編:「私、もうモニター止めます」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

 

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