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◆心の底から自分らしく生きるメソッド◆

「光曉和尚の愛と心のセラピー物語」

~私、自分らしく人生を生きます~

 

 

※はじめてこられた方は、

この物語の『登場人物』・『あらすじ』を 先にお読みいただければ幸いです。

 

 

§ これから私たちが生きる時代とは③

 

前回は、これからの時代、当たり前の価値観が私たちの住んでいる森全体(現実の世の中)に、ジワジワと根付いていこうとしている理由をお話しながら、それが現実の生活でどういうことが起こるかの仮説をお話しました。

今回は、その話に有里が怒りを覚え、さらにヒートアップするのでした。

 

 

有里は、これから現実として起こり得る思いと、もし自分の子供がそのようなことになったときのことを想像し、怒りを覚えていた。

 

「和尚さん、もし自分の子供がそんなこと(前回のようなこと)を言ったらと思うと、ものすごく腹が立ってきます。もう、正念が変わるまでこんこんと説教です!」

 

「有里さんの気持ちわかりますよ。これはあくまでも仮説で想像の話しです」

「いえ、もう現実にこんなふうに屁理屈を言う世の中になってきています。もうそんなふうにしかものごとを見れないと思うと、めっちゃくちゃ腹が立ちます。現にタバコの吸殻は起こっているんしょう。その吸殻を捨てた人は、絶対そんなふうにいいそうです!」

 

有里は感性が豊かだけに、人としての道義にはとても敏感で、それだけに道義から外れた行為はゆるせなかった。

 

「和尚さん、本当にそんな世の中になっていくんですか」と、瑞枝は不安そうに聞いた。

「瑞枝ちゃん、なっていくよ!このままいったら日本もうおかしいから、なっていくよ。

和尚さんこの前もね、ファミレスで子供が走り回って騒いでいたんです。周りにいるお客さんも迷惑そうで、やっとそのお母さんが子供に注意したんですけど、なんて言ったと思います。『店員さんに怒られるから静かにしなさい』ですよ!

そうじゃないでしょ。人様がご飯を食べているから、ワーワー騒いでいたら気持ちよくご飯が食べれないから、迷惑になるからでしょう!私、その言い方間違ってるって言ってやろうかと本気で思いましたよ」

 

「まあまあ有里さん、有里さんの言っている気持ちものすごくわかりますよ。私がなぜ、くどくどと何回も言う意味を少しはわかってもらえますか」

 

「やっとわかりましたよ。和尚さん本当にこれからの日本の世の中、ほんとうにやばいですよ。

2020年に日本でオリンピックすること決まって、『おもてなし』とかいってますけど、おもてなしって、気遣う思いやりの心でしょう。なんでも当たり前にそう思ってると『ありがたみ』も忘れてきたら、思いやる心もないんやから『おもてなし』なんてできるわけがないじゃないですか。

それって、本当の『おもてなし』じゃなくて、ただの媚を売る過剰サービスじゃないですか。『おもてなし』って最近よく言われてますけど、ほんとうにわかってるのかって思いますよ。

『おもてなし』には、本当に相手を思う感謝の気持ちがこもってるんですよ。そこには一期一会の精神があって、心を尽くすということですよ。有り難いって感謝の気持ちがあるから、『おもてなし』ができるんですよ」

 

「有里さん、それ、それ、だから有り難みを忘れてきた世の中だから、その有り難みを取り戻すことが、とてもこれからの時代大事になってくるんです。

そのためにもありがとうの実習をやってもらっているんです。ありがとうの実習は有り難みを取り戻すことにもなるんです。このありがとうが身に付けば一生使っていけるし、多くの人にも伝えていけるんです。やってることって、とてもシンプルでしょう。それにしても、有里さんよくそれだけ口が回りますね」

「お母さんにも言われます。あんたには口では負けるって」

 

和尚は有里の饒舌ぶり、毒舌ぶりに苦笑いするしかなかった。

 

「和尚さん、このままいったらほんまに日本ヤバいから、どうしたらいいのん。瑞枝ちゃんもちゃんと聞いといたほうがいいよ。もう私ら自分のことでくすぶってる場合ちゃうよ。自分の子供がほんまにえらい社会の中で育って、屁理屈ばっかり言う人の気持ちのわからん子供に育ってまうよ」

瑞枝は、話を聞いていて大変な世の中になっていくことはわかったが、まだ自分事としてはピンときてなかった。

 

「瑞枝ちゃんも結婚して幸せになりたいんやろう。自分の子供が、さっきのタバコのような屁理屈いうようになったらどないする?エコやら、効率的やら、合理的とかごたくをならべてわかったような口を聞いて、人の心も理解できんような子供に育ったらどうする?まず、私らからしっかりしとかんと、子供に人としてのしつけもでけんようになるで」

瑞枝は有里の言うことを理解していたが、なぜここまで熱くなるのかはわからなかった。

 

「瑞枝ちゃん、わかってる?自分の子供やで。自分の子供がそうなってしまうんやで。結婚して、自分だけ幸せになること考えてたらあかんで」

瑞枝は有里に押し付けられるように言われて、なにかムカついた気持ちになっていた。

 

和尚は、有里の毒舌に瑞枝が何かしらの気づきの反応をすることを期待したが、瑞枝の顔の表情を見るかぎり強い抵抗を示し言葉を挟んだ。

 

「有里さんは、結婚して子供を育てるところまで見えているんですね。瑞枝さんは、まずは今の自分を変えて結婚するところが、当面の目標だから有里さんの言ってることはこれからおいおいですね」

「そうなん、でも」

「有里さんの気持ちもとてもわかりますが、まず有里さんがこれからどう生きるか、まず瑞枝さんがこれからどう生きるか、まず自分がどう生きるかが大切になってきますから、まずそこに焦点を当てていきましょう」

 

和尚は、将来の子供の話を例に出せば、瑞枝も危機感を感じてくれるかと思っていたが、瑞枝のマインドマップのことを思い出して、瑞枝は将来の子供まではまだまだ先で、まずは自分が幸せになれる結婚をすることがコールだったことを思い出していた。

 

和尚は、瑞枝にこのまま自分事としての内発的動機づけができないところに『これからどう生きるか』の話をしても、心にまでは響かないと思った。瑞枝はまだ『これからどうやって生きるか』つまり、『これからどうすれば、幸せになれるか』という今までの条件付けの外発的動機づけに意識が向いていて、『自分がどうなりたいか』という内発的動機づけへの意識の気づきまでにはなっていなかった。

 

和尚は、どうしたらいいかと、ここで休憩を入れて考えることにしたのだった。

 

つづく

次回明日11月23日(土)は、

メソッド実践編:「前向きにわくわくする感じ」をお話します。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。 心より感謝いたします☆

※この物語は、実話にもとづいたフィクションであり、登場する人物など、実在のものとはいっさい関係がありません。

 

 

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